無差別曲線と限界代替率逓減を図解でわかりやすく
同じ満足度を与える組み合わせを結んだ曲線。原点に対して凸になるのが特徴。

無差別曲線は、消費者にとって同じ効用(満足度)をもたらす2財の組み合わせを結んだ曲線です。消費者行動を分析する基本ツールで、予算制約線と組み合わせることで、消費者が効用を最大化する消費量の組み合わせを導けます。
無差別曲線の4つの性質
①右下がりである(一方を減らせば同じ効用を保つために他方を増やす必要がある)、②原点に対して凸である(限界代替率が逓減するため)、③交わらない(交わると同一の組み合わせが異なる効用を持つ矛盾が生じる)、④右上にあるほど効用水準が高い(両方の財が多いほど満足度が高い)。この4つは頻出です。
限界代替率(MRS)とは
限界代替率は、効用を一定に保ったまま、X財を1単位増やすときに手放してもよいY財の量を表します。グラフ上では、無差別曲線上のその点における接線の傾き(の絶対値)にあたります。図では、点A(1, 8)でMRS=8、点B(4, 2)でMRS=0.5となっており、右に行くほど傾きが緩やかになっています。
限界代替率逓減の法則
X財の消費量が増えるにつれて、X財を1単位追加で得るために手放してもよいY財の量は減っていきます。これを限界代替率逓減の法則といい、無差別曲線が原点に対して凸になる理由です。直感的には、たくさん持っている財ほどその追加1単位の価値が小さく感じられる(限界効用逓減)ことに対応しています。
効用最大化との関係
無差別曲線に予算制約線を重ねると、消費者の最適消費点が求められます。最適点は、予算制約線と無差別曲線が接する点であり、そこでは「限界代替率=2財の価格比」が成立します。この条件は計算問題でも頻出です。なお、完全代替財なら無差別曲線は直線に、完全補完財ならL字型になります。
◎ 試験対策のポイント
- ▶無差別曲線の4性質(右下がり・原点に凸・交わらない・右上ほど高効用)。
- ▶限界代替率=無差別曲線の接線の傾き。右に行くほど逓減する。
- ▶効用最大化の条件は「限界代替率=価格比」(無差別曲線と予算制約線の接点)。
- ▶完全代替財は直線、完全補完財はL字型という特殊ケースも問われる。
よくある質問
Q. なぜ無差別曲線は原点に対して凸になるのですか?
A. 限界代替率が逓減するためです。X財をたくさん持つほど、X財の追加1単位のありがたみは小さくなり、その代わりに手放してもよいY財の量も少なくなります。その結果、右へ行くほど曲線の傾きが緩やかになり、原点に対して凸の形になります。
Q. 無差別曲線が交わらないのはなぜですか?
A. もし2本の無差別曲線が交われば、その交点の組み合わせが2つの異なる効用水準を同時に持つことになり、矛盾が生じるためです。1つの消費の組み合わせに対応する効用水準は1つに定まる、という前提から導かれます。
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