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中小企業を支える資金調達

第3章 中小企業白書2024年版第2部 環境変化に対応する中小企業

人材と並んで重要な経営資源「資金」について、金融機関からの間接金融とエクイティ・ファイナンス(株式発行等による資金調達)の活用状況・効果を確認します。中小企業の資金調達において間接金融が主体であること、エクイティ・ファイナンスにはガバナンスの強化が伴うことを理解しましょう。

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中小企業の資金調達動向(間接金融)

簡単にいうと

中小企業の貸出残高は2023年Q4で346.9兆円と増加傾向。中規模企業は自己資本比率が借入金依存度より高い一方、小規模企業は借入金依存度のほうが高い!

中小企業の資金調達動向(間接金融)の状況です。

① 貸出残高の推移(企業規模別・図表1-3-6)

大企業・中小企業いずれも2014年以降増加傾向にあり、感染症の感染拡大において大幅に増加。その後、資金繰り支援の一巡もあり増加幅は縮小したが、足下では引き続き増加傾向にある。2023年第4四半期:大企業131.0兆円、中小企業346.9兆円

② 資金調達構造の変遷(企業規模別・図表1-3-7)

自己資本比率と借入金依存度の推移:

企業区分傾向
中規模企業自己資本比率(41.4%)のほうが借入金依存度(33.9%)よりも高い
小規模企業借入金依存度(60.2%)のほうが自己資本比率(19.6%)よりも高い

③ 成長に向けた設備投資における外部からの資金調達方法(図表1-3-8)

金融機関からの借入れ」が63.6%で最多。次いで「自己資金のみで投資を実施」26.8%、「国や地方公共団体からの補助金」17.2%、「エクイティ・ファイナンス」0.4%と少数。

④ 売上高の変化率(資金調達方法別・中央値・図表1-3-9)

金融機関からの借入れ」を活用し投資を行った企業の売上高の変化率(中央値)は6.6%で、「自己資金のみで投資を実施」した企業(3.5%)より売上高が増加している。

試験のポイント

  • 中小企業の貸出残高(2023年Q4):346.9兆円(2014年以降増加傾向)
  • 中規模企業:自己資本比率(41.4%)> 借入金依存度(33.9%)
  • 小規模企業:借入金依存度(60.2%)> 自己資本比率(19.6%)
  • 成長に向けた外部資金調達1位:「金融機関からの借入れ」63.6%
  • 金融機関借入れ活用企業の売上高変化率(中央値):6.6%(自己資金のみ3.5%より高い)
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金融機関との関係と経営支援

簡単にいうと

外部資金調達をしなかった理由1位は「自己資金に余裕があった」。金融機関が今後重点的に取り組みたい支援は「事業承継支援」(78.5%)。再生支援で連携する機関の1位は「中小企業活性化協議会」(62.5%)!

金融機関との関係と中小企業への経営支援の実態です。

① 「金融機関」関連まとめ①(図表1-3-10)

項目内容
外部資金調達を行わなかった理由自己資金に余裕があった」53.7%が最多、次いで「返済負担を増やしたくない」16.0%
借入申込時に担当者に重点的に説明した内容今後の収支見通し」50.8%が最多、次いで「投資目的」45.9%
金融機関から受けた経営支援の具体的効果財務内容の改善」27.4%が最多、次いで「事業の継続」23.3%
今後、金融機関から受けたい経営支援販路・仕入拡大支援」26.6%が最多(「特にない」37.0%を除く)

② 「金融機関」関連まとめ②(図表1-3-11)

項目内容
成長向け投資計画の実現可能性を判断する際の着眼点投資総額の妥当性」60.8%が最多、次いで「投資収益性の継続性」50.5%
取引先の信用力評価で重視する項目財務内容」88.0%が最多、次いで「事業の将来性」49.6%
金融機関が今後重点的に取り組む経営支援事業承継支援」78.5%が最多、次いで「経営計画・事業戦略等策定支援」60.2%
取引先の経営支援の課題経営支援に係るスキル・ノウハウ不足」63.4%が最多
スキル向上のための取組社内研修の充実」55.3%が最多、次いで「OJT指導の充実」44.7%

