第5章 中小企業政策の基本(基本法・憲章・計画)
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プレミアムで見るここから第2編「中小企業政策」に入ります。最初に学ぶ中小企業基本法は、中小企業政策の憲法ともいうべき法律です。第6章で学ぶ数十の施策は、すべてこの法律が定めた理念と方針の上に建てられています。土台を押さえずに個別の施策を暗記しようとすると、ただの用語の羅列になってしまいます。
この章で覚えるべき骨格は4つです。
① 目的(第1条)──基本理念・基本方針を定め、国および地方公共団体の責務を規定することで、施策を総合的に推進し、国民経済の健全な発展および国民生活の向上を図る。
② 基本理念(第3条第1項)──中小企業を「我が国の経済の基盤を形成しているもの」と位置づけ、新たな産業の創出/就業の機会の増大/市場における競争の促進/地域における経済の活性化という4つの役割を期待する。
③ 基本方針(第5条)──経営の革新および創業の促進/経営基盤の強化/経済的社会的環境の変化への適応の円滑化の3本柱と、その土台となる資金の供給の円滑化および自己資本の充実。
④ 範囲(第2条)──業種別の資本金・従業員数の基準。
そして忘れてはならないのが、平成11年改正で中小企業像が根本から変わったということ。「二重構造における弱者」から「我が国経済のダイナミズムの源泉」へ。守るべき弱者から、伸ばすべき活力へ。この転換が、いまの政策すべての出発点です。
簡単にいうと
業種別の資本金・従業員数の基準。資本金か従業員数のどちらかを満たせば中小企業者。小規模企業者は従業員数だけで決まるよ!
中小企業者の範囲は、中小企業基本法第2条において業種ごとに資本金額、従業員数が定量的に決められています。資本金額または従業員数のどちらかの条件が満たされていれば、中小企業者に該当します。
| 製造業その他(建設業・運輸業など) | 卸売業 | 小売業、飲食店 | サービス業 | |
|---|---|---|---|---|
| 資本金額 |
簡単にいうと
目的は第1条、基本理念は第3条1項、基本方針は第5条。基本方針は3本柱+土台という構造で覚えよう!
中小企業政策について基本理念・基本方針などを定めるとともに、国および地方公共団体の責務などを規定することにより、中小企業に関する施策を総合的に推進し、国民経済の健全な発展および国民生活の向上を図ることです。
ゴールは国民経済の健全な発展と国民生活の向上の2つ。「中小企業の保護」ではなく、あくまで国民経済と国民生活のために中小企業を振興する、という立て付けです。
中小企業基本法では、中小企業を次のように位置づけています。
「多様な事業の分野において特色ある事業活動を行い、多様な就業の機会を提供し、個人がその能力を発揮しつつ事業を行う機会を提供することにより我が国の経済の基盤を形成しているもの」
特に、多数の中小企業者が創意工夫を生かして経営の向上を図るための事業活動を行うことを通じて、次の4つの役割を果たすことを期待しています。
簡単にいうと
第9〜11条が政府の役割。中小企業白書は第11条の年次報告書だよ。「経営の革新」「創造的な事業活動」「経営資源」の定義も要チェック!
