外注管理
第5章 物の管理
外注管理は、自社で行わない工程や部品製造を外部に委託する活動を管理することです。外注依存度やアウトソーシング、ファブレスなどの概念を理解し、外注の戦略的な活用方法を学びます。
外注管理とアウトソーシング
簡単にいうと
簡単にいうと、外注管理は「自分で作るか、他社に作ってもらうかを決めて、外に出す部分をしっかり管理する」ことです。
外注管理は、外部の企業に加工・組立・サービスなどの業務を委託し、品質・納期・コストを適切に管理する活動です(JIS Z 8141-6201)。
外注依存度は、生産活動における外注への依存の程度を示す指標です。
外注を活用する主な理由は以下のとおりです。
- 自社の生産能力の不足を補う(能力外注)
- コスト削減のため自社より安い外注先を活用する(コスト外注)
- 自社にない専門技術を利用する(専門外注)
アウトソーシングは、従来自社内で行っていた業務を外部の専門企業に委託することです。単なるコスト削減だけでなく、自社のコアコンピタンス(中核能力)に経営資源を集中するという戦略的な意味合いがあります。
ファブレス(Fabless)は、自社では製造設備(Fabrication facility)を持たず、設計・開発・マーケティングに特化するビジネスモデルです。半導体業界のクアルコムやAppleのチップ設計部門などが代表例です。
具体例
中小企業のA社は、プレス加工を自社で行い、表面処理(メッキ)は専門のB社に外注しています。これはB社の専門技術を活用する「専門外注」です。A社はメッキ設備への投資を不要とし、コアのプレス技術に経営資源を集中できます。
試験のポイント
- ・外注の3つの理由(能力外注・コスト外注・専門外注)を区別しましょう
- ・アウトソーシングは「戦略的」な外部委託で、コアコンピタンスへの集中が目的である点を押さえましょう
- ・ファブレスは「工場を持たない」ビジネスモデルであることを覚えましょう
OEM(相手先ブランド製造)
簡単にいうと
簡単にいうと、OEMは「A社が作った製品をB社のブランド名で販売する」仕組みです。委託側は工場を持たなくても製品ラインを増やせ、受託側は設備の稼働率を上げられるメリットがあります。
OEM(Original Equipment Manufacturing)とは、受託側(メーカー)が委託側のブランド名で販売される製品を製造する形態です。委託側と受託側にはそれぞれメリット・デメリットがあります。
委託側のメリット:
- 自社で生産設備を持たなくても製品を供給できる(設備投資が不要)
- 自社の製品ラインナップを短期間で拡充できる
- 新しい市場に素早く参入できる
委託側のデメリット:
- 受託側に製造を任せるため品質管理が難しい
- 自社に製造ノウハウが蓄積されない
受託側のメリット:
- 自社の設備稼働率を向上させられる
- 安定的な受注を確保でき、経営が安定する
受託側のデメリット:
- 自社ブランドの育成が遅れる(相手先ブランドでの製造に注力するため)
- 委託側への依存度が高まるリスクがある
具体例
コンビニのプライベートブランド(PB)商品は典型的なOEMの例です。食品メーカー(受託側)がコンビニチェーン(委託側)のブランド名で商品を製造します。コンビニは工場を持たずに独自商品を展開でき、食品メーカーは工場の稼働率を高められます。
試験のポイント
- ・OEMの定義(委託側のブランドで受託側が製造する形態)を正確に覚えましょう
- ・委託側と受託側それぞれのメリット・デメリットを整理して覚えましょう
- ・外注管理の一形態としてのOEMの位置づけを理解しましょう
まとめ
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