第6章 中小企業施策
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プレミアムで見る中小企業が一社では届かないことを、集まることで実現する──それが連携・共同化の考え方です。第1章で学んだ「中小企業の弱みは経営資源の質・量の不十分さ」に対して、足りないものを持ち寄って補い合うという答えを制度にしたのが組合制度です。
この節はこの科目で最も暗記量の多い分野です。根拠法が3本(中小企業等協同組合法/中小企業団体組織法/商店街振興組合法)あり、その下に5つの主要な組合がぶら下がっています。
| 組合 | 根拠法 | 設立要件 | 発起人数 |
|---|---|---|---|
| 事業協同組合 | 中小企業等協同組合法 | 4人以上の事業者 | 4人以上 |
| 企業組合 | 中小企業等協同組合法 | 4人以上の個人 | 4人以上 |
| 協業組合 | 中小企業団体組織法 | 4人以上の事業者 | 4人以上 |
| 商工組合 | 中小企業団体組織法 | 資格事業者の2分の1以上が加入 | 4人以上 |
| 商店街振興組合 | 商店街振興組合法 | 30人以上が近接 | 7人以上 |
覚え方の急所は例外です。企業組合だけが「個人」、商店街振興組合だけが発起人7人以上、協業組合だけが議決権に出資比例を認める、商店街振興組合だけが組織変更不可。この4つの「〜だけ」を押さえれば、表の大半は復元できます。
後半では高度化事業(診断と融資の一体化支援)、LLP(法人格がない)、中心市街地活性化法(内閣総理大臣が認定)、中小商業の振興を扱います。
簡単にいうと
根拠法は3本。企業組合だけが「個人」4人以上、商店街振興組合だけが発起人7人以上。この「〜だけ」を押さえるのが攻略のコツだよ!
中小企業組合制度の根拠法には、中小企業等協同組合法、中小企業団体の組織に関する法律、商店街振興組合法があります。
一社では分が悪い。その中小企業者が、助け合いの考え方のもとで集まり、一緒に経済事業を営む。そうすることで公正に商売できる場を確保し、立場そのものを引き上げていく。そこをねらった法律です(中小企業等協同組合法 第1条)。
一社でできることには限りがあります。そこで中小規模の事業者や勤労者が集まって組織をつくり、お互いに助け合いながら一緒に事業を進める。足りない経営資源を、仲間どうしで埋め合うためのしくみが組合制度です。
この法律では、事業協同組合、事業協同小組合、信用協同組合、協同組合連合会、企業組合を規定しています。
| 組合 |
|---|
簡単にいうと
5つの組合を1枚の表で見比べよう。例外が協業組合と企業組合に集まっているから、そこを軸にすると全体が復元できるよ!
| 事業協同組合 | 企業組合 | 協業組合 | 商工組合 | 商店街振興組合 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 根拠法 | 中小企業等協同組合法 | 中小企業等協同組合法 |
簡単にいうと
高度化事業は「診断と融資の一体化支援」が最大の特徴。貸付割合80%以内・期間20年以内。LLPは法人格がないのがポイントだよ!
高度化事業は、中小企業者が共同で工場団地を建設したり、商店街にアーケードを設置したりする事業などに対し、都道府県と中小企業基盤整備機構が財源を出し合い、事業計画等に対するアドバイスを行いながら、長期・低利(または無利子)で融資する事業です。
高度化事業の特徴は、診断と融資の一体化支援です。
「診断と融資の一体化支援」──この一文が高度化事業の核心であり、そのまま出題されます。お金を貸すだけでなく、事業計画を診断して助言する。中小企業診断士の仕事に最も近い制度だといえます。
1 高度化事業の種類
高度化事業には、次の2つのタイプがあります。
1. 中小企業者が事業協同組合などを設立して共同・連携して経営基盤の強化などに取り組む事業(中小企業者単独では不可)
2.
簡単にいうと
基本計画を認定するのは内閣総理大臣。事業計画は主務大臣。市町村を経由して申請するのが特徴だよ!
