連携・共同化の推進(組合制度・高度化事業・中心市街地活性化)
第6章 中小企業施策
単独では難しいことも、複数の中小企業が「連携・共同化」することで実現できます。共同仕入・共同販売・共同研究開発・工業団地の整備——こうした取組を法的に支援するのが各種の「組合制度」です。組合の種類(事業協同組合・企業組合・協業組合・商工組合・商店街振興組合)ごとの根拠法・責任形態・設立要件の違いと、LLPとLPSの違い(法人格の有無・課税方式)は頻出事項です。
中小企業等協同組合法(事業協同組合・企業組合など)
簡単にいうと
「4人以上集まれば作れる」事業協同組合——ただし商店街振興組合だけは「7人以上」が発起人要件。この例外を忘れずに!
中小企業が単独では難しいスケールメリットを実現するために、複数の事業者が集まって「組合」を形成する仕組みが整備されています。
中小企業等協同組合法に基づく主な組合は①事業協同組合(共同仕入・共同販売・共同研究等を行う最も一般的な形態)②企業組合(個人が創業する際に少額の資本で有限責任のメリットを享受できる組合。組合自体が一企業体として事業を行う)③信用協同組合 ④協同組合連合会などがあります。
中小企業団体組織法に基づく組合として①協業組合(既存の小規模事業者が事業を統合・協業する形態)②商工組合(業種別の組合)があります。
商店街振興組合法に基づく商店街振興組合は商店街のアーケード整備等を目的とします。
すべての組合で発起人は原則4人以上が必要ですが、商店街振興組合のみ7人以上という点が試験頻出の例外です。議決権は原則として1人1票(協業組合のみ平等議決権と出資比例の議決権の併用を認める)。
試験のポイント
- ・事業協同組合:中小企業者が新技術・新商品開発・新事業分野・市場開拓・共同生産・加工・販売などの共同経済事業を行うための組合
- ・企業組合:個人が創業する際に少額の資本で有限責任のメリットを享受できる組合。組合自体が一企業体として事業を行う。個人以外(法人)も加入可能
- ・設立要件:4人以上の発起人・4人以上の組合員(商店街振興組合のみ7人以上)
- ・議決権:原則として1人1票(協業組合のみ平等議決権と出資比例の議決権の併用を認める)
- ・組合組数(令和5年3月末):事業協同組合約27,765・企業組合1,605・協業組合660・商工組合1,109(連合会含む)・商店街振興組合2,447(連合会含む)
高度化事業と有限責任事業組合(LLP)
簡単にいうと
「LLP」と「LPS」は名前が似ているが全くの別物——法人格の有無・課税方式・設立根拠法の3点セットで整理しよう。
高度化事業は、中小企業者が共同で工業団地・商店街アーケード・共同施設等を整備する際に、都道府県と中小企業基盤整備機構が「診断と融資を一体的に支援する」制度です。
資金の流れは2方式あります。A方式:国→都道府県(財源添付)→中小企業者(資金貸付)B方式:都道府県(財源添付)→中小機構(資金貸付)→中小企業者。貸付条件は貸付割合原則80%以内・貸付期間20年以内(うち据置3年以内)・経営革新計画等に基づく場合は無利子です。
有限責任事業組合(LLP)は有限責任事業組合契約に関する法律に基づく組合で、法人格なしという点が最大の特徴です。①有限責任(出資額の範囲のみ責任)②内部ルールを組合契約で柔軟に設定できる③パススルー課税(LLP自体には課税されず、損益は組合員の所得として課税)——が特徴です。
一方、投資事業有限責任組合(LPS)は法人格ありで、年金基金・海外投資家からの資金供給に活用されるまったく別の組合です。「LLP:法人格なし・パススルー課税」と「LPS:法人格あり」の対比で覚えましょう。
試験のポイント
- ・高度化事業の特徴:「診断と融資の一体化支援」
- ・高度化融資の条件:貸付割合原則80%以内・貸付期間20年以内(うち据置3年以内)・無利子(経営革新計画等に基づく場合)
- ・資金の流れA方式:国→都道府県(財源添付)→中小企業者(資金貸付)
- ・資金の流れB方式:都道府県(財源添付)→中小機構(資金貸付)→中小企業者
- ・有限責任事業組合(LLP):有限責任事業組合契約に関する法律に基づく組合・法人格なし(≠LPS)
- ・LLPの特徴:①有限責任(出資額の範囲のみ責任)②内部ルールを組合契約で柔軟に設定できる ③パススルー課税(LLP自体には課税されず、損益は組合員の所得として課税)
中心市街地活性化法(まちづくり三法)
簡単にいうと
シャッター商店街を再活性化する「まちづくり三法」——中心市街地活性化法の認定スキームと、認定機関(内閣総理大臣 vs 主務大臣)の違いを整理しよう。
地方都市の中心市街地の空洞化(シャッター商店街化)は深刻な社会問題です。これに対応するのが中心市街地活性化法(中心市街地の活性化に関する法律)です。都市機能の増進と経済活力の向上を目的として、市町村が作成した「基本計画」が内閣総理大臣の認定を受けると各種支援を利用できます。
中心市街地活性化協議会は、中心市街地整備推進機構と商工会議所等が中心となり、民間事業者・地権者・地方公共団体等を交えた協議・調整を行う組織です。
「まちづくり三法」の構成は①中心市街地活性化法(都市の活力維持)②大規模小売店舗立地法(大型店の立地規制)③都市計画法(土地利用規制)——の3法です。
認定スキームの流れは、①国(政府)が基本方針策定→②市町村が基本計画作成・申請→③内閣総理大臣が認定→④民間事業者等が事業計画を作成→⑤国(主務大臣)が認定→⑥支援策の利用が可能——という順番です。基本計画は「内閣総理大臣」、個別事業計画は「主務大臣」が認定するという違いに注意が必要です。
試験のポイント
- ・まちづくり三法の一つ(他の二法:大規模小売店舗立地法・都市計画法)
- ・中心市街地活性化協議会:中心市街地活性化に関する事業の総合調整・事業の推進を行う組織(中心市街地整備推進機構および商工会議所等で組織)
- ・スキーム:①国(政府)が基本方針策定→②市町村が基本計画作成・申請→③内閣総理大臣が認定→④民間事業者等が事業計画を作成→⑤国(主務大臣)が認定→⑥支援策の利用が可能
- ・中小小売商業振興法:商店整備・店舗の集団化・電子計算機利用経営・連鎖化事業(VCやFC)等を高度化事業計画として国や都道府県知事の認定を受けて行う
まとめ
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