ロゴ
事例IV財務・会計

令和6年度 事例IV 過去問解説

企業: D社(食品3事業部) 業種: 食品業(飲食・惣菜・加工事業部制)

企業・事例の概要

飲食・惣菜・加工の3事業部を持つ食品関連企業。一貫生産体制による高い有形固定資産回転率が強みだが、自己資本比率・売上高総利益率が同業他社を下回る。複数制約条件下のセールスミックス・設備更新NPV・事業部制の業績評価(全部原価問題・管理可能性の原則)を問う財務管理問題。

Q1
配点 25

(設問1)D社と同業他社を比較し、優れている指標1つ・劣っている指標2つを選定して計算せよ。(設問2)D社の財政状態と経営成績の特徴を80字以内で述べよ。

設問の意図

財務分析の指標選定と総合評価を問う問題。効率性・安全性・収益性の3カテゴリから適切に選ぶ。

与件文のポイント

財務諸表

D社の有形固定資産回転率:5,360÷476=11.26回 vs 同業他社:6.74回

優れた指標:効率性(一貫生産体制の成果)

財務諸表

D社の自己資本比率:432÷3,054×100=14.15% vs 同業他社:35.67%

劣る指標①:安全性(借入金依存が高い)

財務諸表

D社の売上高総利益率:3,163÷5,360×100=59.01% vs 同業他社:70.04%

劣る指標②:収益性(コロナ禍影響で客単価未回復)

解法のポイント

  • ·優れた指標:有形固定資産回転率(一貫体制で設備効率が高い)
  • ·劣る指標①:自己資本比率(一貫体制構築で借入金増加、財務リスクが高い)
  • ·劣る指標②:売上高総利益率(コロナ影響で売上・客単価が回復していない)
  • ·設問2:効率性は高いが安全性・収益性に課題という構造を簡潔に述べる

模範解答例

設問1:優れた指標=有形固定資産回転率(D社11.26回 vs 同業6.74回)。劣る指標=①自己資本比率(D社14.15% vs 同業35.67%)②売上高総利益率(D社59.01% vs 同業70.04%)。設問2:一貫生産体制で固定資産の効率性は高いが、借入金依存度が高く安全性が低い。主力事業の売上がコロナ禍前の水準に戻らず粗利率も低い。

173

Q2
配点 20

(設問1)X社向け・Y社向けのセールスミックスと営業利益を求めよ(直接作業時間最大10,000h、機械運転時間最大13,600h)。(設問2)Y社向けを最低2,400袋生産する場合のY社向け最低販売価格を求めよ。

設問の意図

複数制約条件下の最適セールスミックスと価格決定を問う線形計画法の問題。

与件文のポイント

前提条件

X社向け:販売価格3,000円、変動費1,780円、直接作業1h・機械2h。Y社向け:販売価格4,800円、変動費3,380円(基本1,780+追加1,600)、直接作業2.5h・機械2.5h

各製品のコスト・時間データ

解法のポイント

  • ·限界利益:X社1,220円/袋(機械時間当たり610円/h)、Y社1,420円/袋(機械時間当たり568円/h)
  • ·機械時間でX社が有利 → X社優先。X社6,500袋(引き合い上限)生産後の余裕で Y社240袋
  • ·設問2:Y社2,400袋生産時のX社は3,800袋。X社減少分の限界利益損失をY社増加分で補填する価格を逆算

模範解答例

設問1:⒜X社向け6,500袋、⒝Y社向け240袋、⒞営業利益2,670,800円(=1,220×6,500+1,420×240−5,600,000)。設問2:機械時間ボトルネック下でY社2,400袋生産時X社は3,800袋。X社減少(2,700袋)の限界利益損失3,294,000円をY社増加(2,160袋)で補填する必要限界利益は1,525円→販売価格=1,780+1,600+1,525=4,905円。

204

Q3
配点 30

新機械(540万円、耐用9年)への設備更新について、(設問1)初年度・2年度のCF増加額を求めよ。(設問2)NPVを計算せよ。(設問3)60%の確率で予測通り・40%で予測の70%という期待NPVを求め投資可否を述べよ。