中心市街地を立て直そうと、立場の違う関係者がひとつにまとまって本気で動く。そういう地域には、税制の優遇から低利の融資まで、まとめて支援が用意されています。
条文を引いておきます(中心市街地の活性化に関する法律 第1条)。
中心市街地が地域の経済及び社会の発展に果たす役割の重要性にかんがみ、近年における急速な少子高齢化の進展、消費生活の変化等の社会経済情勢の変化に対応して、中心市街地における都市機能の増進及び経済活力の向上を総合的かつ一体的に推進し、地域の振興及び秩序ある整備を図り、もって国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
条文でいう「都市機能の増進及び経済活力の向上」が、そのまま中心市街地の活性化という言葉の中身にあたります。
中心市街地の活性化=都市機能の増進 + 経済活力の向上という定義が条文に明記されています。この2つの要素は穴埋めで問われます。
中心市街地活性化協議会とは、中心市街地活性化に関する事業の総合調整や事業の推進に関すること、および市町村が策定する基本計画の実効性に寄与することなど、まちづくりを総合的に推進する組織のこと
簡単にいうと
商店街は「地域商店街活性化法」、小売業は「中小小売商業振興法」。どちらも経済産業大臣が関わるけれど、役割が少し違うよ。
中小商業の振興対策は、商店街については「地域商店街活性化法」、小売業については「中小小売商業振興法」を中心とした施策が用意されています。
地域商店街活性化法は、正式名称を「商店街の活性化のための地域住民の需要に応じた事業活動の促進に関する法律」といいます。
出発点にあるのは2つの認識です。ひとつは、商店街が日本経済の活力を保つうえでも、人々の暮らしを良くするうえでも大きな役割を担ってきたということ。もうひとつは、中小の小売業・サービス業を支え、地域の暮らしと人の行き来を豊かにしてきたその商店街が、いま力を失いつつあるということ。そこでこの法律は、商店街振興組合などが地域住民の求めに応じて行う事業活動に対して、どう支援するかを定めています。
「地域住民の需要に応じた事業活動」という表現が、正式名称にも目的にも繰り返し出てきます。商店街は地域住民のためにあるという考え方が、この法律の土台です。
第4章で学んだ数字を思い出してください。商店街が「期待されている」と考える1位は
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| 事業協同組合 | 中小企業者による共同経済事業など |
| 事業協同小組合 | 小規模事業者による共同経済事業など |
| 信用協同組合 | 組合組織による金融事業 |
| 協同組合連合会 | 上記3組合の上部団体 |
| 企業組合 | 組合自体が一企業体として事業を行う |
1)事業協同組合
中小企業者が、新技術・新商品開発、新事業分野、市場開拓、共同生産・加工・販売などの共同経済事業を行うことにより、新事業展開、経営革新、経営効率化などを図るための組合です。
2)企業組合
個人が創業する際に、少額の資本で法人格を取得でき有限責任のメリットを享受できるように考えられた、出資・労働・経営を一体的に行う組織であり、いわば簡易な会社ともいうべき組合です。なお、組合員は、個人以外の者(法人)も加入が可能です。
企業組合の要点は3つです。
「個人しか加入できない」と書いた選択肢は誤りです。設立要件が「4人以上の個人」であるだけで、法人の加入は可能という区別が問われます。
こちらも中小企業者が力を合わせて事業を行い、公正に商売できる場を確保することをねらいとした法律です。定めているのは協業組合・商工組合・商工組合連合会の3つになります。
| 組合 | 事業内容 |
|---|---|
| 協業組合 | 生産・販売を統合し一企業体として事業を行う |
| 商工組合 | 業種全体の改善を行う指導事業など |
| 商工組合連合会 | 商工組合の上部団体 |
1)協業組合