中小企業基本法は、第9条から第11条において「政府の役割」を示しています。
1 法制上の措置等(第9条)
政府は、中小企業に関する施策を実施するため必要な法制上、財政上および金融上の措置を講じなければならない。
「法制上・財政上・金融上」の3つがセットです。
2 調査(第10条)
政府は、中小企業政策審議会の意見を聴いて、定期的に、中小企業の実態を明らかにするため必要な調査を行い、その結果を公表しなければならない。
中小企業政策審議会の意見を聴く、という主体が明記されている点に注意してください。
3 年次報告等(第11条)
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| 1億円以下 |
| 5千万円以下 |
| 5千万円以下 |
| 従業員数 | 300人以下 | 100人以下 | 50人以下 | 100人以下 |
飲食店が「小売業」の欄に入っていることを、まず確認してください。日常感覚では飲食店はサービス業ですが、中小企業基本法では小売業と同じ扱いです。
中小企業者の範囲に含まれる企業に関する正誤の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
a 従業員数500人、資本金3億円の製造業
b 従業員数150人、資本金6,000万円のサービス業
答え:a は正しい、b は誤り
a ○:業種は「製造業その他」。従業員500人は基準の300人以下を超えていますが、資本金3億円は基準ちょうどで満たしています。中小企業者の範囲はどちらか一方を満たせば足りるので、これで含まれます。
b ×:「サービス業」で、従業員数150人、資本金6,000万円であるから、「サービス業」の資本金基準(5千万円以下)・従業員基準(100人以下)をともに満たしておらず、中小企業者の範囲に含まれません。
この設例は「OR条件」の意味を正確に理解しているかを問う典型例です。片方でも満たせば該当、両方外れて初めて非該当。この判定手順を体に入れておきましょう。
小規模企業者の線引きは従業員の数だけで決まります。常時使用する従業員が20人以下。ただし商業(卸売業・小売業・飲食店)とサービス業は5人以下です。
| 業種 | 常時使用する従業員の数 |
|---|---|
| 製造業その他 | 20人以下 |
| 商業(卸売業、小売業、飲食店)・サービス業 | 5人以下 |
ここでいう商業には飲食店も含まれます。中小企業者の範囲で「小売業、飲食店」だったのと同じ扱いです。
なお、中小企業基本法では宿泊業と娯楽業もサービス業として5人以下です。この2業種が20人以下になるのは、小規模企業活性化法(平成25年)による政令改正で小規模事業者支援法・中小企業信用保険法・小規模企業共済法の3つの施行令が変わったからで、基本法の定義とは別の話です。マル経融資・特別小口保証・小規模企業共済を使えるかどうか、という場面でだけ20人以下になります。
小規模企業者の範囲に含まれる企業に関する正誤の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
a 従業員数30人、資本金300万円の製造業
b 従業員数10人の個人経営の小売業
答え:a も b も誤り
a ×:「製造業」で、従業員数30人であるから、「製造業その他」の従業員基準(20人以下)を満たしておらず、小規模企業者の範囲に含まれません。なお、小規模企業(者)の判定では資本金額は一切考慮しません。資本金300万円という小ささに引きずられてはいけない、ということです。
b ×:「小売業」で、従業員数10人であるから、「商業」の従業員基準(5人以下)を満たしておらず、小規模企業者の範囲に含まれません。
資本金は見ないという一点を外すと、a を「正」にしてしまいます。中小企業者の判定(資本金 OR 従業員数)と小規模企業者の判定(従業員数のみ)の違いを、設例ごと記憶しておくのが確実です。
令和6年9月2日に施行された改正産業競争力強化法で、中堅企業者という区分が新しく置かれました。線引きは常時使用する従業員2,000人以下。ただし中小企業者はここから除かれます。
重要なのは、これはあくまで産業競争力強化法の定義であり、中小企業基本法の定義ではないという点です。中小企業基本法には「中堅企業者」という区分は存在しません。
| 法律 | 区分 | 定義 |
|---|---|---|
| 中小企業基本法 | 中小企業者 | 業種別の資本金 または 従業員数 |
| 中小企業基本法 | 小規模企業者 | 従業員数のみ(20人以下/5人以下) |
| 産業競争力強化法 | 中堅企業者 | 従業員2,000人以下の会社・個人(中小企業者を除く) |