設問の意図

設備更新(旧機械売却含む)のNPV計算と期待値アプローチによる不確実下の意思決定問題。

与件文のポイント

前提条件

旧機械:残存180万円→70万円売却(売却損110万円)。新機械:540万円、耐用9年。営業利益増加:初年度30万円、2年度以降70万円。運転資本:初年度25万増、2年度以降40万増。税率30%、割引率9%

CF計算の基礎データ

解法のポイント

  • ·初年度CF:税引後営業利益増21万+減価償却費増40万−運転資本増25万=36万円
  • ·2年度CF:税引後営業利益増49万+減価償却費増40万−運転資本追加15万=74万円
  • ·設問2:初期投資は売却税効果考慮で−437万円(または−470万円)、NPV≈51万円
  • ·設問3:期待NPV≈19〜21万円(正のため投資実行すべき)

模範解答例

設問1:⒜初年度CF増加額36万円(税引後利益増21万+減価償却費増40万−運転資本増25万)、⒝2年度CF増加額74万円(税引後利益増49万+減価償却費増40万−運転資本追加15万)。設問2:NPV≈51万円(正)。設問3:期待NPV≈19万円(正)のため、投資を実行すべきである。

142

Q4
配点 25

(設問1)全部原価に利潤を上乗せした価格設定の問題点を80字以内で述べよ。(設問2)社長が設備投資の決定権を持つ場合、事業部長の業績評価上の留意点を60字以内で述べよ。

設問の意図

事業部制会計の問題(全部原価問題・管理可能性の原則)を問う管理会計系問題。

与件文のポイント

与件文

加工事業部が飲食・惣菜事業部に全部原価に利潤を上乗せした価格で製品を供給している

問題の前提条件

与件文

設備投資は社長が決定している

設問2の前提:事業部長が投資決定に関与していない

解法のポイント

  • ·設問1:全部原価基準は生産量増加で単位原価が下がる→過剰生産インセンティブ。また本社費配賦に恣意性が入り正確な業績評価ができない
  • ·設問2:管理可能性の原則 → 事業部長が管理できない設備投資(ROI の分母)を含む指標で評価するのは不公平。管理可能な項目のみで評価すべき

模範解答例

設問1:全部原価に利潤を上乗せした価格設定は、本社費の配賦に恣意性が介入し正確な業績評価が困難になるうえ、生産量を増やすほど有利になり過剰生産のインセンティブが生じる問題点がある。設問2:設備投資の決定権が社長にある以上、事業部長が管理できない設備投資を含むROI等の指標のみで事業部長を評価しないよう留意すべきである。

160

事例IVの解き方を体系的に学ぶ

過去問演習の前に、攻略テキストで解法の型をマスターしましょう。

事例IV テキストを読む →

解説を読んだら、AI添削で実際に書いてみよう

何度でも繰り返せるAI添削で、事例IVの記述力を確実に上げる。

AI添削で練習する
独学で診断士合格を目指すなら

独学でも合格をつかみ取れる!

動画・テキスト・過去問・AI添削まですべて網羅!

予備校代の1/10以下で、独学の不安をまるごと解決できます

なる子ちゃん
無料登録後、アカウントページからかんたんにプレミアムへ切り替えられるよ。解説動画・テキストPDF・1次過去問・2次AI添削まで全機能が使い放題になるの!
  • 全7科目の解説動画が見放題!連続再生・科目別・ブックマーク再生でスキマ時間に効率よく学べます。プレミアム限定
  • 1次試験の年度別・肢別演習無制限!何度も解きなおせます。マイページで苦手管理もばっちり。プレミアム限定
  • 2次試験の記述答案をAIが添削・採点!事例I〜IVすべて対応。自分だけの強み・弱みを把握できる。プレミアム限定
  • 科目別テキストPDFダウンロード可能!ダウンロード後は半永久的に利用可能で、印刷して好きな使い方で学べます。プレミアム限定
  • テキストのブックマーク管理で苦手分野・何度も確認したい部分を徹底管理可能!プレミアム限定
  • 学習記録・成績管理で自分の進捗を可視化。どの科目に集中すべきか一目でわかる。プレミアム限定

プレミアムプラン

¥14,800/ 購入日から1年間有効(税込)

買い切り自動更新なし

決済はStripe(世界最高水準・PCI-DSS準拠)で安全に処理されます。カード情報は当サービスに保存されません。