ばらばらに営んでいた事業を一つにまとめ(協業)、大きすぎず小さすぎない規模に整えることで、生産性を引き上げる。それをねらった組合です。
使われ方はたとえば次のような場面です。古い設備を手放し、最新の設備を共同で入れて生産工程をまとめてしまう。仕入れや販売の部門だけを数社で一本化する。部品を加工する会社と完成品のメーカーが組んで、一貫して作れる体制にする。
2)商工組合および商工組合連合会
2つは向いている方向が違います。事業協同組合は共同の経済事業が軸で、見ているのは組合員自身の経営です。合理化・近代化を進め、立場を強くする。これに対して商工組合は同業者の集まりで、見ているのは業界そのもの。業界全体をよくしていくことが主な目的になります。したがって、業界を代表する同業組合的性格をもっています。
事業協同組合は「組合員のため」、商工組合は「業界全体のため」──この対比が2つの組合を分ける鍵です。
商店街のある地域で、小売商業やサービス業などを営む人たちが手を組み、まちの環境を整える事業や共同の経済事業に取り組む。それによって参加者自身が健全に発展し、あわせて地域の暮らしもよくなる。そこをねらった法律です。この法律では、商店街振興組合、商店街振興組合連合会について規定しています。
| 組合 | 事業内容 |
|---|---|
| 商店街振興組合<br>商店街振興組合連合会 | ・仕入、保管、運送、宣伝などの共同経済事業<br>・アーケード、駐車場設置などの環境整備事業 |
1 地区
地区の取り方にも条件があります。範囲は1つの都道府県の中に収まっていること。そしてその地区には、小売商業またはサービス業を営む事業者が30人以上、近接して商売をしていなければなりません。また、組合の地区の重複は禁止されており、1地区に1組合しか認められません。
2 設立
設立のハードルは2つあります。1つは、組合員になる資格をもつ者(その地区で小売商業・サービス業を営む事業者、または定款で定めた者)の3分の2以上が実際に加入すること。もう1つは、組合員全体の2分の1以上が小売商業またはサービス業を営む事業者であること。どちらも満たさなければ設立できません。
「3分の2以上」と「2分の1以上」の2つの要件を両方満たす必要があります。分数が2つ出てくるので、どちらが何にかかるかを丁寧に押さえてください。
事業協同組合、企業組合、協業組合から、株式会社への組織変更が可能です。
裏を返せば、商工組合と商店街振興組合は株式会社への組織変更ができません。商店街振興組合は組織変更そのものが「不可」とされています。
事業協同組合は、名称中に「協同組合」という文字を用いなければなりません。
また、企業組合は「企業組合」、協業組合は「協業組合」、商工組合は「商工組合」、商店街振興組合は「商店街振興組合」という文字を、それぞれ名称中に用いなければなりません。
事業協同組合だけが「事業協同組合」ではなく「協同組合」である点が引っかけです。ほかの4つは組合名そのものを名乗ります。
よりどころとなる法律は2本、中小企業等協同組合法と中小企業団体の組織に関する法律です。これらに基づいて置かれた特別認可法人にあたります。構成は二層で、各都道府県に都道府県中小企業団体中央会があり、その上に全国中小企業団体中央会が乗っています。
果たす役割は組合づくりの旗振りです。中小企業が組織をつくるのを後押しし、そこで結ばれた強い連携のもとで共同事業を進めてもらう。その積み重ねで中小企業を伸ばしていく、という立て付けになっています。
特別認可法人という法的性格と、根拠法が2本(協同組合法と団体組織法)である点が押さえどころです。商店街振興組合法は入っていません。

組合制度
試験のポイント
| 中小企業団体の組織に関する法律 |
| 商店街振興組合法 |
| 目的 | 組合員への直接の奉仕、組合員の経営合理化および経済活動の機会の確保 | 組合員への直接の奉仕、組合員の経営合理化 | 事業規模の適正化による生産性向上、共同利益の増進 | 資格事業の改善発達、経営の安定合理化 | 組合員への直接奉仕、組合員の経営合理化、商店街地域の環境整備 |
