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財務・会計

ROEのデュポン分解を図解でわかりやすく(3要素への分解)

ROEを収益性・効率性・財務レバレッジの3要素に分解し、高低の要因を診断する。

ROEを売上高当期純利益率・総資本回転率・財務レバレッジの3要素に分解したデュポン分解の図解
ROEのデュポン分解の図解

デュポン分解(デュポン・システム)は、ROE(自己資本利益率)を3つの要素の掛け算に分解して、その企業のROEが「何によって」高い(低い)のかを診断する手法です。ROEという一つの数字を分解することで、改善すべきポイントが具体的に見えてきます。

3要素への分解

ROE(当期純利益÷自己資本)は、「売上高当期純利益率(当期純利益÷売上高)×総資本回転率(売上高÷総資本)×財務レバレッジ(総資本÷自己資本)」に分解できます。式の上では売上高と総資本が約分され、元のROEに戻ることを確認しておくと理解が定着します。

①売上高当期純利益率=収益性

売上に対してどれだけ利益を残せているかという「利幅」を表します。この値が低い場合は、原価率が高い、販管費が重い、価格競争に巻き込まれているといった要因が考えられ、差別化による単価向上やコスト構造の見直しが対策になります。

②総資本回転率=効率性

保有する資産をどれだけ効率よく売上に結びつけているかという「回転」を表します。この値が低い場合は、過大な在庫、回収の遅い売上債権、遊休設備などが疑われます。売上債権回転率・棚卸資産回転率などに分解して、どの資産が効率を下げているかを特定します。

③財務レバレッジ=負債の活用度

総資本÷自己資本で表され、自己資本比率の逆数にあたります。負債を活用するほどこの値は大きくなり、ROEを押し上げます。ただし、これはROA(総資本利益率)が負債の利子率を上回っている場合に限られ(正のレバレッジ効果)、下回ると逆にROEを大きく引き下げます。また負債の増加は倒産リスクを高めるため、収益性と安全性はトレードオフの関係にあります。

◎ 試験対策のポイント

  • ▶ROE=売上高当期純利益率×総資本回転率×財務レバレッジ。3要素を正確に言えるようにする。
  • ▶財務レバレッジ=総資本÷自己資本=1÷自己資本比率。
  • ▶ROEが高くても、財務レバレッジ頼み(負債過多)の場合は安全性に注意が必要。
  • ▶ROAが負債利子率を上回るときのみ、負債活用はROEにプラスに働く(正のレバレッジ効果)。

よくある質問

Q. ROEを高めるにはどうすればよいですか?

A. 3要素のどれかを改善します。①利幅を上げる(差別化・コスト削減)、②資産効率を上げる(在庫圧縮・債権回収の早期化・遊休資産の処分)、③負債を活用する、のいずれかです。ただし③は安全性の低下を伴うため、①②による改善が本質的です。

Q. ROEとROAはどう使い分けますか?

A. ROEは株主視点で、自己資本に対する最終利益の効率を見ます。ROAは総資本(負債+自己資本)に対する効率を見るため、資本構成の影響を受けにくく、事業そのものの収益力の比較に適します。両者を併用すると、ROEの高さが事業力によるものか負債活用によるものかを見分けられます。

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用語の詳しい解説は用語集で確認できます。

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