第3章 物流・輸配送管理
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プレミアムで見る1社だけで物流を効率化するには限界があります。他社と一緒に運ぶ、経路上をまとめて回る、専門の会社に任せる。この3つが、いま物流の現場で進んでいる方向です。どれも「1台のトラックをいかに満載で走らせるか」という同じ問題に、違う角度から答えたものだと見ると理解しやすくなります。
簡単にいうと
半分空のトラックが何台も走っている。これをまとめて1台にできないか。その工夫が共同輸配送であり、巡回集荷であり、それを丸ごと引き受けるのが3PLです。
共同輸配送とは、会社ごとにばらばらに走らせていた便を1本に束ね、複数社の荷物を同じ車両に積み合わせて運ぶやり方です。
共同輸配送を行うことで、次の効果が見込めます。
効果が2方向に及ぶことに注意してください。送る側はトラックを分け合うことでコストが下がり、受け取る側は来るトラックの台数が減るので荷受けが楽になります。
低積載率の個別納品では、3社が3台のトラックでそれぞれ納品先を回ります。共同輸配送に切り替えると、いったん1か所に集めてから、高積載率の1台で一括納品する形になります。
巡回集荷とは、1台の車両が納入業者を順ぐりに訪ねて、荷物を引き取って回る集め方です。部品を調達するメーカーや、店舗向けの商品をそろえるチェーン小売業が、仕入れ先を回って自分で引き取りに行く場面で使われます。
名前の由来は酪農です。牛乳を集めるタンクローリーが牧場を順に回る姿に重ねて、ミルクラン方式とも呼ばれます。
向いているのは、1社あたりの納入量が少なくてトラックが埋まらない場合や、納入業者が狭い範囲に固まっている場合です。1社ずつでは半端にしかならない荷物も、回って集めれば1台ぶんになります。少量の荷をまとめて積載効率を引き上げるのが、この方式のねらいです。
具体例
同じ工業団地にある3社の部品メーカーが、1社の自動車工場へ部品を納入している場面で、3つの手法を比べてみましょう。
現状:個別納品
| メーカー | 1日の納入量 | トラック |
|---|---|---|
| A社 | 2トン | 4トン車 1台(積載率50%) |
| B社 | 1トン | 4トン車 1台(積載率25%) |
| C社 | 1.5トン | 4トン車 1台(積載率38%) |
毎日3台のトラックが、それぞれ半分以下の積載で工場へ向かいます。工場側も3回の荷受け作業が発生します。
手法① 共同輸配送

物流を効率化する3つの手法
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| 共同輸配送 | 巡回集荷(ミルクラン方式) | |
|---|---|---|
| 発想 | 複数企業の荷物を1台にまとめて混載する | 1台が複数の納入業者を回って集荷する |
| 荷を集める場所 | いったん集約拠点に集める | トラックが各社を回る |
| 主導するのは | 参加企業(または物流事業者) | 荷受け側(メーカー、チェーン小売業) |
| 向く場面 | 納品先が共通している | 納入業者が一定の地域に密集している |
ミルクラン方式の大きな特徴は、引き取りに行くという点です。従来は納入業者それぞれが自社便で持ち込んでいたものを、受け取る側が1台で回って集めてくる。主導権が逆転しているのが、この方式の面白いところです。
サードパーティロジスティクス/3PL(Third Party Logistics)とは、荷主に代わって物流の組み立て方そのものを設計し、設計した中身をまとめて引き受けて動かすことをいいます。どう運ぶかを提案する側と、実際に回す側が同じであるところが特徴です。
荷を出す側でも、ただ運ぶ側でもない立場から、外部委託の受け皿として荷主の物流部門の役割を肩代わりし、自前では届かない水準の物流を提供する、という位置づけになります。
「第三者」という言葉の意味を押さえておきましょう。
| 誰か | |
|---|---|
| ファーストパーティ | 荷主(発荷主) |
| セカンドパーティ | 荷受人(着荷主) |
| サードパーティ | その両者にかわって物流を担う第三者 |
単に「運んでくれる会社」ではなく、物流戦略の企画立案から提案し、包括的に受託するという点が3PLの定義の要です。
3PLの事業者は、次の2つに分類されます。
| 類型 | 内容 |
|---|---|
| アセット型 | トラックや倉庫といった設備を自前で抱えている |
| ノン・アセット型 | 設備は持たず、組み立てと手配に専念する |
アセット(asset)は「資産」という意味です。自前の設備を持つか持たないか、で分かれます。
アセット型は自社の設備を使えるので機動的に動けますが、自社の設備を使うことが前提になりがちで、本当に最適な提案ができるかという問題があります。
ノン・アセット型は設備を持たないぶん、その荷主にとって最適な運送事業者や倉庫を選べますが、自社で実行する手段を持たないという弱みがあります。
配送コストが下がり、工場の荷受け負担も減りました。ただし、集約拠点までの横持ち輸送が新たに発生します。
手法② 巡回集荷(ミルクラン方式)
自動車工場が手配した1台のトラックが、A社 → B社 → C社 と回って荷を集め、そのまま工場へ戻ります。
3社が地域に密集しているので、この方式がよく効きます。納入業者側は自社便を出さなくてよくなり、工場側は必要な時刻に必要な量だけ引き取れます。
手法③ 3PLへの委託
自動車工場が物流会社に相談したところ、次のような提案が返ってきました。
単に運ぶのではなく、物流全体をどう組み立てるかを提案し、実行する。これが3PLです。
この物流会社が自前の倉庫とトラックを持っていればアセット型、持たずに最適な業者を組み合わせるならノン・アセット型になります。
どの手法も、突きつめれば「トラックを満載で走らせる」という同じ目的に向かっています。積載率と実車率を上げることが、コストにも環境にも人手不足にも同時に効く。だからこそ、いま物流の世界でこれらの手法が急速に広がっているわけです。
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