| 事業 | 組合員の事業に関する共同経済事業、資金の貸付け、福利厚生、債務保証、その他 | 定款に掲げる事業(商業、工業、鉱業、サービス業、その他) | 協業の対象事業、関連事業、附帯事業 | 指導教育事業、共同経済事業(出資組合のみ)、その他 | 組合員の事業に関する商店街の環境整備事業、共同経済事業 |
| 設立要件 | 4人以上の事業者 | 4人以上の個人 | 4人以上の事業者 | 1都道府県以上の区域を地区として地区内で資格事業を行う者の2分の1以上が加入すること | 1都道府県以内の区域を地区(地区の重複は禁止)として小売商業またはサービス業を営む事業者の30人以上が近接してその事業を営むこと |
| 責任 | 有限責任 | 有限責任 | 有限責任 | 有限責任 | 有限責任 |
| 発起人数 | 4人以上 | 4人以上 | 4人以上 | 4人以上 | 7人以上 |
すべての組合が有限責任である点は共通です。そして発起人数は商店街振興組合だけが7人以上、ほかは4人以上。
| 事業協同組合 | 企業組合 | 協業組合 | 商工組合 | 商店街振興組合 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 加入 | 自由 | 自由 | 組合の加入の承諾 | 自由 | 自由 |
| 任意脱退 | 自由 | 自由 | 持分譲渡による | 自由 | 自由 |
| 組合員比率 | ない | 全従業員の3分の1以上が組合員 | ない | ない | ない(※1) |
| 従事比率 | ない | 全組合員の2分の1以上が組合事業に従事 | ない | ない | ない |
| 議決権 | 1人1票 | 1人1票 | 平等(ただし、出資比例の議決権も認める) | 1人1票 | 1人1票 |
| 組織変更 | 協業組合/商工組合/株式会社へ | 協業組合/株式会社へ | 株式会社へ | 事業協同組合へ(出資組合のみ) | 不可 |
| 令和5年3月末の組合数 | 27,765 | 1,605 | 660 | 1,109(連合会は48) | 2,447(連合会は111) |
※1 設立時には組合員としての資格を有する者の3分の2以上が組合員になること等の要件がありますが、設立後にはこのような要件はありません(商店街振興組合に「組合員比率」はない)。
※2 どの組合も数は減少しています。
| 特徴 | 該当する組合 |
|---|---|
| 設立要件が個人 | 企業組合だけ |
| 発起人7人以上 | 商店街振興組合だけ |
| 加入に承諾が必要/脱退は持分譲渡 | 協業組合だけ |
| 議決権に出資比例を認める | 協業組合だけ |
| 組合員比率・従事比率がある | 企業組合だけ |
| 組織変更が不可 | 商店街振興組合だけ |
| 事業に資金の貸付けがある | 事業協同組合だけ |
協業組合と企業組合に例外が集中しているのが特徴です。この2つを軸に覚えると効率がよくなります。
商店街振興組合に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 株式会社への制度変更が認められる。
イ 議決権は出資比例である。
ウ その名称中に、商店街振興組合という文字を用いなければならない。
エ 中小企業等協同組合法に基づく組合制度である。
答え:ウ
この「出資比例なら協業組合以外は誤り」という一点だけで切れる選択肢は多く、判断基準として持っておくと強力です。
事業協同組合に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 議決権・選挙権は出資額に比例する。
イ 組合を設立するためには、事業主4人以上の設立発起人が必要である。
ウ 全国に約2,000存在する。
エ 中小企業団体の組織に関する法律に基づく組合である。
答え:イ
