人的資源管理
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プレミアムで見る労働基準法が労働条件の最低基準を定める法律だったのに対し、労働安全衛生法は、働く場そのものの安全と健康を扱う法律です。
この節で押さえるのは3つです。
ひとつめは安全衛生管理体制。誰を選任しなければならないか、その要件となる人数と業種が問われます。
ふたつめは健康診断。種類ごとに対象と実施時期が違います。
みっつめは医師による面接指導。過重労働による健康障害を防ぐための仕組みで、月80時間という数字が出てきます。第14節の時間外労働の上限規制と数字が近いので、混ぜないよう注意してください。
簡単にいうと
職場の安全を守るために、決まった役割の人を置く決まりだよ。50人という数字が何度も出てくるから、そこを押さえてね!
① 法の目的
労働安全衛生法の目的は、労働災害を防止し、労働者の安全と健康の確保や快適な職場環境の形成を促進することにあります。
事業者などは、労働災害を防止するための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現・労働条件の改善を通じて職場での労働者の安全と健康を確保し、国が行う労働災害防止の施策に協力する義務があります。
最低基準を守るだけでは足りないという書きぶりに、この法律の姿勢が表れています。
② なぜ管理体制が要るのか
労働災害を防止し安全衛生を管理する責任は、本来事業者にあります。
しかし、事業者の管理だけでは必ずしも十分ではありません。現場のどこに危険があるかは、そこで働く人にしか見えないからです。
そこで、一定規模以上の事業場では、労働者などに一定の役割を分担させて安全衛生の管理を行わせることにしています。
③ 4つの役割
総括安全衛生管理者
安全管理者
具体例
同じ会社の3つの事業場を比べてみます。
W社の本社(事務職60名)
W社の川崎工場(製造職120名)
さらに一定規模以上にあたるため、総括安全衛生管理者も選任し、安全管理者と衛生管理者を指揮させています。
W社の福岡営業所(営業職20名)
50人未満なので、安全管理者・衛生管理者・産業医のいずれも選任義務はありません。
ただし、事業者としての安全配慮の責任がなくなるわけではありません。選任義務がないことと、何もしなくてよいことは別です。

安全衛生管理体制
試験のポイント
簡単にいうと
健康診断は種類ごとに対象と時期が違うよ。面接指導の「月80時間」も大事な数字だから、あわせて覚えよう!
① 健康診断の義務
事業者は、作業環境測定を行って仕事場の衛生状態を管理するだけでなく、労働者の健康を保持増進するために健康診断を行って労働者個々人の健康状態を管理する義務があります。
そして、労働者も自己管理に努めるため、健康診断を受ける義務があります。
会社側の義務だけではない、という点に注意してください。健康は本人のものであると同時に、働き続けるための条件でもあるからです。
② 健康診断個人票の保存
事業者は、法定の健康診断の結果に基づき、健康診断個人票を作成し、5年間保存しなければなりません。
③ 健康診断の種類
一般健康診断には、次のものがあります。
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衛生管理者
産業医
④ 業種を問うかどうかで分かれる
ここが出題の的です。
安全管理者は業種が限られます。建設業・製造業など、身体に危険が及ぶ作業のある業種が対象です。事務所での仕事に、安全管理者を置く必要はありません。
衛生管理者と産業医は業種を問いません。健康や衛生の問題は、どんな職場にも起こるからです。オフィスワークでも、長時間労働やメンタル不調は生じます。
安全は業種による、衛生と健康は業種によらない。この対比で覚えてください。
雇入時の健康診断
常時使用する労働者を対象に、雇入れの際に行います。
ただし、医師による健康診断を受けてから3か月を経過しない者が当該診断結果を証明する書面を提出したときは、その健康診断で実施された項目については省略可能です。
定期健康診断
常時使用する労働者(特定業務従事者を除く)を対象に、1年以内ごとに1回行います。
特定業務従事者の健康診断
多量の高熱物体を取り扱う業務等の特定業務に従事する労働者を対象に、配置替えの際、および6か月以内ごとに1回行います。
定期健康診断より頻度が高いのは、身体への負荷が大きい業務だからです。
海外派遣労働者の健康診断
海外に6か月以上派遣する労働者を対象に、派遣する際、および帰国後国内業務に就かせる際に行います。
給食従業員の検便
事業に附属する食堂または炊事場における給食の業務に従事する労働者を対象に、雇入れの際、または配置替えの際に行います。
④ 医師による面接指導
労働安全衛生法により、事業者には、過重労働による健康障害を防止するため、長時間労働者に対する面接指導を実施する義務が課せられています。
具体的には、原則として次の2つを満たす場合に、医師による面接指導を行わなければなりません。
⑤ 申出がなくても行う場合
研究開発業務従事者および高度プロフェッショナル制度適用者については、一定の要件を満たした場合、労働者の申出がなくても医師による面接指導を行わなければなりません。
この2つは、第14節で見たとおり時間外労働の上限規制や労働時間の規定が外れる立場にあります。歯止めが外れている分、健康面の手当てを厚くしてあるという構図です。
⑥ 記録の保存
事業者は、当該面接指導の結果の記録を作成し、5年間保存しなければなりません。健康診断個人票と同じ年数です。
⑦ 数字を混ぜない
80時間という数字は、第14節で見た「複数月平均80時間」と紛らわしいところです。
面接指導のほうは1月当たり80時間を超えた場合。45時間ではありません。この形の誤りは実際に出題されています。
具体例
従業員80名の設計会社X社の1年を追ってみます。
4月・新入社員の雇入時健康診断
新卒5名のうち、Yさんは2月に大学で受けた健康診断の結果証明書を提出しました。受診から3か月を経過していないため、その診断で実施された項目は省略できます。
6月・定期健康診断
全社員を対象に実施しました。1年以内ごとに1回という要件を満たしています。
結果は健康診断個人票にまとめ、5年間保存します。
9月・海外派遣
Zさんをシンガポール法人へ1年間派遣することになりました。6か月以上の派遣にあたるため、派遣前に海外派遣労働者の健康診断を実施します。帰国後、国内業務に就かせる際にも同じ診断が必要です。
11月・面接指導
設計担当のAさんの残業が増え、10月は週40時間を超えた時間が92時間になりました。
80時間を超えているので、Aさんに疲労の蓄積が認められ、本人が申し出れば、医師による面接指導を行わなければなりません。
X社は、申出を待たずに状況を伝えたうえで、産業医との面談を案内しました。
なお、同じ会社の研究開発部門のBさんについては、一定の要件を満たす場合、本人の申出がなくても面接指導が必要になります。
試験のポイント
プレミアムプラン
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