資材管理
第5章 物の管理
資材管理は、生産に必要な原材料・部品・消耗品などの資材を、必要なとき・必要な量だけ・適正なコストで調達し管理する活動です。資材の標準化は資材管理の基本方針のひとつで、品目数の削減や調達コストの低減に寄与しますが、一方で設計の自由度を制約する面もあります。
資材管理の基本と標準化
簡単にいうと
簡単にいうと、資材管理は「生産に使う材料や部品を、ちょうどよく揃えて無駄なく使う」ための管理です。標準化は「使う材料の種類を絞り込む」ことで効率を高めます。
資材管理とは、生産活動に必要な主要材料・補助材料・購入部品・消耗品・工具などの調達・保管・供給を計画的に管理する活動です(JIS Z 8141-6101)。
資材管理の目的は5R(適時:Right Time、適量:Right Quantity、適質:Right Quality、適価:Right Price、適所:Right Place)を実現することです。
資材の標準化は、使用する材料・部品の品目数を絞り込み、規格を統一する取り組みです。
標準化のメリット:
- 品目数の削減により在庫管理が容易になる
- 大量発注による調達コストの低減(スケールメリット)
- 設計・製造工程の効率化と品質の安定
- 互換性の確保と保守・修理の容易化
標準化のデメリット:
- 設計の自由度が制約される
- 技術革新への対応が遅れる可能性がある
- 最適な材料・部品を選択できない場合がある
- 規格化のための初期投資やコストが発生する
具体例
電子部品メーカーでネジの標準化を行い、使用するネジの種類を200種類から50種類に削減しました。これにより在庫スペースが60%削減され、量をまとめて発注できるようになったことで調達単価も15%低下しました。
試験のポイント
- ・資材管理の5R(適時・適量・適質・適価・適所)を覚えましょう
- ・標準化のメリット(コスト削減・管理容易化)とデメリット(設計自由度の制約)の両面を理解しましょう
- ・標準化は「VE(価値工学)」の活動とも関連する点を押さえましょう
常備品管理方式と内外製区分
簡単にいうと
簡単にいうと、常備品管理は「いつも使う資材を切らさないように一定量ストックしておく」方式です。また、ある部品を自社で作るか外注するかを判断する基準(内外製区分)についても整理します。
常備品管理方式は、消費量が比較的安定している資材について、常時一定量の在庫を保有し、使用した分だけ補充する管理方式です。需要が安定している汎用部品や消耗品に適しています。
内外製(作)区分の判断基準
内外製区分とは、ある部品や工程を「自社で製造するか(内製)」「外部に委託するか(外製=外注)」を判断する意思決定です。以下の7つの基準で総合的に判断します。
| 判断基準 | 内製が有利な場合 | 外製が有利な場合 |
|---|---|---|
| 品質(Q) | 高い品質管理が必要 | 外注先の品質が十分 |
| 価格(C) | 自社製造のほうが安い | 外注のほうがコスト低減 |
| 納期(D) | 自社管理で確実に対応 | 外注先が柔軟に対応可能 |
| 数量 | 大量で安定した需要 | 少量で変動が大きい |
| 稼働率 | 自社設備の稼働率向上に寄与 | 自社設備に余力がない |
| 生産設備 | 自社に適切な設備がある | 設備投資が過大になる |
| 専門技術 | 自社にノウハウがある | 特殊技術が外部にある |
これらの基準に加え、不確実性(需要変動や技術変化のリスク)も考慮に入れて判断します。
具体例
自動車メーカーがエンジンは内製(品質・専門技術が重要)、シートカバーは外注(専門メーカーのほうがコストが安く品質も十分)と判断するのは、内外製区分の典型例です。
試験のポイント
- ・常備品管理方式の特徴(安定消費の資材を一定量保有)を覚えましょう
- ・内外製区分の7基準(Q/C/D/数量/稼働率/設備/専門技術)を覚えましょう
- ・内外製区分は外注管理の意思決定フレームワークとして出題されます
まとめ
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