事業協同組合の数(約28,000)は、5つの組合のなかで圧倒的に多い数字です。2番目の商店街振興組合(2,447)の10倍以上あります。「約2,000」という数字を見たら、それは商店街振興組合のほうだと気づけるようにしておきましょう。

組合制度の一覧と「〜だけ」の見分けどころ
試験のポイント
「中小企業者単独では不可」という点が重要です。組合などを設立して共同・連携することが前提になります。
| 種類 | 事業名 | 内容 |
|---|---|---|
| 中小企業者が実施する事業 | 集団化事業 | 工場を拡張したいが隣接地に用地を確保できない、騒音問題のため操業に支障があるなどの問題を抱える中小企業者が集まり、適地に設備の整った工場を新設し、事業の拡大・効率化、公害問題の解決を図る |
| 集積区域整備事業 | 商店街に、アーケードやカラー舗装、駐車場などを整備したり、各商店を改装し、商店街の魅力・利便性を向上させ集客力を高める | |
| 施設集約化事業 | 大型店の出店などに対抗するため、地域の中小小売商業者らが、共同で入居するショッピングセンターを建設し、集客力・販売力を向上させる | |
| 共同施設事業 | 中小企業者が共同で利用する共同物流センター、加工場や倉庫などの施設を建設し、事業の効率化、取引先の拡大を図る | |
| 第3セクター等が行う事業 | 地域産業創造基盤整備事業 | 起業家を支援するインキュベーション施設などを設置し運営する事業 |
| 商店街整備等支援事業 | 商店街活性化・集客力向上のため、多目的ホール、駐車場、共同店舗などを設置し運営する事業 |
4つの「中小企業者が実施する事業」の見分け方は、何を建てるかです。
施設集約化は「入居する」、共同施設は「利用する」という動詞の違いが決め手です。
2 診断の実施
事業を実施しようとする中小企業者は、計画が具体化する初期段階から高度化事業計画の作成に関し、原則として都道府県から助言を受ける必要があります。また、作成した高度化事業計画については、原則として都道府県が診断を実施します。また、診断・助言は、貸付後も随時行われます。
助言も診断も都道府県が行い、貸付後も随時続く、という点が押さえどころです。
3 資金の流れ
高度化融資の貸付方法には、A方式とB方式があります。
| 方式 | 対象 | 貸付を行う者 | 資金の流れ |
|---|---|---|---|
| A方式 | 1つの都道府県内で行われる事業 | 都道府県 | 中小機構 →(財源貸付)→ 都道府県(財源追加)→(資金貸付)→ 中小企業者 |
| B方式 | 原則として、2つ以上の都道府県にまたがる広域の事業 | 中小企業基盤整備機構 | 都道府県 →(財源貸付)→ 中小機構(財源追加)→(資金貸付)→ 中小企業者 |
A方式は都道府県が貸す、B方式は中小機構が貸す。そして財源の流れは逆向きになっています。A方式では機構が都道府県に財源を貸し、B方式では都道府県が機構に財源を貸す。貸付を行う側が財源を受け取る、という関係で覚えると整理できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象資金 | 設備資金(既存設備のリニューアルも対象) |
| 貸付限度額 | なし(ただし、貸付割合は原則として80%以内) |
| 貸付期間 | 20年以内(うち据置期間3年以内) |
| 担保・保証人 | 都道府県または中小企業基盤整備機構の規程により徴求 |
| 貸付利率 | あり(ただし、経営革新計画等に基づく場合は無利子) |
対象資金は設備資金のみ(運転資金は対象外)、貸付限度額はないが貸付割合は80%以内、期間は20年以内・据置3年以内。この3点セットが頻出です。
高度化事業では、工場団地・卸団地、ショッピングセンター等の整備、商店街のアーケード・カラー舗装等の整備などを行う中小企業組合等に対して、【A】と中小企業基盤整備機構が協調して【B】の貸付けを行う。貸付けに際しては、事前に事業計画について専門的な立場から診断・助言を行う。
(設問1) 空欄AとBに入る語句の組み合わせは?