第2章で学んだ中小企業白書の「中堅企業は従業者数2,000人以下(中小企業者を除く)」という区分も、この産業競争力強化法の定義に沿ったものです。どの法律の話をしているかを意識する癖が、ここでも効いてきます。

中小企業基本法における定義
試験のポイント
1. 新たな産業の創出
2. 就業の機会の増大
3. 市場における競争の促進
4. 地域における経済の活性化
この4つは順番も含めて丸暗記の対象です。「産業 → 就業 → 競争 → 地域」と並べて覚えましょう。
このため国は、「多様で活力ある中小企業の成長発展」を実現するために、独立した中小企業者の自主的な努力を前提としつつ、①経営の革新および創業の促進、②経営基盤の強化、③経済的社会的環境の変化への適応の円滑化を図るため、中小企業に関する施策を総合的に策定し、実施する責務を有するとしています。
「独立した中小企業者の自主的な努力を前提としつつ」という一句は重要です。国が面倒を見るのではなく、自ら努力する企業を後押しする、という姿勢が明記されています。
「特に、多数の中小企業者が【A】経営の向上を図るための事業活動を行うことを通じて、新たな産業を創出し、就業の機会を増大させ、【B】、地域における経済の活性化を促進する等我が国経済の活力の維持及び強化に果たすべき重要な使命を有するもの」
空欄A:創意工夫を生かして(ア 経営資源を活用して/イ 個性を発揮して/ウ 潜在力を発揮して/エ 創意工夫を生かして)
空欄B:市場における競争を促進し(ア 新たな市場を創造し/イ 公正な市場環境を整え/ウ 市場における競争を促進し/エ 市場の格差を是正し)
条文の語句そのものを問う出題です。「創意工夫を生かして」と「市場における競争を促進し」は、選択肢に紛らわしい表現が並ぶので、条文の言い回しを正確に覚えておく必要があります。
中小企業基本法は平成11年(1999年)に大きく改正され、中小企業の捉え方が根本から変わりました。
二重構造における弱者(大企業と中小企業等の二極化)→ 我が国経済のダイナミズムの源泉
改正前は、大企業と中小企業の間に生産性・賃金の格差がある「二重構造」を前提に、格差の是正を目的としていました。改正後は、中小企業を経済の活力の源泉と位置づけ、多様で活力ある中小企業の成長発展を目指すようになりました。
| 観点 | 改正前(昭和38年法) | 改正後(平成11年法) |
|---|---|---|
| 中小企業像 | 二重構造における弱者 | 我が国経済のダイナミズムの源泉 |
| 政策の目標 | 格差の是正 | 多様で活力ある中小企業の成長発展 |
| 政策の姿勢 | 保護・底上げ | 自主的な努力の支援 |
第7章で学ぶ「中小企業政策の変遷」の中心にあるのが、この転換です。
基本理念をふまえ、中小企業施策において特に重点的に支援をしていく施策対象および事業活動の支援を、以下の基本方針として規定しています。
1 経営の革新および創業の促進(ならびに創造的な事業活動の促進)
経営を変えること、会社を興すこと、創造的な事業に挑むこと。これらは中小企業の活動のなかでも新しい価値を生む見込みがとりわけ大きい反面、ぶつかる壁も多くなります。だからこそ国が前に出て支える、という考え方です。
2 中小企業の経営基盤の強化
規模が小さいということは、手持ちの経営資源が少ないということです。しかも、足りないぶんを外から調達しようとしても大企業ほど容易ではありません。そこで国は2つの方向から支えます。1つは足りない経営資源を補ってやる施策。もう1つは、市場で理不尽に不利な扱いを受けずにすむよう、公正な市場を確保すること。この2つを通じて経営基盤を強くしていく、という組み立てです。
3 経済的社会的環境の変化への適応の円滑化
貿易構造の変化、大きな天災、人災。いずれも中小企業の側に落ち度があって起きるものではありません。それでも経済的・社会的な環境がこう動けば、中小企業は強い影響を受け、事業が立ち行かなくなることがあります。そこで倒産が連鎖すれば、困るのはその会社だけではなく国民経済全体です。だからこそ、落ちたときに受け止める網としてセーフティネット的な措置が用意されています。
4 資金の供給の円滑化および自己資本の充実
上記3つの基本方針の柱の土台(梁)として規定されています。
3本の柱が立ち、その下に土台が敷かれている、という構造で描かれています。
| ① 経営の革新および創業の促進 | ② 経営基盤の強化 | ③ 経済的社会的環境の変化への適応の円滑化 |
|---|---|---|
