第1章 中小企業概論
下の動画はこの節の解説ではありません。 解説動画の雰囲気を知っていただくための見本として、「中小企業の定義」の動画を再生します。
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プレミアムで見る開業率とは、その期間に新たに生まれた事業所の割合、廃業率とは姿を消した事業所の割合です。2つを並べたときにどちらが上に来ているか、そしてその関係がいつひっくり返ったか。この節で問われるのは、ほとんどこの2点に集約されます。
日本では長らく開業率が廃業率を上回る、つまり事業所が純増する時代が続いていました。ところが1989〜1991年を境にこの関係が逆転し、以降は一度も元に戻っていません。事業所が減り続ける国になった、ということです。この開廃業率の逆転現象という言葉は、そのまま用語として問われます。
そのうえで、業種ごとに事情が違うことも押さえておきましょう。製造業・卸売業・小売業は廃業が開業を上回るいわば「縮む側」、対してサービス業だけは開業が廃業を上回る「増える側」にいます。この一業種だけの例外が、そのまま得点源になります。
簡単にいうと
1989〜1991年に廃業率が開業率を追い抜いて、それからずっと逆転したまま。これを「開廃業率の逆転現象」というよ。最初に逆転した業種は小売業!
開廃業率は総務省「事業所・企業統計調査」および「経済センサス」をもとに、事業所ベース・年平均で算出されています。支社や工場の開設・閉鎖、移転による開設・閉鎖も含まれる点に注意してください(企業単位ではなく事業所単位で数えています)。
非一次産業全体で見ると、1989〜1991年に廃業率が開業率を上回り、それ以降は一貫して廃業率が開業率を上回っています。これを開廃業率の逆転現象と呼びます。
| 期間 | 開業率 | 廃業率 | 関係 |
|---|---|---|---|
| 1969〜1972年 | 7.0% | 3.8% | 開業が大きく上回る |
| 1986〜1989年 | 4.2% | 3.6% | 逆転の直前 |
| 1989〜1991年 |

開廃業率
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| 4.7% |
| ここで逆転 |
| 2012〜2014年 | 6.5% | 6.6% | 廃業が上回る |
| 2015〜2021年 | 4.7% | 5.5% | 廃業が上回る |
高度成長期の開業率7.0%に対して、直近は4.7%。「生まれる力」そのものが半分近くまで落ちていることが読み取れます。
業種別に見ると、最も早く開廃業率が逆転したのは小売業で、その時期は1981〜1986年です。非一次産業全体よりも10年近く早い。大型店の進出と商店街の衰退が始まった時期と重なります。「最初に逆転したのは?」と聞かれたら小売業、と即答できるようにしておきましょう。
| 業種 | 開業率 | 順位 | 廃業率 | 順位 |
|---|---|---|---|---|
| 非一次産業全体 | 4.7% | ― | 5.5% | ― |
| 製造業 | 2.7% | 4位 | 4.4% | 4位 |
| 卸売業 | 4.3% | 2位 | 5.2% | 2位 |
| 小売業 | 3.8% | 3位 | 6.2% | 1位 |
| サービス業 | 5.8% | 1位 | 4.5% | 3位 |
読み取りどころは次の3つです。
1. 製造業・卸売業・小売業は廃業率が開業率を上回っている。
2. サービス業だけは開業率(5.8%)が廃業率(4.5%)を上回っている。参入に大きな設備投資が要らないサービス業は、新規開業のハードルが低いためです。
3. 開業率が最も高いのはサービス業、廃業率が最も高いのは小売業。そして製造業は開業率・廃業率ともに最も低い。工場を建てるには時間もお金もかかるので、出入りが少ない業種だと考えると覚えやすくなります。
統計の出所が時期によって変わっているため(2006年までは事業所・企業統計調査、2009年以降は経済センサス)、2006〜2009年の数値は過去の数値と単純に比較できません。また廃業事業所の定義の違いから、同じ2006〜2009年については開業率と廃業率を単純に比較することもできません。細かい注記ですが、統計の連続性を問う選択肢が作られることがあります。
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