プロモーション戦略
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プレミアムで見るここから4Pの最後、プロモーション(Promotion)に入ります。
プロモーション戦略の展開は、消費者や中間業者(卸、小売)などに対するコミュニケーション活動であり、マーケティングコミュニケーションともいいます。
この節では、プロモーション手法の組み合わせであるプロモーションミックスについて見ていきます。
押さえるのは2つだけです。
4つの手法と、プル戦略・プッシュ戦略。
とくに後者は、「どちらが生産財向けか」という形で繰り返し問われています。
簡単にいうと
プロモーションは4つに分かれるよ。ここを取り違えると、あとの話が全部ずれるんだ!
① 4つの手法
プロモーションの手法は、次の4つに分類されます。
それぞれの中身は、第2節以降で詳しく扱います。ここではまず、この4つであるということを固めてください。
② 英語名との対応
設問では英語で書かれることがあります。
③ 出題されている取り違え
次の言い方は誤りです。
「プロモーションミックスとは、広告、セールスプロモーション、パブリックリレーションズ、インベスターズリレーションズの4つの活動を、マーケティング目標に応じて適切に組み合わせることをいう」
具体例
新しい健康飲料を売り出す会社が、4つの手法をどう使うかを並べてみます。
広告
テレビCMを3か月流し、ウェブの動画広告も出しました。費用は2億円。
自社がお金を払って、自社のメッセージを流す手法です。
パブリシティ
新聞社と健康情報サイトに資料を送り、記事として取り上げてもらいました。
掲載料は払っていません。そのかわり、載るかどうかも、どう書かれるかも、こちらでは決められません。
人的販売
営業担当12名が、ドラッグストアのバイヤーを1社ずつ訪問し、棚への導入を交渉しました。
人が直接出向いて、相手に合わせて説明する手法です。
販売促進
店頭での試飲、2本購入で1本無料のキャンペーン、応募シールを集めると景品がもらえる仕組み。
その場で買う動機を作る手法です。
IRは含まれない
この会社は同じ時期に、決算説明会を開いて投資家に事業計画を説明しました。

プロモーションミックス(4手法とプル・プッシュ戦略)
試験のポイント
簡単にいうと
消費者に引っ張ってもらうのがプル、チャネルに押し込むのがプッシュ。どちらに重点を置くかだよ!
① どの手法に重点を置くか
どの手法に重点を置くかにより、プル戦略とプッシュ戦略に分類されます。
② プル戦略
プル戦略とは、広告、パブリシティに重点を置いてプロモーションミックスを選択し、消費者の需要を促す戦略です。
③ プッシュ戦略
プッシュ戦略とは、人的販売、販売促進に重点を置いてプロモーションミックスを選択し、チャネルを通じて製品を売り込んでいく戦略です。
④ 4つの手法が2つに分かれる
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正しくは、広告、セールスプロモーション(販売促進)、パブリックリレーションズ(パブリシティ)、人的販売の4つです。
インベスターズリレーションズ(IR)は投資家向けの広報活動であり、プロモーションミックスには含まれません。
④ 混ぜられやすいのは「人的販売」の枠
この設問が狙っているのは、人的販売を落として、別のものを入れ込むという形です。
広告・販売促進・パブリシティの3つは覚えやすいのですが、人的販売が抜けていないかを必ず確かめてください。
IRのほか、インターナルマーケティング(第14章6節)やダイレクトマーケティングを混ぜる形も考えられます。
これはインベスターズリレーションズ(IR)です。
相手は投資家であって、製品を買ってくれる消費者や中間業者ではありません。だからプロモーションミックスには含まれません。
⑤ 力の向きが逆
2つの名前は、力の向きを表しています。
プル戦略では、メーカーが消費者へ直接訴えます。needsを持った消費者が小売業者に「あれが欲しい」と求め、小売業者が卸に、卸がメーカーに注文する。
消費者の側から需要が引っ張られてくるので「プル(引く)」です。
プッシュ戦略では、メーカーが卸に売り込み、卸が小売に売り込み、小売が消費者に勧める。
メーカーの側からチャネルへ押し出していくので「プッシュ(押す)」です。
⑥ 生産財と消費財で使い分ける
ここが最も問われる論点です。
次の言い方は誤りです。
「プッシュ政策は、生産財より消費財に適している」
正しくは逆で、
が基本的なプロモーション手法となります。
⑦ なぜその対応になるのか
第13章4節で見た組織購買行動を思い出してください。
生産財を買うのは組織です。集団で、専門性を持って、合理的に判断します。取引先の数も少なく、長期的な関係になります。
この相手にテレビCMを打っても意味がありません。人が出向いて、仕様を詰めて、関係を築くほうが効きます。だから人的販売=プッシュです。
消費財を買うのは個人です。数が膨大で、一人ひとりを訪問できません。だから広告で一度に多くへ届ける=プルになります。
⑧ 実際には組み合わせる
なお、どちらか一方だけということは実務では稀です。
消費財でも、小売店の棚を取るには人的販売が要ります。生産財でも、業界誌への広告で認知は広げます。
どちらに重点を置くかという問題だ、という点を押さえておいてください。
具体例
同じ会社が、2つの製品で正反対の戦略を採った例です。
消費財 ― 家庭用の洗剤(プル戦略)
広告にテレビCMとウェブ動画で年8億円。パブリシティとして、新成分の開発を発表し、新聞に取り上げてもらいました。
狙いは、消費者に「あの洗剤が欲しい」と思わせることです。
起きること
CMを見た消費者がスーパーで探します。置いていない店には「あの洗剤は無いの」と問い合わせが入る。
小売店は仕方なく卸に発注し、卸がメーカーに発注します。
消費者の側から需要が引っ張られてきたわけです。
生産財 ― 工場用の業務用洗浄剤(プッシュ戦略)
こちらにテレビCMは打ちません。
対象は全国の食品工場など約1,800社。テレビで呼びかけるには対象が狭すぎます。
そこで人的販売。技術営業8名が工場を回り、設備や汚れの種類に合わせた希釈率を提案し、試験導入から始めます。
販売促進として、導入先に洗浄作業の研修を無償で提供しました。
なぜこうなるのか
この洗浄剤を決めるのは、
という購買センターです。
複数の人が、技術的な中身を見て、合理的に判断します。
広告では届かない相手なので、人が出向くしかないわけです。
取り違えないために
「プッシュは消費財向け」と覚えてしまうと逆になります。
組織が買うもの(生産財)は人が売る=プッシュ。この結びつきで覚えてください。

プル戦略とプッシュ戦略
試験のポイント
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