| ・経営の革新の促進<br>・創業の促進<br>・創造的な事業活動の促進 | ・人材・技術・情報等経営資源確保の円滑化<br>・取引の適正化 | ・環境の変化に応じた経営の安定および事業転換の円滑化等 |
土台:資金の供給の円滑化および自己資本の充実
第6章の施策は、この体系にきれいに対応しています。
| 基本方針 | 対応する主な施策 |
|---|---|
| ① 経営の革新および創業の促進 | 経営革新計画、創業支援、新事業展開支援 |
| ② 経営基盤の強化 | 支援機関、IT化支援、技術支援、下請取引の適正化、労働対策 |
| ③ 経済的社会的環境の変化への適応の円滑化 | セーフティネット保証・貸付、BCP、倒産防止共済 |
| ④ 資金の供給の円滑化および自己資本の充実(土台) | 政府系金融機関、信用補完制度、投資育成会社、税制 |
第6章の9つの節が、この4本の方針のどれに属するのかを意識しながら読むと、施策が構造として頭に入ります。
基本方針は中小企業基本法の第5条に記されている。これに関して、最も不適切なものはどれか。
ア 経営の革新及び創業の促進を図ること
イ 経済的社会的環境の変化への適応の円滑化を図ること
ウ 地域における多様な需要に応じた事業活動の活性化を図ること
エ 中小企業の経営基盤の強化を図ること
答え:ウ
中小企業基本法の基本方針は、①経営の革新および創業の促進ならびに創造的な事業活動の促進、②中小企業の経営基盤の強化、③経済的社会的環境の変化への適応の円滑化、④資金供給の円滑化および自己資本の充実の4つです。
ウの「地域における多様な需要に応じた事業活動の活性化」は、後で学ぶ小規模企業に対する中小企業施策の方針(第8条)に出てくる表現であり、第5条の基本方針ではありません。似た言葉が別の条文に散らばっているのが、この分野の難しさです。
一 中小企業者の経営の革新及び創業の促進並びに創造的な事業活動の促進を図ること。
二 中小企業の経営資源の確保の円滑化を図ること、中小企業に関する取引の適正化を図ること等により、中小企業の経営基盤の強化を図ること。
三 経済的社会的環境の変化に即応し、中小企業の経営の安定を図ること、事業の転換の円滑化を図ること等により、その変化への適応の円滑化を図ること。
四 中小企業に対する資金の供給の円滑化及び中小企業の自己資本の充実を図ること。
太字にした「創造的な事業活動の促進」「取引の適正化」「事業の転換の円滑化」の3か所は、令和4年度第18問(設問3)で実際に出題された箇所です。条文の細部まで問われうることを示す好例なので、読み飛ばさないようにしてください。

中小企業基本法の理念と4つの基本方針
試験のポイント
中小企業白書とは、中小企業基本法第11条に基づく、中小企業の動向および政府が中小企業に関して講じた施策に関する年次報告書です。政府は、毎年国会に対して年次報告書(中小企業白書)を提出しなければなりません。
第2章から第4章まで延々と読んできた白書の数字は、この第11条という条文から生まれているわけです。「中小企業白書の根拠条文は中小企業基本法第11条」は、そのまま出題されます。
なお小規模企業白書は、後で学ぶ小規模基本法(小規模企業振興基本法)第12条に基づく年次報告書です。2つの白書で根拠法が違う点も押さえておきましょう。
| 白書 | 根拠 |
|---|---|
| 中小企業白書 | 中小企業基本法第11条 |
| 小規模企業白書 | 小規模基本法(小規模企業振興基本法) |
中小企業基本法は、第2条において「経営の革新」「創造的な事業活動」「経営資源」などの用語を定義しています。
1)経営の革新
新商品の開発または生産、新役務の開発または提供、商品の新たな生産または販売の方式の導入、役務の新たな提供の方式の導入、新たな経営管理方法の導入その他の新たな事業活動を行うことにより、その経営の相当程度の向上を図ることです。
キーワードは「経営の相当程度の向上」。第6章で学ぶ経営革新計画の承認基準は、まさにこの「相当程度の向上」を数値目標で表したものです。
2)創造的な事業活動
経営の革新または創業の対象となる事業活動のうち、著しい新規性を有する技術または著しく創造的な経営管理手法を活用したものです。いわゆるベンチャー企業の事業活動といえます。
「経営の革新」との関係が大切です。創造的な事業活動は、経営の革新または創業の一部であり、そのなかでも「著しい」新規性・創造性を持つものを指します。包含関係を押さえてください。
3)経営資源
設備、技術、個人の有する知識および技能その他の事業活動に活用される資源です。
「ヒト・モノ・カネ・情報」という一般的な言い方とは違い、条文では設備・技術・知識および技能という並びになっています。カネ(資金)が列挙に入っていない点が特徴的です。
