令和4年度(2022年度)経済学・経済政策
全25問の解説
第1問
下図は、1990年以降の日本について、ジニ係数を使い、所得再分配政策による 所得格差の改善状況の推移を示したものである。「当初所得ジニ係数」は当初所得 (所得再分配前の所得)のジニ係数、「再分配所得ジニ係数」は再分配所得(所得再分 配後の所得)のジニ係数、「改善度」は所得再分配によるジニ係数の改善度(%)である。 この図から分かる日本の所得格差に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も 適切なものを下記の解答群から選べ。 (%) 0.6 40.0 0.5 30.0 0.4 ジ 改 ニ 善 係 0.3 20.0 度 数 0.2 10.0 0.1 0 0.0 1990 1993 1996 1999 2002 2005 2008 2011 2014 2017(年) 当初所得ジニ係数 再分配所得ジニ係数 改善度 出所:厚生労働省『令和2年度版厚生労働白書』 a 1990年代に比べて、2000年代以降には、所得再分配前の所得格差が拡大して いる。 b 2010年代は、それ以前に比べて、所得再分配政策による所得格差の改善度が 大きい。 c 2010年代は、所得再分配政策によって、かえって所得格差が拡大している。
正解:ア
第2問
下図は、2015年度から2020年度における日本の実質GDP成長率と各需要項目 の前年度比寄与度(%)を示している。 図中のa〜cに該当する項目の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答 群から選べ。 (%) a 前 0 年 度 -1 比 b 寄 -2 与 度 -3 実質GDP成長率 住宅 -4 c 民間在庫変動 -5 純輸出 -6 2015 2016 2017 2018 2019 2020(年度) 出所:内閣府『令和3年度経済財政白書』
正解:ア
第3問
国民経済計算の考え方に関する記述として、最も適切なものはどれか。
正解:オ
第4問
絶対所得仮説によって所得と消費の関係を述べた記述として、最も適切なものは どれか。
正解:ア
第5問
生産物市場の(cid:13432)衡条件が、次のように表されるとする。 生産物市場の(cid:13432)衡条件 Y=C+I+G 消費関数 C=10+0.8Y 投資支出 I=30 政府支出 G=60 ただし、Yは所得、Cは消費支出、Iは投資支出、Gは政府支出である。 いま、貯蓄意欲が高まって、消費関数がC=10+0.75Yになったとする。こ のときの政府支出乗数の変化に関する記述として、最も適切なものはどれか。
正解:エ
第8問
景気循環に関する記述として、最も適切なものはどれか。
正解:エ
第9問
金利平価説による為替レートの決定に関する記述として、最も適切な組み合わせ を下記の解答群から選べ。 a 将来の為替レートが円高に進むと予想するとき、現在の為替レートも円高に変 化する。 b 将来の為替レートが円安に進むと予想するとき、現在の為替レートは円高に変 化する。 c 日本の利子率が低下すると、円の価値は低下し、為替レートは円安に変化す る。 d 日本の利子率が低下すると、円の価値は上昇し、為替レートは円高に変化す る。
正解:ア
第10問
自然失業率仮説に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から 選べ。 a 自然失業率は、現実のインフレ率と期待インフレ率が等しいときの失業率であ る。 b 現実の失業率が自然失業率よりも高いとき、現実のインフレ率は期待インフレ 率よりも高くなる。 c 自然失業率仮説によると、短期的には失業とインフレ率の間にトレード・オフ の関係は存在しない。 d 自然失業率仮説によると、長期的には失業とインフレ率の間にトレード・オフ の関係は存在しない。
正解:イ
第11問
下図には、需要曲線が描かれている。この図に関する記述の正誤の組み合わせと して、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 価格 P 需要曲線 数量 O Q B a 価格が下落すると、消費者の限界価値が低下する。 b 価格がP のときの消費者の支払意思額は三角形AEP で示される。 0 0 c 価格がP のときの実際の支払額は四角形OP EQ で示される。 0 0 0
正解:イ
第12問
下図には、供給曲線が描かれている。この図に関する記述の正誤の組み合わせと して、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 価格 供給曲線 P 1 P 0 数量 O Q Q 0 1 a 生産量が拡大するにつれて、限界費用は増加する。 b 価格がP のとき、生産者が必要最低限回収しなければならない費用の合計は 三角形OE Q で示される。 0 0 c 価格がP のときの生産者余剰は、台形P E E P で示される。 1 1 1 0 0