③ 中小企業活性化協議会の相談件数(図表1-3-12)

2022年は6,409件(増加傾向)。2020年に「新型コロナウイルス感染症特例リスケジュール実施要領」策定後、相談件数が増加した。

④ 取引先の再生支援に取り組む際に連携・紹介する機関(図表1-3-13)

中小企業活性化協議会」が62.5%で最多、次いで「信用保証協会」44.4%。

企業が最も受けたい再生支援も「条件変更相談に対する柔軟な対応」47.9%と同様の傾向。

試験のポイント

  • 外部資金調達しなかった理由1位:「自己資金に余裕があった」53.7%
  • 借入申込時に重点説明した内容1位:「今後の収支見通し」50.8%
  • 金融機関が今後重点的に取り組む支援1位:「事業承継支援」78.5%
  • 取引先の信用力評価で重視する項目1位:「財務内容」88.0%
  • 再生支援での連携機関1位:「中小企業活性化協議会」62.5%
  • 中小企業活性化協議会の相談件数:2022年6,409件(増加傾向)
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エクイティ・ファイナンスとガバナンス

簡単にいうと

エクイティ・ファイナンスとは定期的な償還不要・経営支援も期待できる資金調達手段。活用目的1位は「既存事業の強化に向けた増加運転資金」、メリット1位は「資金繰りが安定する」。活用にはガバナンスの構築・強化が不可欠!

エクイティ・ファイナンスの現状とガバナンスの関係性です。

① エクイティ・ファイナンスとは

借入れと異なり定期的な償還が不要であり、また新たな外部株主からの経営・事業面での支援も期待できることから、挑戦に適した手段と考えられる。

② エクイティ・ファイナンスの現状分析(図表1-3-14)

項目内容
活用目的既存事業の強化に向けた増加運転資金」31.7%が最多、次いで「既存事業の強化に向けた設備投資」16.1%
活用により期待するメリット資金繰りが安定する」42.3%が最多、次いで「返済不要の資金を確保できる」33.2%

③ 出資者による経営支援(図表1-3-15)

項目内容
エクイティ・ファイナンスを活用した主な出資者金融機関(金融機関が組成するファンドを含む)」34.1%が最多、次いで「公的投資会社(公的投資会社が組成するファンドを含む)」11.7%
出資者から受けている経営支援資金繰り支援」30.2%が最多、次いで「経営面・財務面に対する助言」22.1%(「特にない」34.7%を除く)

④ エクイティ・ファイナンスとガバナンスの関係性(図表1-3-16・17)

エクイティ・ファイナンスの活用に当たっては、出資者へ定期的な償還が不要な分、出資者が引き受けるリスクは高い。企業はガバナンスの構築・強化を通じた組織的な経営の仕組みを適切に導入する取組が重要。

中小企業庁が2023年6月に策定した「中小エクイティ・ファイナンス活用に向けたガバナンス・ガイダンス」では、ガバナンスを3つの項目に整理している:

戦略的な経営(経営理念・ビジョン、経営戦略の策定・実行プロセス)

持続的な成長を支えるための仕組み(経営体制の構築、継続的な成長を支える仕組み)

信頼関係構築(会社関係者への①②の取組の発信、対話による信頼関係の構築)

試験のポイント

  • エクイティ・ファイナンス:定期的な償還不要、外部株主からの経営支援も期待
  • 活用目的1位:「既存事業の強化に向けた増加運転資金」31.7%
  • 活用で期待するメリット1位:「資金繰りが安定する」42.3%
  • 主な出資者1位:「金融機関(ファンドを含む)」34.1%
  • ガバナンスの3項目:①戦略的な経営、②持続的な成長を支えるための仕組み、③信頼関係構築

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