小規模企業の事業活動の活性化を図るため、平成25年9月20日に、改正中小企業基本法(正式名称:小規模企業の事業活動の活性化のための中小企業基本法等の一部を改正する等の法律。通称:小規模企業活性化法)が施行されました。
中小企業基本法についての主な内容は次の2つです。
① 基本理念の追加(第3条第2項)
小規模企業についての基本理念が、第3条第2項として追加されました。
「中小企業の多様で活力ある成長発展にあたっては、小規模企業が、地域の特色を生かした事業活動を行い、就業の機会を提供するなどして地域における経済の安定ならびに地域住民の生活の向上および交流の促進に寄与するとともに、創造的な事業活動を行い、新たな産業を創出するなどして将来における我が国の経済および社会の発展に寄与するという重要な意義を有するものであることに鑑み、独立した小規模企業者の自主的な努力が助長されることを旨としてこれらの事業活動に資する事業環境が整備されることにより、小規模企業の活力が最大限に発揮されなければならない。」
長い条文ですが、構造は単純です。小規模企業には2つの重要な意義があるとされています。
| 寄与する先 | |
|---|---|
| 意義A | 地域における経済の安定ならびに地域住民の生活の向上および交流の促進 |
| 意義B | 将来における我が国の経済および社会の発展 |
A は「いま・ここ(地域)」、B は「これから・全体(国)」と整理すると覚えやすくなります。
小規模企業は「地域の特色を生かした事業活動を行い、就業の機会を提供するなどして地域における経済の安定並びに【 】に寄与するとともに……」
答え:ウ 地域住民の生活の向上及び交流の促進
解き方のコツを一つ。小規模企業について問われたら、「地域」という語を含む選択肢を選ぶ。選択肢に「活力ある経済と豊かな国民生活」「雇用基盤の維持及び国民の豊かな生活基盤の形成」といったもっともらしい表現が並んでも、地域という語が入っているものを選ぶのが実戦的な判断です。
中小企業基本法においては、「小規模企業」が有する意義も示されている。具体的には、【A】に寄与するとともに、【B】に寄与するという2つの重要な意義を、小規模企業は有しているとされている。
答え:A=地域における経済の安定並びに地域住民の生活の向上及び交流の促進、B=将来における我が国の経済及び社会の発展
② 小規模企業に対する中小企業施策の方針(第8条)
従来「小規模企業への配慮」規定であった第8条が「小規模企業に対する中小企業施策の方針」に改められ、以下の方針に従い、小規模企業者に対して中小企業に関する施策を講ずることとされました。
1) 小規模企業が地域における経済の安定ならびに地域住民の生活の向上および交流の促進に寄与するという重要な意義を有することをふまえ、適切かつ十分な経営資源の確保を通じて地域における小規模企業の持続的な事業活動を可能とするとともに、地域の多様な主体との連携の推進によって地域における多様な需要に応じた事業活動の活性化を図ること。
2) 小規模企業が将来における我が国の経済および社会の発展に寄与するという重要な意義を有することをふまえ、小規模企業がその成長発展を図るにあたり、その状況に応じ、着実な成長発展を実現するための適切な支援を受けられるよう必要な環境の整備を図ること。
3) 経営資源の確保が特に困難であることが多い小規模企業者の事情をふまえ、小規模企業の経営の発達および改善に努めるとともに、金融、税制、情報の提供その他の事項について、小規模企業の経営の状況に応じ、必要な考慮を払うこと。
「小規模企業に対する中小企業施策の方針」に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
ア 経営の発達及び改善に努めるとともに、金融、税制、情報の提供その他の事項について必要な考慮を払うこと。
イ 生産性の格差の是正並びに自己資本の充実を図ること。
ウ 地域の多様な主体との連携の推進によって、地域における多様な需要に応じた事業活動の活性化を図ること。
エ 着実な成長発展を実現するための適切な支援を受けられるよう必要な環境の整備を図ること。
答え:イ
「生産性の格差の是正」と「自己資本の充実」は「小規模企業に対する中小企業施策の方針」に定められていません。
「生産性の格差の是正」は平成11年改正前の旧基本法の発想であり、「自己資本の充実」は第5条の基本方針(④)のほうに出てくる表現です。どの条文の話かを取り違えさせる、典型的な引っかけになっています。

政府の役割・用語の定義・小規模企業活性化法
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