第1章 店舗・商業集積
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プレミアムで見るショッピングセンターは、ただ店が集まった場所ではありません。ひとつの単位として計画され、開発され、運営される商業施設の集合体です。誰が開発し、誰が集客し、誰が入居するのか。この3者の役割と、SCを名乗るための5つの条件が、この節の要になります。統計データも毎年のように問われるので、数字は細かく覚えず「どちらが多いか」の大きな傾向でつかんでおきましょう。
簡単にいうと
テナント10店舗以上、小売業の店舗面積1,000㎡以上。こうした条件を満たして初めてSCと呼ばれます。そして主役は、核店舗・テナント・ディベロッパーの3者です。
日本ショッピングセンター協会は、ショッピングセンター(SC) を次のように定義しています。
> 一つの単位として計画、開発、所有、管理運営される商業・サービス施設の集合体で、駐車場を備えるものをいう。その立地、規模、構成に応じて、選択の多様性、利便性、快適性、娯楽性等を提供するなど、生活者ニーズに応えるコミュニティ施設として都市機能の一翼を担うものである。
> (日本ショッピングセンター協会による定義)
長い定義ですが、効いているのは冒頭の 「一つの単位として計画、開発、所有、管理運営される」 という部分です。
商店街と比べると違いがはっきりします。商店街は、個々の店がそれぞれの事情で集まった結果としてできたものです。対してSCは、はじめから一体のものとして設計されている。この出自の違いが、後に出てくるディベロッパーの役割につながります。
同協会は、SCと呼ぶために満たすべき条件を「SC取扱い基準」として示しています。
| 条件 | |
|---|---|
| ① | ディベロッパーにより計画、開発 されるものであること |
| ② | 小売業の 店舗面積が1,000㎡以上 であること |
具体例
SCの現況(2024年末)について、日本ショッピングセンター協会が公表している『SC白書2025』および『全国のSC数・概況』から確認できる主要な統計データは次のとおりです。
なお、詳細な数値は暗記せず、大まかなイメージを持っておけば十分です。単年で数値が大きく変わることはないので、傾向をつかむことのほうが大切です。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 総SC数 | 3,037 |
| 総テナント数 | 162,289 |
| 1SCあたりテナント数 | 53 |
| 総キーテナント数 | 2,821 |
| 総店舗面積 | 53,909,123㎡ |

SCの取扱い基準と3者の役割
試験のポイント
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| ③ |
| テナントが10店舗以上 含まれていること |
| ④ | 最大店舗の面積がSC面積の80%程度を超えない こと(ただし、最大店舗を除いた小売業の店舗面積が1,000㎡以上なら、この限りでない) |
| ⑤ | 広告宣伝や 共同催事などの共同活動 を行っていること |
④だけ、ねらいが分かりにくいかもしれません。これは 巨大な1店舗に小さな店が数軒くっついただけのものを、SCと名乗らせない ための歯止めです。ただし但し書きがあり、最大店舗を除いてもなお1,000㎡以上あるなら、80%を超えていても構いません。
覚える数字は 1,000㎡・10店舗・80% の3つです。
SCの中心に据えられる店舗です。求められるのは 客を呼び込む力 で、その働きから マグネットストア とも呼ばれます。SCの規模が大きくなるほど、核店舗も大きくなるか、数が増えていきます。
賃借して出店する店舗 のことです。そのうち売場面積が大きく集客力の強いものを キーテナント と呼びます。
ここで用語の対応を押さえておいてください。SCにおいては、キーテナント=核店舗 です。そして単に「テナント」と言うときは、専門店の集団 を指します。
店舗施設を開発する者 です。2つの形があります。小売事業者以外で、施設内に自分の店を持たない場合と、大型店などの核店舗がそのままディベロッパーを兼ねる場合です。
共同の販売促進活動は、ディベロッパーが中心になって進めることが多い という点も押さえておきましょう。①の条件に「ディベロッパーにより計画、開発される」とあったとおり、SCを一体として束ねるのがこの役回りだからです。
3者の関係は、ひとことでまとめられます。ディベロッパーが箱をつくり、核店舗が客を呼び、テナントが売る。
| 17,751㎡ |
1SCあたり53テナント、17,751㎡。「だいたい50店舗、2万㎡弱」と覚えておけば十分です。
テナントの業種を3つに分類すると、テナント数は「物販」「サービス」「飲食」の順に多いです。
| 業種 | 2019年 | 2024年 |
|---|---|---|
| 物販 | 101,057(62.7%) | 98,277(61.1%) |
| サービス | 30,915(19.2%) | 33,326(20.7%) |
| 飲食 | 29,255(18.1%) | 29,275(18.2%) |
2019年と2024年を比較すると、物販店の割合は減少し、サービス店の割合は増加しています。ネット通販に置き換えられにくいサービス(美容、クリニック、スクールなど)がSCの中で存在感を増している、という流れです。
ビル形態別のSC数では、商業ビルが大半を占めます(約8割)。
| 形態 | SC数 | 割合 |
|---|---|---|
| 商業ビル | 2,529 | 83.3% |
| 駅ビル | 142 | 4.7% |
| 複合ビル | 140 | 4.6% |
| その他 | 226 | 7.4% |
キーテナント数によるSC数の分類では、1核が最も多く(約6割)です。
| 分類 | 割合 |
|---|---|
| 1核 | 60.1% |
| 核なし | 24.6% |
| 2核以上 | 15.3% |
1核のSCにおけるキーテナントの業態で最も多いのは総合スーパー(25.7%)であり、次いで食品スーパー(25.3%)です。その他は9.1%となっています。
2024年に開業したSC38のうち、出店の立地は中心地域5、周辺地域33です。2015年以降一貫して周辺地域の出店が多くなっています。
| 区分 | 定義 |
|---|---|
| 中心地域 | 人口15万人以上の都市で、商業機能が集積した中心市街地 |
| 周辺地域 | 上記中心地域以外のすべての地域 |
まちづくり三法で郊外への出店規制が強まったにもかかわらず、新規開業は依然として周辺地域が中心である、という点は覚えておくとよいでしょう。
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