第1章 店舗・商業集積
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プレミアムで見る商店街は、SCと違って誰かが一体で計画したものではありません。自然に集まってできた商業集積なので、まとまって動くのが難しい。その難しさが、統計の数字にそのまま表れています。3年に1度行われる実態調査の結果から、いま商店街が何に困っていて、何に手をつけているのかを読み取っていきましょう。
簡単にいうと
店舗数は減り、空き店舗率も減る。一見すると矛盾したこの数字が、商店街のいまを端的に物語っています。
全国の商店街がいまどんな状態にあるのか ── 景況、抱えている問題、取り組んでいる事業などを 3年に1度 まとめて調べているのが 商店街実態調査 です。
ここから先に並べる数字は 令和6年度 の結果から要点を抜き出したもので、増減は前回(令和3年度)と比べた動きを指します。
| 項目 | 結果 | |
|---|---|---|
| ① | 1商店街あたりの店舗数 | 減少 |
| ② | 1商店街あたりのチェーン店舗率 | 減少 |
| ③ | 商店街の平均空き店舗率 | 減少 |
| ④ | 商店街の業種別店舗数 | 飲食店が最も多い |
| ⑤ | 商店街組織の専従事務職員 | 0名の商店街が約7割 |
①と③の組み合わせに注目してください。店舗数が減っているのに、空き店舗率も減っている。これは、空き店舗が埋まったからではなく、空き店舗が住宅などに転用されて商店街の範囲から外れた結果と考えられます。数字だけを見て「商店街が回復している」と読むと誤ります。
⑤の「専従事務職員0名が約7割」も重い数字です。商店街は組織として動く体力を持ちにくく、何かに取り組もうとしても担い手がいない、という構造的な問題があります。
⑥の年齢構成も、後継者問題に直結します。
| 項目 | 結果 | |
|---|---|---|
| ① | キャッシュレス決済の取り組み | 半数以上の店舗で導入している商店街が約3割 |
| ② | キャッシュレス決済以外のDX実現への取組状況 | 「DX関係の取組は行っていない」と回答した商店街が約9割 |
| ③ | アーケードの改修後または撤去後の来街者の変化 | 「変わらない」と回答した商店街が約5割 |
| ④ | 自然災害時等の地域住民等への応急対策の準備 | 平時から準備をしていない商店街が約3/4 |
| ⑤ | 組織形態の変更を考えている商店街 | 変更を考えている組織形態として「 |
②のDXの数字は際立っています。約9割が取り組んでいないということは、裏を返せばここに大きな改善余地があるということでもあります。
⑤の「解散が約8割」は、商店街組織の厳しい現実を示す数字です。組織形態の変更を検討している商店街のうち、多くは法人格の変更などではなく解散を考えている、ということです。
⑥の「住宅街が最も多い」は、商店街の活性化を考えるうえでのヒントになります。観光客や広域からの集客を狙うより、周辺の住民を日常的に呼び込むほうが現実的だという示唆が読み取れます。
細かい数字を丸暗記する必要はありません。「減っている」「約7割」「約9割」「飲食店が最多」「60〜70代」「解散が最多」といった、方向と大まかな水準をつかんでおけば選択肢は切れます。
そして共通して言えるのは、担い手不足(専従職員0名が7割、組合員の高齢化、解散が最多)がすべての課題の根っこにある、ということです。
具体例
商店街とショッピングセンターの違いを、構造から整理しておきましょう。実態調査の数字が「なぜそうなるのか」が見えてきます。
| 商店街 | ショッピングセンター | |
|---|---|---|
| 成り立ち | 自然発生的に集まった | 一つの単位として計画・開発された |
| 所有 | 各店舗の所有者がばらばら | ディベロッパーが一体で所有・管理 |
| テナント構成 | 個々の店主の判断 | ディベロッパーが意図的に組み立てる |
| 営業時間 | 店ごとにばらばら | 統一されている |
| 販促 |

商店街の分類と課題
試験のポイント
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| 商店街の組合員の年齢構成 |
| 「60〜70代」が最も多い(約5割) |
| ⑥ | 商店街の活性化に影響する周辺地域の機能 | 「住宅街」が最も多い(約45%) |
| ディベロッパーが主導して実施 |
| 駐車場 | 不足しがち | 十分に確保されている |
所有がばらばらであるという一点が、商店街のあらゆる課題の出発点です。
「アーケードを改修したい」と考えても、全員の同意と負担が要ります。「日曜も営業しよう」と決めても、従う義務はありません。「空き店舗に若い店を呼びたい」と思っても、家主が貸してくれるとは限りません。
実態調査で「専従事務職員0名が約7割」という数字が出るのも、組合費でフルタイムの職員を雇う体力がないからです。そして職員がいなければ、DXのような新しい取り組みは進みません(約9割が未着手)。
では何ができるのか
調査⑥が手がかりになります。商店街の活性化に影響する周辺地域の機能として「住宅街」が最も多い(約45%)という結果は、足元の住民をどう取り込むかが鍵だということです。
大規模な再開発や広域集客を狙うのではなく、宅配や御用聞き、高齢者の見守り、コミュニティスペースの運営といった近隣に密着したサービスのほうが、商店街の強みを生かせます。2次試験の事例IIでも、この方向の提案が求められることが多くなっています。
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