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テキスト/運営管理/ISM(インストアマーチャンダイジング)

ISM(インストアマーチャンダイジング)

第2章 商品仕入・販売(マーチャンダイジング)

ISM(インストアマーチャンダイジング)は、店舗内での購買促進を目的とした活動の総称です。客単価向上のための動線設計やフロアレイアウト、マグネット配置などの手法を学びます。

1

客単価と店舗内購買行動

簡単にいうと

簡単にいうと、ISMは「お店に入ったお客さんに、いかにたくさん買ってもらうか」を科学的に追求する技術です。お客さんの歩く距離を伸ばし、目に触れる商品を増やすことがカギです。

ISM(インストアマーチャンダイジング)は、来店客の購買を最大化するための店舗内活動です。

客単価の分解

客単価=買上点数×商品単価客単価 = 買上点数 \times 商品単価

客単価を高めるには、買上点数の増加か商品単価の引き上げが必要です。ISMでは特に買上点数の増加に注力します。

購買行動の3指標

  • 動線長:顧客が店内を歩く距離。長いほど多くの商品に触れる機会が増える
  • 立寄率:特定の売場に立ち寄る顧客の割合
  • 買上率(視認率→立寄率→買上率):立ち寄った売場で実際に商品を購入する割合

フロアレイアウトの基本は、顧客の動線を長くして多くの売場を通過させることです。主な配置の考え方としてマグネット理論があります。

  • 第1マグネット:主通路沿いの両端に配置。入口から顧客を引き込む役割(例:青果、鮮魚)
  • 第2マグネット:主通路の突き当たりや端に配置。奥まで引き込む役割(例:精肉、惣菜)
  • 第3マグネット:ゴンドラ(陳列棚)のエンドに配置。通路に顧客を引き込む役割
  • 第4マグネット:ゴンドラの中間部分。衝動購買を誘発

具体例

スーパーマーケットで入口付近に色鮮やかな青果売場(第1マグネット)を配置し、奥に精肉売場(第2マグネット)を置くことで、顧客は必然的に店内を縦断して動線が長くなり、途中の菓子や飲料を手に取る機会が増えます。

売上高を客単価と来店客数に分解するKPIツリー図

売上高の規定要因(ISM)

マグネット
配置場所
役割
第1
主通路の両端
入口から引き込む
第2
主通路の突き当たり
奥まで引き込む
第3
ゴンドラエンド
通路に引き込む
第4
ゴンドラ中間
衝動購買を誘発

試験のポイント

  • 客単価=買上点数×商品単価の分解式を覚えましょう
  • 第1~第4マグネットの配置場所と役割を区別して覚えましょう
  • 動線を長くする=立寄率を高める=買上点数の増加につながるという流れ
2

ISMの体系と計画購買・非計画購買

簡単にいうと

簡単にいうと、ISM(インストアマーチャンダイジング)は店内で売上を最大化するための仕掛けの総称で、棚割や販促を科学的に管理する手法です。来店客の約9割は買う予定のないものを買っているという点がミソです。

ISM(インストアマーチャンダイジング)は、店頭での売上高を向上させるための科学的な手法体系です。大きく2つの領域に分けられます。

領域内容
スペースマネジメントフロアマネジメント(売場全体のレイアウト設計)とシェルフスペースマネジメント(棚割・陳列管理)
インストアプロモーション(ISP)価格主導型(値引き・割引中心)と非価格主導型(POP・デモ販売等)

消費者の購買行動は計画購買非計画購買に大別されます。

  • 計画購買(全体の約1割):来店前から購入を決めていた買い物
  • 非計画購買(全体の約9割):店内で購入を決定する買い物

非計画購買はさらに4つの類型に細分化されます。

類型内容
想起購買商品を見て必要性を思い出す
関連購買ある商品を買った流れで関連商品も購入
条件購買特売等の条件がきっかけで購入を決める
衝動購買計画も必要性もなく突発的に購入

