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事例I組織・人事管理

令和3年度 事例I 過去問解説

企業: A社(印刷・広告制作) 業種: 印刷業・広告制作業

企業・事例の概要

首都圏の印刷・広告制作会社。2代目がファブレス化(印刷機を持たない経営)を断行し、ディレクション業務特化へ転換。3代目が広告制作部門を新設してウェブ制作・コンテンツ制作に進出したが、新規受注獲得に苦戦している。

Q1
配点 20点

2代目経営者は、なぜ印刷工場を持たないファブレス化を行ったと考えられるか、100字以内で述べよ。

設問の意図

外部環境の変化(技術革新・競争激化)に対する戦略的意思決定の理由を問う経営戦略系の問題。

与件文のポイント

第3段落

「オフセット印刷機の普及で工程が省略され、大量・安価印刷が可能になった」

→ 技術革新による競争激化の背景

第4段落

「情報通信技術の進化でデジタル化が加速し、新規参入が容易になり単価が下落」

→ 市場構造の変化

第5段落

「外部のサプライチェーンネットワークを構築し、顧客の細かいニーズに対応」

→ ファブレス化の目的

解法のポイント

  • ·外部環境の変化(技術革新→競争激化)という問題背景を押さえる
  • ·ファブレス化の目的:高付加価値分野への集中、外部協力企業の活用
  • ·因果関係を明示:「〜ため、〜することで、〜を目指した」

模範解答例

理由は①技術革新による経営環境の変化に適応し、②専門性の高い協力企業の設備や技術を活用しながら、③高品質で高精度が求められる分野に経営資源を集中的に投入することで、顧客の多様なニーズに応え、競争優位を維持するため。

107字

Q2
配点 20点

2代目経営者は、なぜA社での経験のなかった3代目にデザイン部門の統括を任せたと考えられるか、100字以内で述べよ。

設問の意図

人事配置の意図を問う組織管理系の問題。後継者育成と新規事業推進の2軸で回答を構成する。

与件文のポイント

第8段落

「広告代理店勤務の3代目が加わり、人脈を生かしてウェブデザイナー2名を採用」

→ 3代目の強みと活用可能性

第9段落

「外部フォトグラファー・イラストレーター等との協力関係が事業の核」

→ 3代目の人脈が活きる理由

解法のポイント

  • ·3代目が持つ「広告代理店での経験と人脈」が紙媒体以外の事業拡大に不可欠
  • ·後継者育成という観点も盛り込む

模範解答例

理由は①3代目が前職で培った経験や人脈を活かし、印刷事業に限定されない視点を取り入れることで紙媒体以外の分野に事業を拡大し、②部門の統括を経験させることで次世代経営者としての能力を養成し、事業承継を円滑に進めるため。

108字

Q3
配点 20点

A社は、現経営者である3代目が、印刷業から広告制作業へと事業ドメインを拡大させていった。これは、同社にどのような利点と欠点をもたらしたと考えられるか、100字以内で述べよ。

設問の意図

事業ドメイン拡大の利点と欠点を、内外の視点からバランス良く分析する問題。

与件文のポイント

第8段落

「紙媒体に依存しない分野に事業を広げ、既存顧客に向けた広告制作へと業務を拡大」

→ 利点の根拠

第8段落

「新たな事業の案件を獲得することは難しく、競合が多く厳しい競争環境」

→ 欠点の根拠

解法のポイント

  • ·利点:既存顧客の多様なニーズに対応できるようになった(シナジー効果)
  • ·欠点:競合の多い新市場に参入、経営資源が分散して営業が困難

模範解答例

利点は、事業領域を拡大することで既存顧客の多様なニーズに応えられるようになった点。欠点としては、①競合の多い厳しい競争環境に業務を拡げたこと、②経営資源が分散した結果、新規市場の開拓に向けた営業活動が困難になった点。

108字

Q4
配点 20点

2代目が構築してきた外部企業との関係を、3代目はいかに発展させていくことが求められるか、中小企業診断士として100字以内で助言せよ。

設問の意図

外部連携・パートナーシップの発展施策を問う組織管理系の問題。

与件文のポイント

第5段落

「外部にサプライチェーンのネットワークを構築し、細かいニーズに対応」

→ 現状の強みと発展の基盤

第9段落

「プロジェクトごとに外部との協力関係でチームが形成される」

→ 強みを継続・発展させる方向

解法のポイント

  • ·プロジェクト単位の協力 → 長期的な提携へ
  • ·協力企業の強みを把握してサプライチェーンを最適化
  • ·共同で新たな価値を創出し、顧客開拓に活かす

模範解答例

プロジェクト単位の連携体制を、持続的な提携に発展させる。協力企業の強みを十分に把握し、それらを組み合わせてサプライチェーンを最適に管理することで、新たな価値を創出し、顧客に訴求することで新しい需要の喚起を目指す。

106字

Q5
配点 20点

3代目が、印刷業を含めた全社の経営を引き継ぎ、これから事業を存続させていく上での長期的な課題とその解決策について100字以内で述べよ。

設問の意図

次世代経営者が全社的に取り組む長期課題を問う問題。

与件文のポイント

第8段落

「新規事業の案件獲得が難しく、営業に資源を投入することも難しい」

→ 長期課題の根拠

解法のポイント

  • ·課題:①営業力不足で新規需要が創出できていない、②印刷とデザインのシナジーが未発揮
  • ·解決策:①選択と集中でシナジー効果が見込める分野に経営資源を集約、②外部企業を活用した営業展開

模範解答例

課題は①営業力を高めて新規需要を生み出すこと、②シナジーを活用した競争優位性の確立。対応策としては、①印刷業とデザイン業のシナジーを発揮できる分野に経営資源を集約し、②営業活動に外部企業を活用して新市場を切り開くこと。

109字

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