組織行動論
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プレミアムで見るグループとチームは、日常では同じような意味で使われます。しかし組織論では、はっきり区別されます。違いは「単純な総和で終わるか、相乗効果が生まれるか」。短い節ですが、定義の差がそのまま出題されるので、言葉づかいまで含めて押さえておきましょう。
簡単にいうと
グループは情報を共有するだけで、業績は個々の貢献の単純な総和。チームは協調して相乗効果を生むから、総和より高い業績になる。この差が定義の要だよ!
① 組織論におけるグループ
組織論でいうグループは、次のような集団を指して使われることがあります。それぞれが自分の担当業務を進めるなかで、主に情報を共有する目的で交わる集まり
この場合、集団で1つの作業をするといったことはなく、そのグループとしての業績は個々のメンバーの貢献の単純な総和によるものにすぎません。
ポイントは2つです。
・各自が自らの責任分野の業務を遂行する(仕事は分かれたまま)
・主として情報を共有するために交流する(交流の目的は情報共有)
・業績は個々のメンバーの貢献の単純な総和
② チーム
それに対して、チームとは、協調をとおして相乗効果(シナジー)を生み出すものであり、個々のメンバーの貢献の単純な総和によるものよりも、高い業績水準をもたらすものです。
単純な総和より高いというのが、チームの定義の要です。
第3章で学んだシナジーが、ここで人の集まりについて使われています。「別々にやるより大きな成果が得られる」という点で、同じ考え方です。
③ チームの性格
チームの構成メンバーが結集し、課題を解決し、場合によっては解決策の実行まで行います。
部組織などの恒久的な組織とは異なるため、基本的には役割を終えると解散することになります。
多くの場合、遂行するタスクにおいて多様なスキルや判断、経験を必要とすることから、部門横断的に多様なメンバーを募って構成することになります。
3つの性格を押さえましょう。
| 性格 | |
|---|---|
| ❶ | 課題を解決し、場合によっては解決策の実行まで行う |
| ❷ | 恒久的な組織とは異なり、役割を終えると解散する |
| ❸ | 部門横断的に多様なメンバーを募って構成する |
④ 第7章とのつながり
第7章第11節で学んだプロジェクトチームを思い出してください。
プロジェクトチームは、複数の部門に関連する課題を解決するために、各部門から専門的知識を有するメンバーを集めて臨時的に編成される組織でした。そしてプロジェクトの目的を達成した時点で、本来の所属部門に戻るとされていました。
ここでいうチームの性格と、そのまま重なります。組織構造の側から見たのがプロジェクトチーム、集団行動の側から見たのがチーム、という関係です。
⑤ 2つの比較
| グループ | チーム | |
|---|---|---|
| 交流の目的 | 主として情報を共有するため | 協調をとおして相乗効果を生み出すため |
| 仕事のしかた | 各自が自らの責任分野の業務を遂行する | 構成メンバーが結集して課題を解決する |
| 業績 | 個々のメンバーの貢献の単純な総和 | 単純な総和よりも高い業績水準 |
| 存続期間 | 継続的 | 役割を終えると解散する |
| メンバー構成 | 同じ分野の人が中心になりやすい | 部門横断的に多様なメンバー |
「単純な総和」がグループ、「総和より高い」がチーム。この一点で判別できます。
具体例
同じ会社の中にある「グループ」と「チーム」を比べてみましょう。
グループの例:営業部の月次会議
毎月1回、営業担当12名が集まります。
・各自が担当エリアの実績と見込みを報告する
・他の人の成功事例を聞いて参考にする
・本部からの連絡事項を共有する
各自が自らの責任分野の業務を遂行する際に、主として情報を共有するために交流する集団です。
会議が終われば、それぞれが自分のエリアに戻ってこれまでどおり個別に動きます。営業部の実績は、12人の実績を足したものです。個々のメンバーの貢献の単純な総和にすぎません。
チームの例:大口案件の受注チーム
ある大手メーカーから、工場の設備一式を更新したいという引き合いがありました。金額は8億円、要求仕様は複雑で、競合3社との争いです。
部門横断的に多様なメンバーを募った
・営業担当1名(顧客との窓口)
・技術者2名(仕様の検討)
・生産管理1名(納期の見積り)
・経理1名(採算と支払条件)
・法務1名(契約条件)

グループとチームの違い
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何が起きたか 技術者が「この仕様なら既存の設備を一部流用できる」と気づき、生産管理がそれをもとに納期を3か月短縮できると計算し、経理が短縮分を値引き原資に回せると示し、営業がそれを提案に組み立てました。
この提案は、誰か1人では作れませんでした。各自が別々に検討していたら、「既存設備の流用」という発想自体が出てきません。
協調をとおして相乗効果(シナジー)を生み出し、個々のメンバーの貢献の単純な総和によるものよりも高い業績水準をもたらしたわけです。
受注後 チームは納品の立ち会いまで担当し(場合によっては解決策の実行まで行う)、プロジェクト完了とともに解散しました。メンバーはそれぞれ元の部署に戻っています。
同じ会社の中で、集まり方が2種類あるということです。
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