リーダーシップ論の変遷を図解でわかりやすく(4つのアプローチ)
「どんな人か」から「どう振る舞うか」、そして「状況しだい」へと問いが変わってきた。

リーダーシップ研究は、「優れたリーダーはどんな人か」という問いから始まり、「どう振る舞うか」「状況によって有効な型は変わるのではないか」へと発展してきました。この変遷を4つのアプローチとして押さえると、個々の理論がどの流れに位置するのかを整理して理解できます。
①資質特性論(特性理論)
優れたリーダーが生まれつき持つ資質・パーソナリティを解明しようとしたアプローチです。身体的特徴、知性、自信、決断力などが研究されましたが、状況や時代を超えて共通する資質を特定することはできず、統一的な結論には至りませんでした。「リーダーは生まれつきのもの」という前提が揺らいだ点に意義があります。
②行動類型論
資質ではなく、リーダーの「行動」に注目したアプローチです。レビンの3類型(専制型・民主型・放任型)、オハイオ研究の2次元(構造づくりと配慮)、三隅二不二のPM理論(P=目標達成機能、M=集団維持機能)、ブレイクとムートンのマネジリアル・グリッドなどが代表です。行動は学習・訓練で身につけられるため、リーダー育成に道を開いた実践的な意義があります。
③状況適合論(コンティンジェンシー理論)
どんな状況でも有効な唯一最善のリーダーシップはなく、状況に応じて有効な型は変わるとするアプローチです。フィードラーの条件即応モデル(リーダーと部下の関係・タスクの構造・権限の強さで状況を分類)、ハウスのパス・ゴール理論(目標への道筋を示す)、ハーシー&ブランチャードのSL理論(部下の成熟度に応じて指示的から委任的へ変える)などがあります。
④新資質特性論(変革型リーダーシップ)
環境変化が激しくなるなかで、組織を大きく変革へ導くリーダーの個人的資質にあらためて光が当たったアプローチです。ビジョンで人を惹きつけるカリスマ的リーダーシップ、価値観や意識そのものを変えて組織変革を導く変革型リーダーシップ、部下への奉仕を通じて導くサーバント・リーダーシップなどが含まれます。日常業務を効率よく回す交換型(取引型)リーダーシップと対比されます。
◎ 試験対策のポイント
- ▶4つの流れ(資質特性論→行動類型論→状況適合論→新資質特性論)と、各理論がどこに属するかを整理する。
- ▶PM理論:P(目標達成)とM(集団維持)の2軸。PM型が最も望ましい。
- ▶SL理論:部下の成熟度が高まるにつれ、指示的→説得的→参加的→委任的へ移行。
- ▶変革型リーダーシップと交換型(取引型)リーダーシップの対比も頻出。
よくある質問
Q. PM理論とはどんな理論ですか?
A. 三隅二不二が提唱した理論で、リーダーの行動をP機能(Performance=目標達成機能)とM機能(Maintenance=集団維持機能)の2軸で捉えます。両方が高いPM型が最も望ましいとされ、両方が低いpm型は最も成果が低いとされます。
Q. SL理論のポイントは何ですか?
A. 部下の成熟度(能力と意欲)に応じて、有効なリーダーシップのスタイルが変わるという理論です。成熟度が低いうちは指示的なスタイルが有効で、成熟度が高まるにつれて、説得的・参加的を経て、最終的には委任的なスタイルが有効になります。
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