企業経営理論令和5年度第35問 設問2
令和5年度 第35問 設問2 解説
問題文
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 消費者ニーズの充足や顧客満足の向上を目指すマーケティングにとって、消費者 を理解することは不可欠である。企業は、消費者の購買意思決定プロセスや消費者 に及ぼす心理的効果についての理解を通して、適切なマーケティングを実行してい く必要がある。 ① ② 文中の下線部②に関する記述として、最も適切なものはどれか。
アアンカリング効果は、全く同じコーヒーが1,000 円で提供されていた場合 に、高級ブランド店が立ち並ぶエリアにあるカフェではそれほど高価に感じな いが、若者向け商品を低価格で提供するカジュアルな店が立ち並ぶエリアにあ るカフェでは高価に感じるような現象を説明することができる。正解
イサンクコスト効果は、事前に購入する回数券の使用期限が近づくほど利用頻 度を増加させることによって使い切ろうとする消費者心理を説明することがで きる。
ウバンドワゴン効果は、小さなカップにあふれそうな量を盛り付けることで人 気のジェラート店が、今までと同じ量を入れても余裕がある大きさのカップに 変更した結果、以前よりも顧客が商品に価値を感じなくなるという現象を説明 することができる。
エプロスペクト理論は、交通費や昼食費は数百円の支出でも痛みを感じて節約 しようとするにもかかわらず、コンサートや洋服といった自分の好きなことや モノに対しては数百円の支出の増加は気にならないという現象を説明すること ができる。
解説
正解がアである理由は、アンカリング効果が「先に提示された情報や環境が基準点(アンカー)となり、その後の価格評価をゆがめる」現象を指すためです。同じ1,000円のコーヒーでも、高級ブランド店が並ぶエリアでは高価格帯がアンカーとなり割安に感じ、カジュアルな低価格エリアでは低価格帯がアンカーとなり割高に感じるという記述は、この効果を正確に説明しています。 イは誤りです。回数券の期限が近づき利用頻度を上げて使い切ろうとする心理は、支払済みの費用を惜しんで非合理的な行動を続けるサンクコスト効果というより、期限切れによる「損失」を回避しようとするプロスペクト理論の損失回避に近い現象です。ウも誤りで、カップの大きさを変えて価値の感じ方が変わるのは、他者の選択に同調するバンドワゴン効果ではなく、参照点の変化による知覚の相対性の問題です。エも誤りで、支出の種類によって心理的な負担感が異なるのはメンタルアカウンティング(心的会計)の概念であり、プロスペクト理論そのものとは区別されます。 判断のコツとして、各効果のキーワード(アンカリング=基
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