企業戦略(成長戦略)
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プレミアムで見るリストラクチャリングという言葉は、日本では人員削減とほぼ同じ意味で使われがちです。しかし本来の意味は「事業構造の再構築」であり、縮小するだけでなく、新しい事業を起こすことも含みます。ここでは2種類のリストラクチャリングと、どちらにも共通する基本原則を押さえます。
簡単にいうと
リストラ=クビ、じゃない。本来は「事業構造の再構築」のこと。縮める方向と、広げる方向の2種類があるよ!
① リストラクチャリングとは
リストラクチャリングとは、事業構造の再構築のことです。
日常会話では人員削減を指して使われることが多い言葉ですが、経営学でいうリストラクチャリングは事業の顔ぶれを組み替えること全般を指します。この点は試験でも狙われるので注意してください。
② 2つの型
リストラクチャリングには2種類あり、1つは本業強化につながるもので、もう1つは事業の多角化(新規事業開発)です。
| 本業強化型 | 多角化型 | |
|---|---|---|
| 何をするか | 徹底した合理化、ダウンサイジングを行う | 事業構造そのものを複合化する |
| 目的 | 事業の競争力を高める | 環境変化に対応する |
| 方向 | 絞り込む・引き締める | 広げる |
本業強化型のものは、徹底した合理化、ダウンサイジングを行うことで事業の競争力を高めることを目的としています。
これに対して多角化は、事業構造そのものを複合化して環境変化に対応しようとするものです。
③ 双方に共通する基本原則
ここが試験で問われる大事な点です。
双方ともコアコンピタンスの周辺での事業再構築が基本原則とされています。
縮めるにせよ広げるにせよ、自社のコアコンピタンスから遠く離れたところで動くのは危険だということです。
・本業強化型なら、コアコンピタンスに直接つながらない部分から削る
・多角化型なら、コアコンピタンスが活きる隣接領域へ広げる
第5節で学んだとおり、コアコンピタンスは「さまざまな市場や製品に展開する際に活かすことができる経営資源」でした。リストラクチャリングの基本原則がコアコンピタンスの周辺だとされるのは、この性質があるからです。
④ なぜ必要になるのか
環境の移り変わりが速い今日では、多角化を進めるうちに経営資源が薄く広がったり、採算の合わない事業を抱え込んだりすることがあります。そこから抜け出して成長と生存を続けるには、いま手がけている事業の顔ぶれを見直し、組み立て直すほかありません。
つまり、前節までで学んだ多角化とリストラクチャリングは、対立するものではなく表裏一体です。広げた結果として抱え込んだ無理を、定期的に整理し直す。その繰り返しが企業の成長の実際の姿だということです。
⑤ PPMとのつながり
どの事業を残し、どの事業を畳むかという判断は、次節以降で学ぶPPMの出番でもあります。PPMの4象限でいう「負け犬」に位置づけられた事業について、撤退・売却・縮小を検討するのは、まさにリストラクチャリングの実務そのものです。
具体例
総合電機メーカーN社が10年かけて行ったリストラクチャリングを追ってみます。
N社は1990年代に多角化を進め、白物家電、テレビ、半導体、医療機器、鉄道システム、住宅設備と事業を広げました。しかし2000年代に入り、価格競争の激化で複数の事業が赤字になり、経営資源が分散していました。
まず自社のコアコンピタンスを定義し直しました。
議論の結果、「重電で培った大型システムの設計・保守の技術」を軸に据えることにしました。
本業強化型のリストラクチャリング
・重電部門の間接部門を統合し、意思決定の階層を5層から3層に減らす
・国内に9つあった生産拠点を4つに集約する
・設計の標準化により、案件ごとの設計工数を3割削減する
多角化型のリストラクチャリング
・大型システムの保守技術を活かし、発電設備の遠隔監視サービスという新規事業を立ち上げる
・鉄道システムの運行制御技術を、物流倉庫の自動化に横展開する
コアコンピタンスから遠い事業は手放しました
・白物家電事業は海外メーカーに売却
・住宅設備事業は分社のうえ、専業メーカーと統合
削る方向と広げる方向が同時に進み、しかもどちらも「大型システムの設計・保守」というコアコンピタンスの周辺で行われていることが分かります。これが基本原則どおりの再構築です。

リストラクチャリングとアウトソーシング
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