売上高の規定要因は、以下のツリー構造で分解されます。

売上高=客単価×来店客数売上高 = 客単価 \times 来店客数

具体例

スーパーの精肉コーナー横に焼肉のタレを配置すると関連購買が促されます。また、レジ横のガムや電池は衝動購買を狙った陳列の典型例です。

ISM(インストアマーチャンダイジング)の体系図。スペースマネジメントとISPの分類

ISMの体系

試験のポイント

  • ISMの2大領域(スペースマネジメント/ISP)の構成要素を正確に覚えましょう
  • 非計画購買の4類型(想起・関連・条件・衝動)は頻出です
  • 計画購買は約1割、非計画購買は約9割という比率を押さえましょう
3

シェルフスペースマネジメントとゴールデンゾーン

簡単にいうと

簡単にいうと、棚のどこに何をどれだけ並べるかを科学的に決めるのがシェルフスペースマネジメントです。人の手が最も届きやすい高さ(ゴールデンゾーン)に売りたい商品を置くのが基本です。

シェルフスペースマネジメントは、棚割(プラノグラム)を最適化することで売上・利益を最大化する管理手法です。

プラノグラム(棚割計画)は以下の3段階で作成されます。

1. グルーピング:商品カテゴリーごとに商品を分類

2. ゾーニング:各カテゴリーの棚上での配置エリアを決定

3. フェイシング:各商品に割り当てるフェイス数(正面の陳列個数)を決定

ゴールデンゾーンとは、顧客が最も手に取りやすい棚の高さ帯のことです。

対象ゴールデンゾーンの範囲
男性床から約70cm~160cm
女性床から約60cm~150cm

陳列方式には縦陳列横陳列があります。

方式特徴
縦陳列同一カテゴリーの商品を縦方向(上下)に配置。顧客の視線移動に合致し、各カテゴリーがゴールデンゾーンに入る
横陳列同一カテゴリーの商品を横方向に配置。特定カテゴリーの品揃えの豊富さを訴求しやすい

フェイス効果逓減の法則:フェイス数を増やすと当初は売上が伸びますが、一定数を超えると効果の伸びが鈍化します。過剰なフェイス数は棚スペースの浪費となるため、適正フェイス数の見極めが重要です。

クロスマーチャンダイジング(CMD)は、通常の商品分類を超えて関連性のある商品を隣接陳列する手法です。カテゴリーの壁を越えることで関連購買を促進します。

具体例

パスタとパスタソースを隣接配置するのがクロスマーチャンダイジングの代表例です。プラノグラムでは、パスタを縦1列に配置し、隣の縦列にソース類を並べることで、いずれもゴールデンゾーンに入るよう調整します。

方式
配置方向
主なメリット
縦陳列
上下方向
各カテゴリーがゴールデンゾーンに入る・視線移動に自然
横陳列
左右方向
特定カテゴリーの品揃えの豊富さを訴求できる

試験のポイント

  • プラノグラムの3段階(グルーピング→ゾーニング→フェイシング)の順序を正確に覚えましょう
  • ゴールデンゾーンの高さの目安は数値を押さえましょう(男性70-160cm/女性60-150cm)
  • 縦陳列と横陳列の違い、フェイス効果逓減の法則は定番の出題テーマです
4

インストアプロモーション(ISP)とVMD

簡単にいうと

簡単にいうと、店内でお客さんに「買いたい!」と思わせるための販促活動がISPです。値下げで攻める方法と、POPやデモ販売で魅力を伝える方法の2系統があります。VMDは見た目で商品の価値を伝える手法です。

インストアプロモーション(ISP)は店内で展開される販売促進活動であり、価格主導型非価格主導型に分類されます。

分類主な手法
価格主導型ISP特売・値下げ、増量パック、FSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)によるポイント還元、会員限定価格
非価格主導型ISPチラシ、POP広告、サンプリング(試供品配布)、デモンストレーション販売(実演販売)

価格主導型ISPは需要の価格弾力性が高いカテゴリーに絞って実施するのが効果的です。価格弾力性が低い商品で値下げしても需要の伸びは限定的であり、粗利を毀損するだけに終わります。

内的参照価格とは、消費者が過去の購買経験や情報収集に基づいて心の中に形成している「この商品はこのくらいの値段が妥当だ」という基準価格のことです。特売が頻繁すぎると内的参照価格が下がり、通常価格での販売が困難になるリスクがあります。

VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)は、視覚的な演出を通じて商品の価値を効果的に伝達する手法で、以下の3要素で構成されます。

