第1章 中小企業概論
下の動画はこの節の解説ではありません。 解説動画の雰囲気を知っていただくための見本として、「中小企業の定義」の動画を再生します。
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プレミアムで見る企業数では99.7%を占めていた中小企業が、売上高では47.3%、付加価値額では56.0%まで下がります。この落差こそが「数は多いが一社あたりは小さい」という中小企業の姿そのものです。
この節で扱うのは2015年と2020年の2時点比較です。企業数・従業者数が3時点だったのに対し、売上高と付加価値額は2時点しかない点にまず注意してください。そして2020年という年は、新型コロナウイルス感染症が直撃した年です。宿泊業・飲食サービス業や生活関連サービス業・娯楽業の数字が落ち込んでいるのは、統計のブレではなく、まさにその年に何が起きたかを映しています。
覚え方は企業数・従業者数と同じで、順位と増減の向きです。そして「小規模企業を問われたら建設業の位置づけが上がる」という合言葉が、ここでも例外なく効きます。売上高も付加価値額も、小規模企業の1位は建設業です。
簡単にいうと
中小企業の売上高は約680兆円で全体の47.3%、小規模企業は約150兆円で10.5%。中小企業の1位は卸売業、小規模企業の1位は建設業だよ!
総務省・経済産業省「経済センサス-活動調査」(2015年・2020年)による、企業ベース(会社および個人事業者の売上高)の数字です。
企業数では99.7%を占める中小企業が、売上高では半分に届きません。一社あたりの規模の差がここにはっきり出ています。
| 順位 | 中小企業 | 売上高 | 小規模企業 | 売上高 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 |

売上高と付加価値額(2020年)
試験のポイント
簡単にいうと
付加価値額は中小企業が約140兆円で56.0%、小規模企業が約36兆円で14.5%。売上高とは1位が入れ替わって、中小企業は製造業がトップになる!
付加価値額とは、企業が新たに生み出した価値のことです。ここでは純付加価値額(売上(収入)金額 - 費用総額 + 給与総額 + 租税公課)が使われています。仕入れた商品をそのまま売る卸売業は付加価値が小さく、原材料を加工して価値を足す製造業は付加価値が大きくなる、という関係を押さえておくと、売上高との順位の違いが納得できます。
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| 160兆3,275億円 |
| 建設業 |
| 40兆3,665億円 |
| 2位 | 製造業 | 151兆9,822億円 | 製造業 | 24兆6,812億円 |
| 3位 | 建設業 | 85兆3,829億円 | 卸売業 | 21兆2,098億円 |
| 4位 | 小売業 | 79兆2,676億円 | 不動産業、物品賃貸業 | 15兆1,371億円 |
中小企業の1位が卸売業なのは、商品を右から左へ動かす商売なので売上高(取扱高)が大きく膨らむためです。一方、小規模企業になると建設業が1位に躍り出ます。ここでも「小規模なら建設業」の合言葉どおりです。
| 区分 | 1位 | 2位 |
|---|---|---|
| 中小企業の構成比 | 医療、福祉(85.0%) | 生活関連サービス業、娯楽業(75.9%) |
| 小規模企業の構成比 | 建設業(33.7%) | 不動産業、物品賃貸業(26.4%) |
コロナ禍で人の移動と対面サービスが止まった業種が並びます。小規模企業では小売業と医療・福祉が加わる点が、中小企業との違いです。
建設業、小売業、製造業について、小規模企業の売上高(2020年時点)を比較した場合の記述として最も適切なものはどれか。(令和5年度第1問 改題)
正解は「製造業の売上高は、小売業よりも多く、建設業よりも少ない」。3業種の小規模企業を売上高の多い順に並べると建設業 - 製造業 - 小売業となります。ここでも建設業が先頭に来ることを思い出せれば、迷わず選べます。
| 順位 | 中小企業 | 付加価値額 | 小規模企業 | 付加価値額 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 製造業 | 31兆6,543億円 | 建設業 | 9兆7,194億円 |
| 2位 | 建設業 | 18兆3,009億円 | 製造業 | 6兆1,904億円 |
| 3位 | 卸売業 | 14兆5,177億円 | 不動産業、物品賃貸業 | 4兆2,935億円 |
| 4位 | 小売業 | 13兆4,032億円 | 学術研究、専門・技術サービス業 | 3兆565億円 |
売上高で1位だった卸売業が、付加価値額では3位に後退します。代わりに製造業が1位。加工によって価値を足している分だけ順位が上がる、という構図です。小規模企業は売上高でも付加価値額でも建設業が1位で変わりません。
| 区分 | 1位 | 2位 |
|---|---|---|
| 中小企業の構成比 | 医療、福祉(87.4%) | 生活関連サービス業、娯楽業(82.5%) |
| 小規模企業の構成比 | 建設業(40.6%) | 不動産業、物品賃貸業(37.1%) |
構成比の1位・2位は、売上高のときとまったく同じ顔ぶれです。
売上高のときは減少が2〜4業種だったのに対し、付加価値額では5〜6業種に広がります。売上は保てても、付加価値(≒稼ぎ)が削られた業種が多かった、ということです。
| 指標 | 中小企業 | 小規模企業 |
|---|---|---|
| 売上高に占める割合 | 47.3% | 10.5% |
| 付加価値額に占める割合 | 56.0% | 14.5% |
どちらの指標でも、付加価値額のほうが割合が高い。この一点を覚えておけば、「中小企業は売上高より付加価値額のほうが構成比が低い」といった向きを逆にした選択肢を即座に切ることができます。
建設業、小売業、宿泊業・飲食サービス業、情報通信業、製造業のうち、各産業の付加価値額の総額に占める中小企業の構成比が最も高いものはどれか。(平成30年度第4問 改題)
正解は宿泊業・飲食サービス業(78.3%)。ほかは建設業76.4%、小売業57.4%、情報通信業44.8%、製造業48.8%です。宿泊・飲食は大企業チェーンのイメージが強い業種ですが、実際には個人経営の宿や飲食店が圧倒的多数を占めています。

産業別規模別付加価値額(2020年)
試験のポイント
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