モチベーション理論の体系を図解でわかりやすく(内容理論と過程理論)
「何が動機か」の内容理論と「どう動機づくか」の過程理論に大別される。

モチベーション理論は数が多く混乱しやすいテーマですが、「何が人を動機づけるのか(WHAT)」を扱う内容理論と、「どのようなプロセスで動機づけが起こるのか(HOW)」を扱う過程理論に大別すると、体系的に整理できます。近年はこれに加えて、仕事そのものの面白さから生じる内発的動機づけが重視されています。
内容理論(WHAT:何が動機か)
人を動機づける要因の中身に注目する理論群です。マズローの欲求段階説(生理的・安全・社会的・尊厳・自己実現の5段階)、アルダファーのERG理論(生存・関係・成長の3つに整理し、段階の逆戻りも認める)、マグレガーのX理論・Y理論(人間観の違い)、ハーズバーグの二要因理論(動機づけ要因と衛生要因は別物)などが代表です。
過程理論(HOW:どう動機づくか)
動機づけが生まれるプロセスに注目する理論群です。ブルームの期待理論(「努力すれば成果が出る」「成果が報酬につながる」「その報酬に魅力がある」の掛け算で動機づけが決まる)、アダムスの公平説(自分の投入と報酬の比率を他者と比較し、不公平を感じると是正行動をとる)、目標設定理論(具体的で挑戦的な目標が動機づけを高める)、強化説などがあります。
内発的動機づけ
報酬や罰といった外部からの働きかけ(外発的動機づけ)ではなく、仕事そのものの面白さや有能感・自己決定感から生じる動機づけです。ハックマンとオルダムの職務特性モデルは、技能の多様性・タスクの一貫性・タスクの重要性・自律性・フィードバックという5つの職務特性が、内発的動機づけを高めると説明します。
二要因理論の重要ポイント
ハーズバーグの二要因理論は特に頻出です。給与・作業条件・対人関係・会社の方針といった「衛生要因」は、不足すると不満をもたらしますが、満たしても満足にはつながりません。一方、達成・承認・仕事そのもの・責任・成長といった「動機づけ要因」が満足を生みます。つまり、不満の解消と満足の創出は別の対策が必要である、という点が実務上も試験上も重要です。
◎ 試験対策のポイント
- ▶内容理論(WHAT)と過程理論(HOW)の区別が最重要。どの理論がどちらに属するかを整理する。
- ▶ハーズバーグ二要因理論:衛生要因=不満の防止、動機づけ要因=満足の創出。両者は別物。
- ▶マズローは5段階で下位から順に上がる/ERG理論は3つで逆戻りも認める、という違い。
- ▶期待理論は「期待×手段性×誘意性」の掛け算。1つでもゼロなら動機づけはゼロになる。
よくある質問
Q. 内容理論と過程理論はどう見分けますか?
A. 「何が人をやる気にさせるのか」という動機の中身を論じていれば内容理論(マズロー・ハーズバーグ・X理論Y理論・ERG)、「どういう仕組み・プロセスでやる気が生まれるのか」を論じていれば過程理論(期待理論・公平説・目標設定理論)です。
Q. 給与を上げれば社員のモチベーションは上がりますか?
A. ハーズバーグの二要因理論によれば、給与は衛生要因にあたるため、低すぎる状態を改善すれば不満は減りますが、それだけでは積極的な満足(動機づけ)にはつながりにくいとされます。満足を生むには、達成感・承認・責任・成長機会といった動機づけ要因への働きかけが必要です。
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