令和6年度 事例II 過去問解説
企業: B社(陶磁器卸売) 業種: 卸売業(陶磁器・産地問屋)
企業・事例の概要
X市の産地問屋(X焼の卸売業)。ファッション業界経験の3代目が帰郷後、デザイナーズホテル向けオリジナル食器で注目を集め、動画SNSが話題に。古い店舗をリニューアルしカフェ併設・ECサイト開設。ふるさと納税返礼品活用・食器レンタル新規事業・EC×店舗連携強化を中小企業診断士に相談中。
B社の現状についてSWOT分析をせよ。各要素①〜④の解答欄にそれぞれ50字以内で説明すること。
設問の意図
B社の強み・弱み・機会・脅威を整理するSWOT分析問題。内部環境と外部環境を分けて正確に分類する。
与件文のポイント
第9段落
「3代目はホテルの料理長との綿密な打ち合わせを重ね、盛り付け映えや写真映えを考え抜き、季節感に合わせた色や形の食器を提案し続けた」
→ 強み:3代目の企画力・センス
第7段落
「X焼に関する社会全般への情報発信が滞り、販路が細っている」
→ 弱み:情報発信力の不足
第4段落
「クリエイター志望の移住者が窯元を開くケースが見られる」
→ 機会:新たな作風と供給力の拡充
第6段落
「安価な外国製陶磁器の輸入が増加。高齢化と人口減少で新規需要も買い替え需要も拡大が見込めない」
→ 脅威:競争激化と市場縮小
解法のポイント
- ·強みは「内部の優位性」→ 3代目の企画力・センス・地元関係者との関係
- ·弱みは「内部の課題」→ 情報発信力・販路の細さ・ECの遅れ
- ·機会は「外部の好機」→ クリエイター移住者増加・若者の家庭関心高まり
- ·脅威は「外部のリスク」→ 輸入品増加・人口減少・買い替え需要低迷
模範解答例
①強み:3代目の鋭いセンスと独自の食器企画力、地元窯元・関係者との強固な関係性。②弱み:情報発信が不十分で販路が縮小しており、オンライン活用が遅れている。③機会:クリエイター志望の移住者増加と、家庭生活に関心を向ける若者層の拡大。④脅威:安価な輸入陶磁器の増加と、高齢化・人口減少による新規需要の低迷。
151字
X市のふるさと納税返礼品として、感覚価値と観念価値を意識したB社の返礼品企画を100字以内で提案せよ。
設問の意図
ブランド価値(感覚価値=視覚的・感覚的な魅力、観念価値=文化的・物語的な価値)を組み込んだ返礼品企画。
与件文のポイント
第9段落
「盛り付け映えや写真映えを考え抜き、季節感や料理内容に合わせた食器を提案」
→ 感覚価値の根拠:視覚的美しさ・撮影映え
第10段落
「X市の郷土料理と直火対応のB社オリジナル陶磁器をセットにした動画が話題に」
→ 観念価値の根拠:郷土料理・地域文化との結びつき
解法のポイント
- ·感覚価値:視覚的に美しいX焼食器の盛り付け映え・写真映えを訴求
- ·観念価値:X市の歴史ある郷土料理文化・作り手の物語を結びつける
- ·両価値を組み合わせた返礼品として具体的に提案する
模範解答例
X焼食器と郷土料理レシピをセットにした返礼品を企画する。食器の盛り付け映えで感覚的魅力を訴求し、郷土料理の文化や作り手のストーリーを動画で紹介することでX市とX焼のブランド価値を高め、ファンを増やす。
100字
「家にたくさんの食器があって捨てられない」という食器愛好家のニーズを充足しつつ、B社と窯元の事業機会を拡大する新規事業を100字以内で提案せよ。
設問の意図
消費者の収納問題を解決しながら継続的な顧客関係を構築する新規事業モデルを問う問題。
与件文のポイント
第7段落
「「あれもこれも欲しいが、家にはもうたくさんの食器がある。収納スペースがないし、今あるものも捨てられない」と購入をためらう」
→ 解決すべき消費者課題
第9段落
「3代目の独自センスを活かし、季節や料理に合わせた食器を提案し続けた」
→ 提案力を活かした継続サービスの根拠
解法のポイント
- ·収納問題を解決するために「レンタル・シェア・サブスク」モデルが有効
- ·B社の提案力・窯元との関係を活かした差別化
- ·単発購入から継続利用に変える仕組みで安定収益も期待
模範解答例
B社の提案力と地元窯元の食器を活用した食器レンタルサービスを新規事業として展開する。季節や料理に合わせたコーディネートを提案しながら定期的に交換することで収納問題を解消し、窯元の新作を顧客に継続体験させて需要を創出する。
110字
ECサイトと地元店舗の両方を利用する顧客を増やすために、B社にどのような施策が必要か、150字以内で具体的に提案せよ。
設問の意図
オンライン×オフラインを融合させたOMO(Online Merges with Offline)的施策を問う問題。
与件文のポイント
第11段落
「古びた自社店舗を建て直し、明るく開放感のあるスタイリッシュな空間に切り替えたほか、自社の扱うX焼で軽食を提供するカフェスペースも併設した」
→ 店舗来店のきっかけになる強みがある
第10段落
「家庭料理でも見違えるほどおいしそうに見える食器への盛り付け方を紹介する動画が再生回数を伸ばした」
→ デジタルコンテンツが顧客を引き込む実績
解法のポイント
- ·ECサイト顧客を店舗へ誘引:盛り付け体験・カフェでの実体験イベントで来店促進
- ·店舗顧客をECへ:ニーズ収集 → SNS拡散 → EC誘導のサイクルを作る
- ·双方向の導線を設計することで「両方利用する顧客」を増やす
模範解答例
ECサイト顧客を対象に、カフェスペースで食器への盛り付け体験や郷土料理教室を開催して来店を促す。体験イベントをSNSで共有してもらい新規EC顧客を獲得する。また来店顧客にはECの利便性(定期配送・限定商品)を紹介し、双方向の来店・購入サイクルを構築する。
127字
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