→ 答え:ウ A:都道府県 B:設備資金
(設問2) 高度化事業の貸付条件などに関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア 貸付割合は原則として50%以内、貸付期間は10年以内である。
イ 貸付割合は原則として50%以内、貸付期間は20年以内である。
ウ 貸付割合は原則として80%以内、貸付期間は10年以内である。
エ 貸付割合は原則として80%以内、貸付期間は20年以内である。
→ 答え:エ
「80%以内」「20年以内」「設備資金」「都道府県」の4語を、セットで記憶しておきましょう。
有限責任事業組合契約に関する法律に基づく、共同事業のための組合です。ただし、契約を基礎とするため、法人格はありません。
LLPに法人格がない──ここが最大の出題ポイントです。前節で学んだCIP(技術研究組合)は法人格を有するのと、正反対になっています。
| 組織 | 法人格 |
|---|---|
| 事業協同組合・企業組合・協業組合など | あり |
| CIP(技術研究組合) | あり |
| 有限責任事業組合(LLP) | なし |
| 投資事業有限責任組合(LPS) | なし |
LLP(有限責任事業組合)の特徴
1) 組合員が出資の価額の範囲までしか事業上の責任を負わない、有限責任制である。
2) 中の決まりごとを法律が細かく縛っていない。組織の形は組合契約書で自由に決められる。しかも損益や議決権の配り方を出資比率に合わせる必要がなく、誰がどれだけ事業に貢献したかに応じて分けられる。
3) 事業で出た利益に税金がかかる場所が違う。LLPそのものには課されず、損益分配の割合にしたがって各組合員へ渡った利益に課される。これを構成員課税(パススルー課税)という。
3つの特徴は、頭文字をとって「有限責任・内部自治・構成員課税」と覚えられます。
とくに2)の「出資比率とは異なる損益や権限の分配が可能」は、先ほど学んだ組合制度の「議決権は1人1票」「協業組合だけ出資比例」とは別の考え方です。LLPでは契約で自由に決められるのが特徴になります。
そして3)の構成員課税(パススルー課税)。組織に法人税がかからず、組合員に直接課税されるため、二重課税が生じません。法人格がないことの裏返しでもあります。

高度化事業とLLP・LPS
試験のポイント
組織するのは中心市街地整備推進機構および商工会議所等。第4章で見たとおり、商店街への期待の1位は「地域の賑わいの創出」でした。その実現に向けて、地域の関係者を束ねる場がこの協議会です。
1. 国(政府)が基本方針を定める
2. 市町村が基本方針に基づき基本計画を作成(中心市街地活性化協議会等の意見を聴く)
3. 国(内閣総理大臣)に申請 → 認定
4. 民間事業者等が基本計画に基づき事業計画を作成(中心市街地活性化協議会の協議)
5. 市町村を経由して国(主務大臣)に申請 → 認定
6. 認定を受けると各種支援策の利用が可能
ここが最重要です。
| 文書 | 作成する者 | 認定する者 | 関与する協議会 |
|---|---|---|---|
| 基本計画 | 市町村 | 国(内閣総理大臣) | 協議会等の意見 |
| 事業計画 | 民間事業者等 | 国(主務大臣)(市町村を経由して申請) | 協議会の協議 |
基本計画を認定するのが内閣総理大臣であることは、この科目でも異例です。ほかの制度は経済産業大臣・主務大臣・都道府県知事・市区町村長が認定する形でしたが、中心市街地の活性化は複数省庁にまたがる総合政策であるため、内閣総理大臣が認定します。
そして事業計画は市町村を経由して申請する点も特徴的です。民間事業者が国に直接申請するのではありません。
また、協議会の関わり方が「意見」と「協議」で使い分けられていることにも注意してください。
中心市街地活性化法は、いわゆるまちづくり三法の一つです。
| 法律 | 役割 |
|---|---|
| 中心市街地活性化法 | 中心市街地の活性化を総合的・一体的に推進する |
| 都市計画法 | 土地利用の規制(大型店の立地を都市計画で誘導) |
| 大規模小売店舗立地法(大店立地法) | 大型店の周辺環境への影響(交通・騒音・廃棄物等)を調整 |