要素内容
VP(ビジュアルプレゼンテーション)店舗全体のコンセプトやブランドイメージを視覚的に表現(ショーウィンドウ等)
PP(ポイントオブセールスプレゼンテーション)売場内の各コーナーで注目を集めるディスプレイ(棚上部やエンド等)
IP(アイテムプレゼンテーション)個々の商品を手に取りやすく整理して陳列(棚の中の商品配置)

具体例

アパレルショップでは、ショーウィンドウのコーディネート展示がVP、店内の柱横に設置されたおすすめコーデがPP、ハンガーラックに整然と並んだ商品群がIPにそれぞれ該当します。

試験のポイント

  • 価格主導型と非価格主導型の具体例を正確に分類できるようにしましょう
  • 内的参照価格の概念と、頻繁な特売が引き起こすリスクを理解しましょう
  • VMDの3要素(VP/PP/IP)の役割の違いは頻出テーマです
5

ISMの体系と計画購買・非計画購買

簡単にいうと

簡単にいうと、ISM(インストアマーチャンダイジング)は店内で売上を最大化するための仕掛けの総称で、棚割や販促を科学的に管理する手法です。来店客の約9割は買う予定のないものを買っているという点がミソです。

ISM(インストアマーチャンダイジング)は、店頭での売上高を向上させるための科学的な手法体系です。大きく2つの領域に分けられます。

領域内容
スペースマネジメントフロアマネジメント(売場全体のレイアウト設計)とシェルフスペースマネジメント(棚割・陳列管理)
インストアプロモーション(ISP)価格主導型(値引き・割引中心)と非価格主導型(POP・デモ販売等)

消費者の購買行動は計画購買非計画購買に大別されます。

  • 計画購買(全体の約1割):来店前から購入を決めていた買い物
  • 非計画購買(全体の約9割):店内で購入を決定する買い物

非計画購買はさらに4つの類型に細分化されます。

類型内容
想起購買商品を見て必要性を思い出す
関連購買ある商品を買った流れで関連商品も購入
条件購買特売等の条件がきっかけで購入を決める
衝動購買計画も必要性もなく突発的に購入

売上高の規定要因は、以下のツリー構造で分解されます。

売上高=客単価×来店客数売上高 = 客単価 \times 来店客数

具体例

スーパーの精肉コーナー横に焼肉のタレを配置すると関連購買が促されます。また、レジ横のガムや電池は衝動購買を狙った陳列の典型例です。

試験のポイント

  • ISMの2大領域(スペースマネジメント/ISP)の構成要素を正確に覚えましょう
  • 非計画購買の4類型(想起・関連・条件・衝動)は頻出です
  • 計画購買は約1割、非計画購買は約9割という比率を押さえましょう
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シェルフスペースマネジメントとゴールデンゾーン

簡単にいうと

簡単にいうと、棚のどこに何をどれだけ並べるかを科学的に決めるのがシェルフスペースマネジメントです。人の手が最も届きやすい高さ(ゴールデンゾーン)に売りたい商品を置くのが基本です。

シェルフスペースマネジメントは、棚割(プラノグラム)を最適化することで売上・利益を最大化する管理手法です。

プラノグラム(棚割計画)は以下の3段階で作成されます。

1. グルーピング:商品カテゴリーごとに商品を分類

2. ゾーニング:各カテゴリーの棚上での配置エリアを決定

3. フェイシング:各商品に割り当てるフェイス数(正面の陳列個数)を決定

ゴールデンゾーンとは、顧客が最も手に取りやすい棚の高さ帯のことです。

対象ゴールデンゾーンの範囲
男性床から約70cm~160cm
女性床から約60cm~150cm

陳列方式には縦陳列横陳列があります。

方式特徴
縦陳列同一カテゴリーの商品を縦方向(上下)に配置。顧客の視線移動に合致し、各カテゴリーがゴールデンゾーンに入る
横陳列同一カテゴリーの商品を横方向に配置。特定カテゴリーの品揃えの豊富さを訴求しやすい

フェイス効果逓減の法則:フェイス数を増やすと当初は売上が伸びますが、一定数を超えると効果の伸びが鈍化します。過剰なフェイス数は棚スペースの浪費となるため、適正フェイス数の見極めが重要です。

