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経営安定対策(セーフティネット・BCP・倒産防止共済)

第6章 中小企業施策

中小企業の経営は、取引先の突然の倒産・自然災害・景気の急変など予測しにくいリスクにさらされています。こうした「もしも」に備え、中小企業が事業を継続できるよう支援するのが「経営安定対策」です。特に経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)は頻出テーマで、掛金の範囲(5,000〜200,000円)・無担保無保証無利子の貸付条件・「夜逃げは倒産に含まれない」という試験の引っかけポイントを確実に押さえましょう。

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経営安定特別相談事業とセーフティネット保証

簡単にいうと

経営危機に陥った中小企業が頼れる相談窓口と緊急保証制度——連鎖倒産を防ぐ「3つのセーフティネット」の仕組みを理解しよう。

中小企業が財務的な危機に陥ったとき、早期の専門家相談が再生への第一歩となります。経営安定特別相談事業は、商工会・商工会議所等に設置された「経営安定特別相談室」において、中小企業診断士・弁護士・公認会計士・税理士などの専門家が無料で相談に応じる事業です。経営・財務内容の分析、手形処理のアドバイス、民事再生法等の手続き相談まで幅広く対応します。

連鎖倒産を防ぐ3つのセーフティネット施策は①セーフティネット貸付制度(政府系金融機関による運転資金等の貸付)②経営安定関連保証制度(セーフティネット保証)(中小企業信用保険法に基づき、経産大臣が指定した企業と取引のある中小企業が市町村長の認定を受けて一般保証枠とは別枠で信用保証協会の保証を利用できる制度)③中小企業倒産防止共済制度(経営セーフティ共済)——の3つで構成されます。

試験のポイント

  • 経営安定特別相談事業:経営・財務内容の把握と分析・手形処理・事業転換などの指導・債権者などの関係者への協力要請・民事再生法等の倒産関係法律の手続きに関する助言等
  • セーフティネット貸付制度:政府系中小企業金融機関が行う運転資金等の貸付
  • 経営安定関連保証制度(セーフティネット保証):中小企業信用保険法に基づき、経済産業大臣が指定した再生手続開始申立等を行った企業と取引のある中小企業者が、市町村長などの認定を受けて一般保証枠とは別枠で信用保証協会の保証を利用できる制度
  • 連鎖倒産防止の施策:セーフティネット貸付制度・経営安定関連保証制度・中小企業倒産防止共済制度の3つ
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中小企業倒産防止共済制度(経営セーフティ共済)

簡単にいうと

取引先が倒産して売掛金が回収できなくなった——そのとき「無担保・無保証・無利子」で貸付が受けられる経営セーフティ共済の仕組みとは?

中小企業倒産防止共済制度(経営セーフティ共済)は、中小企業倒産防止共済法に基づき中小企業基盤整備機構が運営する共済制度です。取引先が突然倒産し、売掛金や受取手形が回収不能になった場合に、無担保・無保証人・無利子で迅速に資金を借りられることが最大の特徴です。

加入対象は1年以上継続して事業を行っている中小企業で、月額掛金は5,000円きざみで5,000〜200,000円(合計800万円まで積立可能)。掛金は全額損金算入(法人)または必要経費(個人事業主)として扱われます。

取引先が倒産した際の共済金の貸付限度額は最大8,000万円(積立額の10倍の範囲内で、回収困難となった売掛金・受取手形等の額が上限)。

重要な試験ポイントとして、「夜逃げ」等の私的整理は倒産に含まれません。破産法・民事再生法等の法的整理が行われた場合にのみ共済金の貸付対象となります。また一時貸付制度では、解約手当金の範囲内で事業資金の一時貸付が受けられますが、こちらは無利子ではなく利息が発生します。

試験のポイント

  • 加入対象:1年以上継続して事業を行っている中小企業
  • 倒産した場合の共済金の貸付:取引先が倒産した際、貸付額は回収困難になった売掛金・受取手形等の額以内(最大8,000万円まで積立可能)
  • 貸付限度額:5,000円きざみで200〜8,000万円の範囲内
  • 無担保・無保証人・無利子で貸付を受けられる
  • 掛金月額:5,000円きざみで5,000〜200,000円(800万円まで積立可能)
  • 掛金は全額損金算入(法人)または必要経費(個人事業主)
  • 共済金の受取り(一時貸付制度):解約手当金の範囲内で一時貸付を受けられる(無担保・無保証人だが無利子ではない)
  • 「夜逃げ」等の私的整理は倒産に含まれない(破産法・民事再生法等の法的整理のみ)
  • 共済金の貸付を受けた共済金の10分の1相当額が共済金総額から控除される
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BCP(事業継続計画)の普及促進とBCP資金

簡単にいうと

地震・洪水・感染症——災害が起きても事業を続けるための「BCP」。3つの共済制度(退職金共済・倒産防止共済・小規模企業共済)の違いも整理しよう。

BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)は、企業が自然災害・大火災・テロ攻撃等の緊急事態に遭遇した際に、中核となる事業を継続あるいは早期復旧するための方法・手段等を事前に取り決めておく計画です。国は「中小企業BCP策定運用指針」を公表し普及を促進しています。

BCP資金(社会環境対応施設整備資金融資制度)は日本政策金融公庫(中小企業事業)が実施し、①事業継続力強化計画の認定を受けた中小企業者または②BCP策定運用指針に則り自らBCPを策定した中小企業者が対象です。

中小企業の共済制度は3種類あり、対象・運営主体・掛金の税務扱いがそれぞれ異なります。退職金共済は「従業員」の退職金を積み立てるもので勤労者退職金共済機構が運営、倒産防止共済(経営セーフティ)は「中小企業(法人・個人事業主)」の連鎖倒産防止で中小機構が運営、小規模企業共済は「経営者自身」の退職金積立で中小機構が運営——という3者の違いは頻出です。掛金の税務扱いも「損金算入」(退職金共済・倒産防止)と「所得控除」(小規模企業共済)で異なります。

制度名(略称)
対象
運営主体
掛金の税務扱い
退職金共済
従業員
勤労者退職金共済機構
損金算入(法人)・必要経費(個人)
倒産防止共済(経営セーフティ)
中小企業
中小企業基盤整備機構
損金算入(法人)・必要経費(個人)
小規模企業共済
経営者
中小企業基盤整備機構
所得控除(全額)

試験のポイント

  • 国は「中小企業BCP策定運用指針」を作成・公表し普及を促進
  • BCP資金(旧:社会環境対応施設整備資金融資制度):事業継続力強化計画または連携事業継続力強化計画の認定を受けているか、BCP(事業継続計画)を策定している中小企業者が対象
  • BCP資金の実施機関:日本政策金融公庫(中小企業事業)
  • 3類型の共済制度比較:退職金共済(対象:従業員・運営:勤労者退職金共済機構)、倒産防止共済(対象:中小企業・運営:中小企業基盤整備機構)、小規模企業共済(対象:経営者・運営:中小企業基盤整備機構)

まとめ

内容
項目
5,000〜200,000円(5,000円きざみ)・800万円まで積立可
経営セーフティ共済の掛金
無担保・無保証人・無利子・取引停止処分の10倍の1(最大8,000万円)
共済金の貸付
1年以上継続して事業を行っている中小企業
加入対象
全額損金算入(法人)または必要経費(個人事業主)
掛金の税務扱い
含まれない(法的整理のみ)
「夜逃げ」は倒産に含まれるか

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