相殺
そうさい
ひとことで言うと
双方が同種の債権を対当額で消滅させる一方的意思表示による債権消滅方法。
解説
当事者双方が互いに同種の債権を有する場合に、対当額で両債権を消滅させる一方的意思表示である。相殺適状(双方の債権が弁済期にあること等)にある場合に行使できる。不法行為による損害賠償債権を受働債権とする相殺は禁止されている。
くわしく解説
相殺とは、当事者双方が互いに同種の債権(通常は金銭債権)を有する場合に、その対当額で双方の債権を消滅させる一方的意思表示である。相殺を行う側の債権を「自働債権」、相手方の債権を「受働債権」という。相殺が有効に行使されるためには、相殺適状(①双方の債権が対立していること、②同種の目的を持つ債権であること、③双方の債権が弁済期にあること、④双方の債権が差押禁止でないこと)を満たす必要がある。相殺の効力は相殺適状になった時点に遡及する。禁止事項として、①不法行為による損害賠償債権を受働債権とする相殺、②差押を受けた債権の差押後に取得した債権を自働債権とする相殺は禁止されている。
具体例で考えよう
AがBに対して売掛金100万円の債権を持ち、BもAに対して貸金100万円の債権を持つ場合、Aが相殺の意思表示をすれば双方の債務が消滅し、実際の資金移動なく清算できる。
試験対策ポイント
自働債権・受働債権の区別と相殺適状の要件が頻出。不法行為債権を受働債権とする相殺の禁止は最重要ひっかけ。相殺の効力が相殺適状時に遡及する点も必ず確認すること。