マーケティングマネジメント戦略の展開
下の動画はこの節の解説ではありません。 解説動画の雰囲気を知っていただくための見本として、「PPM」の動画を再生します。
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プレミアムで見る前の章でマーケティングの考え方をつかんだので、ここからは実際にどう進めるかに入ります。
マーケティングマネジメント戦略は、マーケティングマネジメントプロセスのもとで、4P(Product、Price、Place、Promotion)を統一的に展開させていくものです。
この節では、その全体の流れを先に見ておきます。個々の中身は、この章以降で順に扱っていきます。
地図を先に見てから歩き出す、という趣旨の節です。いま自分がどの段階の話を学んでいるのかを見失わないよう、この流れを頭に入れておいてください。
簡単にいうと
マーケティングの進め方には、決まった順番があるんだ。この流れが、これから学ぶ章の並びそのものになっているよ!
① コトラーによる定義
コトラーは、マーケティングマネジメントプロセスを次の流れであると定義しています。
ⅰ 市場機会を分析し
ⅱ 標的市場を選定し
ⅲ マーケティングミックス戦略を開発し
ⅳ マーケティング活動を管理していく
② より細かく見た流れ
この定義をもとに、実務で使う形に刻むと次のような流れになります。
ⅰ マーケティング環境分析
マーケティングリサーチによって、外部環境(経済、消費者、競合)と内部環境(経営資源)を調べます。
ⅱ マーケティング目標設定
売上、利益、市場シェアなどの目標を定めます。
ⅲ 市場細分化
市場を意味のあるまとまりに分けます。
具体例
新しい炭酸水を発売する飲料メーカーV社の動きを、流れに沿って追ってみます。
ⅰ 環境分析炭酸水市場が5年で1.8倍に伸びていること、しかし上位3社で7割を占めていることが分かりました。自社には炭酸の充填技術と全国のコンビニ網があります。
ⅱ 目標設定3年後に市場シェア8%、売上40億円と定めました。
ⅲ 市場細分化飲用の目的で市場を分けます。「そのまま飲む」「お酒で割る」「料理に使う」の3つが見えてきました。
ⅳ 市場ターゲティング上位3社が「そのまま飲む」に集中していることから、V社は「お酒で割る」層を狙うことにしました。
ⅴ 市場ポジショニングこの層のなかで「強炭酸で割っても薄まらない」という位置に置きます。
ⅵ 4Pの組み立て
4つがそろっていることを確かめてください。
強炭酸という製品、それに見合う価格、お酒と一緒に買われる場所、家飲みの場面を描く広告。4つとも「お酒で割る層に、強炭酸で」という一点を向いています。
ここで安売り店に並べてしまえば、高めの価格設定が浮いてしまいます。統一的に展開する、というのはこういうことです。

マーケティングマネジメントプロセス
試験のポイント
簡単にいうと
サービスを売るときは、4Pだけでは足りないんだ。3つ足して7Pになるよ。何が足りないのかを考えてみよう!
① 7Pとは
サービスを扱う場合には、4Pに次の3つを加えた7Pを用います。
② なぜ3つ足りないのか
モノとサービスの違いから考えると、なぜこの3つなのかが見えてきます。
ⅰ 人(Personnel / People)
モノは、誰が売っても中身が同じです。工場で作られた時点で品質が決まっています。
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分けたまとまりのうち、どこを狙うかを決めます。
ⅴ 市場ポジショニング
狙った市場のなかで、自社をどういう位置に置くかを決めます。
ⅵ マーケティングミックス(4P)の開発・実行
決めた位置に合わせて、4つの手段を組み立てます。
③ ターゲットマーケティング
このうちⅲ 市場細分化、ⅳ 市場ターゲティング、ⅴ 市場ポジショニングの3つをまとめてターゲットマーケティングと呼びます。
頭文字からSTPと呼ばれることもあります(Segmentation、Targeting、Positioning)。
④ なぜこの順番なのか
順番には理由があります。
誰に売るかを決めなければ、何をどう作るかは決められません。
同じ自動車でも、子育て世帯に売るのか、単身の若者に売るのかで、作るべき車も、付ける値段も、置く店も、打つ広告も変わります。
4Pを先に決めてしまうと、「作ったものを誰に買ってもらうか」を後から探すことになります。これは前の章で見たマーケティング1.0の発想です。
ターゲットを決めてから4Pを組む。この順序自体が、消費者志向の表れだということです。
⑤ 4P
マーケティングミックスは、次の4つからなります。
4つを別々に決めるのではなく、統一的に展開させるのがマーケティングマネジメント戦略です。
高級品として位置づけたのに、安売り店に置いて値引き広告を打てば、せっかくの位置づけが崩れてしまいます。4つの整合が要るのは、そのためです。
ところがサービスは、提供する人によって品質が変わります。同じ美容院でも、担当者が変われば仕上がりが変わる。だから人そのものがマーケティングの手段になります。
ⅱ 業務プロセス(Process)
モノは、できあがったものを買います。作る過程を客が見ることはありません。
サービスは、提供される過程そのものを客が体験します。レストランで、注文してから料理が来るまでの時間、呼んだときの応答の速さ。これらは過程でありながら、そのまま商品の一部です。
ⅲ 物的証拠(Physical Evidence)
モノは手に取って確かめられます。
サービスは形がありません。買う前に品質を確かめられない。
そこで、店の内装、従業員の制服、パンフレット、受賞歴の掲示といった目に見えるものを手がかりにします。これが物的証拠です。
③ 3つはサービスの特性から出ている
まとめると、追加された3つはサービスの性質にそれぞれ対応しています。
サービスの特性そのものは第14章6節で詳しく扱います。ここでは、4Pだけでは扱いきれない要素があるから3つ足したという理解を持っておけば十分です。
具体例
同じ「コーヒーを売る」でも、缶コーヒーの会社とカフェでは扱う要素が違います。
缶コーヒーのメーカー ― 4Pで足りる
誰が売っても中身は同じです。買う前に成分表示で確かめられます。
カフェ ― 3つ足りない
同じ豆を使っても、淹れる人の技量で味が変わります(人)。
注文から提供まで3分か10分かで、客の満足はまったく違います(業務プロセス)。
そして客は、店に入る前に味を確かめられません。だから、店構え、椅子の座り心地、カウンターに並ぶ豆の袋、壁に貼られたバリスタ大会の賞状を見て判断します(物的証拠)。
このカフェが客単価を上げたいと考えたとき、豆を良いものに変える(Product)だけでは足りません。
淹れ手の教育に投資し(人)、提供までの時間を短くする動線を組み直し(業務プロセス)、内装を落ち着いたものに変える(物的証拠)。ここまでやって初めて、高い価格が受け入れられます。
試験のポイント
プレミアムプラン
¥9,800〜/ 買い切り・自動更新なし(税込)
決済はStripe(世界最高水準・PCI-DSS準拠)で安全に処理されます。カード情報は当サービスに保存されません。