クロスマーチャンダイジング(CMD)は、通常の商品分類を超えて関連性のある商品を隣接陳列する手法です。カテゴリーの壁を越えることで関連購買を促進します。

具体例

パスタとパスタソースを隣接配置するのがクロスマーチャンダイジングの代表例です。プラノグラムでは、パスタを縦1列に配置し、隣の縦列にソース類を並べることで、いずれもゴールデンゾーンに入るよう調整します。

方式
配置方向
主なメリット
縦陳列
上下方向
各カテゴリーがゴールデンゾーンに入る・視線移動に自然
横陳列
左右方向
特定カテゴリーの品揃えの豊富さを訴求できる

試験のポイント

  • プラノグラムの3段階(グルーピング→ゾーニング→フェイシング)の順序を正確に覚えましょう
  • ゴールデンゾーンの高さの目安は数値を押さえましょう(男性70-160cm/女性60-150cm)
  • 縦陳列と横陳列の違い、フェイス効果逓減の法則は定番の出題テーマです
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インストアプロモーション(ISP)とVMD

簡単にいうと

簡単にいうと、店内でお客さんに「買いたい!」と思わせるための販促活動がISPです。値下げで攻める方法と、POPやデモ販売で魅力を伝える方法の2系統があります。VMDは見た目で商品の価値を伝える手法です。

インストアプロモーション(ISP)は店内で展開される販売促進活動であり、価格主導型非価格主導型に分類されます。

分類主な手法
価格主導型ISP特売・値下げ、増量パック、FSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)によるポイント還元、会員限定価格
非価格主導型ISPチラシ、POP広告、サンプリング(試供品配布)、デモンストレーション販売(実演販売)

価格主導型ISPは需要の価格弾力性が高いカテゴリーに絞って実施するのが効果的です。価格弾力性が低い商品で値下げしても需要の伸びは限定的であり、粗利を毀損するだけに終わります。

内的参照価格とは、消費者が過去の購買経験や情報収集に基づいて心の中に形成している「この商品はこのくらいの値段が妥当だ」という基準価格のことです。特売が頻繁すぎると内的参照価格が下がり、通常価格での販売が困難になるリスクがあります。

VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)は、視覚的な演出を通じて商品の価値を効果的に伝達する手法で、以下の3要素で構成されます。

要素内容
VP(ビジュアルプレゼンテーション)店舗全体のコンセプトやブランドイメージを視覚的に表現(ショーウィンドウ等)
PP(ポイントオブセールスプレゼンテーション)売場内の各コーナーで注目を集めるディスプレイ(棚上部やエンド等)
IP(アイテムプレゼンテーション)個々の商品を手に取りやすく整理して陳列(棚の中の商品配置)

具体例

アパレルショップでは、ショーウィンドウのコーディネート展示がVP、店内の柱横に設置されたおすすめコーデがPP、ハンガーラックに整然と並んだ商品群がIPにそれぞれ該当します。

試験のポイント

  • 価格主導型と非価格主導型の具体例を正確に分類できるようにしましょう
  • 内的参照価格の概念と、頻繁な特売が引き起こすリスクを理解しましょう
  • VMDの3要素(VP/PP/IP)の役割の違いは頻出テーマです

まとめ

テーマ
ポイント
注意点
ISM
客単価分解、マグネット理論、動線設計
4つのマグネットの配置と役割の違いを正確に
ISMの体系と購買類型
スペースマネジメント+ISPの2領域、非計画購買4類型
計画購買≒1割/非計画購買≒9割の比率を覚える
シェルフスペースマネジメント
プラノグラムの3段階、ゴールデンゾーン、フェイス効果逓減
縦陳列vs横陳列、CMDの概念を押さえる
ISPとVMD
価格主導型/非価格主導型ISP、VMDの3要素(VP/PP/IP)
内的参照価格の概念、需要の価格弾力性との関係
ISMの体系と購買類型
スペースマネジメント+ISPの2領域、非計画購買4類型
計画購買≒1割/非計画購買≒9割の比率を覚える
シェルフスペースマネジメント
プラノグラムの3段階、ゴールデンゾーン、フェイス効果逓減
縦陳列vs横陳列、CMDの概念を押さえる
ISPとVMD
価格主導型/非価格主導型ISP、VMDの3要素(VP/PP/IP)
内的参照価格の概念、需要の価格弾力性との関係

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