3法はセットで運営管理(店舗・販売管理)でも学ぶ論点です。中心市街地活性化法は「中心部を元気にする」、都市計画法は「どこに建てさせるか」、大店立地法は「建てたあとの環境影響」という役割分担で整理できます。

中心市街地活性化法の認定スキーム
試験のポイント
地域商店街活性化法では、次の2つの計画が規定されています。
| 計画 | 作成する者 |
|---|---|
| 商店街活性化事業計画 | 商店街振興組合、事業協同組合等 |
| 商店街活性化支援事業計画 | NPO法人、一般社団法人、一般財団法人 |
それぞれ作成し、国(経済産業大臣)の認定を受けると、各種支援措置が講じられます。
この「事業計画」と「支援事業計画」の2本立ては、前に学んだ農商工等連携促進法とまったく同じ構造です。
| 法律 | 事業計画の作成者 | 支援事業計画の作成者 | 認定 |
|---|---|---|---|
| 農商工等連携促進法 | 中小企業者と農林漁業者が共同 | NPO法人、一般社団法人、一般財団法人 | 国(主務大臣) |
| 地域商店街活性化法 | 商店街振興組合、事業協同組合等 | NPO法人、一般社団法人、一般財団法人 | 国(経済産業大臣) |
支援事業計画の作成者はどちらもNPO法人・一般社団法人・一般財団法人で共通しています。
1. 国(経済産業大臣)が基本方針を定める
2. (1) 商店街振興組合等が基本方針に基づき商店街活性化事業計画を作成
(2) NPO法人等が基本方針に基づき商店街活性化支援事業計画を作成
3. 国(経済産業大臣)に申請((1)のみ都道府県・市町村の意見聴取)
4. 認定を受けると各種支援策の利用が可能
都道府県・市町村の意見聴取が行われるのは(1)の商店街活性化事業計画だけという但し書きに注意してください。
商店街活性化事業計画に基づく支援措置
商店街活性化支援事業計画に基づく支援措置
ここでも農商工等連携促進法と同じく、支援する側の計画は信用保険法の特例だけという構造になっています。
課税の特例(土地の譲渡所得からの特別控除)は、この法律に特徴的な支援措置です。商店街の活性化事業に土地を提供しやすくするための仕組みです。
商店街の整備、店舗の集団化、共同店舗等の整備などの事業の実施を円滑にし、中小小売商業者の経営の近代化を促進することなどにより、中小小売商業の振興を図る法律です。
法律の仕組みは次のとおりです。
1. 経済産業大臣が定めた振興指針に基づき中小小売商業者の組合などが、商店街整備、店舗の集団化、電子計算機利用経営管理、連鎖化事業(VCやFC事業)などについての高度化事業計画を作成する。
2. 高度化事業計画について都道府県知事または主務大臣の認定を受けて事業を行う場合、ハード整備事業、融資、信用補完、税制などの支援が受けられる。
押さえどころは3つです。
① 振興指針を定めるのは経済産業大臣
② 高度化事業計画を認定するのは都道府県知事または主務大臣(地域商店街活性化法が経済産業大臣だったのとは違います)
③ 連鎖化事業(VCやFC事業)が対象に含まれる
連鎖化事業とは、ボランタリー・チェーン(VC)やフランチャイズ・チェーン(FC)のことです。中小小売商業振興法は、FC本部が加盟者を募集する際の情報開示義務を定めていることでも知られており、運営管理(店舗・販売管理)や経営法務でも登場します。
| 項目 | 地域商店街活性化法 | 中小小売商業振興法 |
|---|---|---|
| 主な対象 | 商店街 | 小売業 |
| 方針・指針を定める者 | 経済産業大臣(基本方針) | 経済産業大臣(振興指針) |
| 計画 | 商店街活性化事業計画/商店街活性化支援事業計画 | 高度化事業計画 |
| 認定する者 | 国(経済産業大臣) | 都道府県知事または主務大臣 |
| 特徴的な対象 | 地域住民の需要に応じた事業活動 | 連鎖化事業(VC・FC) |
認定する者が違うという一点が、2つの法律を分ける最大の目印です。

中小商業の振興
試験のポイント
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