損益分岐点図表(CVP分析)を図解でわかりやすく
売上高線と総原価線が交わる点が損益分岐点。売上・費用・利益の関係をグラフで捉える。

損益分岐点図表は、横軸に売上高、縦軸に売上高・費用をとり、売上高線と総原価線(=変動費+固定費)を描いたグラフです。2本の線が交わる点が損益分岐点(BEP)で、ここで利益がちょうどゼロになります。CVP分析(原価・数量・利益分析)の全体像を一目で捉えられる、財務・会計の基本図表です。
グラフの構成要素
売上高線は原点から右上がりに伸びる45度線(Y=S)です。総原価線は、固定費(FC)を切片として、変動費率αの傾きで右上がりに伸びます(Y=αS+FC)。売上がゼロでも固定費は発生するため、総原価線は縦軸の固定費の高さから始まります。この「切片=固定費」「傾き=変動費率」という対応が、図表を読むうえでの鍵になります。
損益分岐点(BEP)の位置
売上高線と総原価線の交点が損益分岐点です。この点より右側(売上が多い領域)では売上高線が総原価線を上回り、その差が利益になります。左側では総原価線が上回り、その差が損失です。図の緑の領域が利益、赤の領域が損失にあたります。損益分岐点売上高は「固定費÷限界利益率」で計算できます。
固定費・変動費が変わるとどう動くか
固定費が増えると総原価線が上に平行移動し、交点である損益分岐点は右へ(=より多くの売上が必要に)移動します。変動費率が上がると総原価線の傾きが急になり、こちらも損益分岐点は右へ移動します。逆に、固定費の削減や変動費率の引き下げ(=限界利益率の向上)は、損益分岐点を左へ動かし、黒字化しやすい体質にします。
安全余裕率と損益分岐点比率
実際の売上高が損益分岐点からどれだけ離れているかを示すのが安全余裕率(=(実際売上−損益分岐点売上)÷実際売上)で、値が大きいほど売上減少に耐えられます。逆に、実際売上に占める損益分岐点売上の割合が損益分岐点比率で、「安全余裕率=100%−損益分岐点比率」の関係があります。図で言えば、交点と現在の売上位置の距離が経営の余裕を表します。
◎ 試験対策のポイント
- ▶総原価線の「切片=固定費」「傾き=変動費率」という対応を押さえる。
- ▶損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率(=1−変動費率)。計算問題で頻出。
- ▶目標利益達成売上高=(固定費+目標利益)÷限界利益率。
- ▶固定費増加・変動費率上昇はいずれも損益分岐点を右(悪化)へ動かす。
よくある質問
Q. 損益分岐点売上高はどう計算しますか?
A. 「固定費÷限界利益率」で計算します。限界利益率は「1−変動費率」です。たとえば固定費300万円、限界利益率40%なら、300÷0.4=750万円が損益分岐点売上高になります。
Q. 損益分岐点を下げるにはどうすればよいですか?
A. ①固定費を削減する、②変動費率を下げる(=限界利益率を上げる)、③販売単価を引き上げる、のいずれかです。グラフ上では、総原価線を下げるか傾きを緩やかにすることで、交点が左に移動します。
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