正解:イ
第13問
代替財、補完財と需要曲線のシフトについて考える。ここでは図は省略するが、 縦軸に価格、横軸に数量をとるものとする。2財の関係が代替財あるいは補完財で あるときの需要曲線のシフトに関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の 解答群から選べ。 a A財とB財が代替財の関係にあるとき、A財の価格の下落によって、B財の需 要曲線は右方にシフトする。 b C財とD財が補完財の関係にあるとき、C財の価格の下落によって、D財の需 要曲線は右方にシフトする。 c A財とB財が代替財の関係にあるとき、A財の価格の上昇によって、B財の需 要曲線は右方にシフトする。 d C財とD財が補完財の関係にあるとき、C財の価格の上昇によって、D財の需 要曲線は右方にシフトする。
正解:ウ
第14問
下図には、Q=-P+10で表される需要曲線が描かれている(Qは需要量、P は価格)。点Aおよび点Bにおける需要の価格弾力性(絶対値)に関する記述とし て、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 価格 需要量 2 5
正解:ウ
第17問
完全競争と不完全競争における市場の特徴に関する記述の正誤の組み合わせとし て、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 a 完全競争市場の売り手は多数であるのに対して、独占的競争市場では売り手が 少数である。 b 完全競争市場の売り手はプライス・テイカーであるのに対して、不完全競争市 場における売り手はプライス・メイカーである。 c 完全競争市場の売り手が同質財のみを生産するのと同様に、不完全競争市場に おける売り手も同質財のみを生産する。
正解:エ
第18問
生活の中での絶対優位、比較優位と機会費用について考える。 下表に示すように、Aさんは30分間で、おにぎりであれば10個、サンドイッチ であれば6個作ることができる。また、Bさんは30分間で、おにぎりであれば6 個、サンドイッチであれば2個作ることができる。 AさんとBさんが持つ絶対優位、比較優位と機会費用に関する記述として、最も 適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。 おにぎり サンドイッチ Aさん 10個/30分 6個/30分 Bさん 6個/30分 2個/30分 a Aさんにとって、おにぎりを1個作ることの機会費用は、サンドイッチ 個 である。 b Bさんにとって、おにぎりを1個作ることの機会費用は、サンドイッチ3個で ある。 c おにぎりとサンドイッチを作ることの両方に絶対優位を持っているのは、Bさ んである。 d サンドイッチを作ることに比較優位を持っているのは、Aさんである。
正解:イ
第19問
下図によって、資本移動の自由化の効果を考える。最も単純なケースを想定し て、世界にはⅠ国とⅡ国があり、両国とも生産要素として資本と労働を利用して同 一財を生産しており、労働投入量は一定であるとする。下図で、MPK とMPK Ⅰ Ⅱ は、Ⅰ国とⅡ国の資本の限界生産物曲線であり、いずれも資本の限界生産物は逓減 すると仮定している(財の国内価格は、いずれも1とする)。資本市場を開放しない 場合、Ⅰ国とⅡ国の保有する資本量はそれぞれO CとO Cであり、このときの Ⅰ Ⅱ 資本のレンタル料はそれぞれr とr である。 Ⅰ Ⅱ 資本移動の自由化の効果に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解 答群から選べ。 A B 資 r 本 Ⅱ の レ E H ン r* Ⅰ r* Ⅱ タ ル G 料 r Ⅰ MPK Ⅱ MPK Ⅰ O D C O Ⅰ Ⅱ 資本量 a 資本移動の自由化によって、Ⅰ国からⅡ国への資本移動が生じ、資本のレンタ ル料はⅠ国がr* 、Ⅱ国がr* になる。 Ⅰ Ⅱ b 資本移動の結果、労働者の賃金所得は、Ⅰ国では四角形O r* HCに増加し、 Ⅰ Ⅰ Ⅱ国では四角形O r* HCに減少する。 Ⅱ Ⅱ c 資本移動の結果、資本所有者のレンタル所得は、Ⅰ国では三角形AEr* に減 Ⅰ 少し、Ⅱ国では三角形BEr* に増加する。 Ⅱ d 資本移動の自由化によって、世界全体で三角形EFGの所得が増加する。
正解:ウ
第20問
世界経済が低迷する中、国際的な政策協調が必要とされている。 いま、隣り合うA国とB国が「環境保護」と「経済成長」を目的とする政策を選択す る。下表は、両国の利得表であり、カッコ内の左側がA国の利得、右側がB国の利 得を示している。 このゲームに関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 B国 環境保護 経済成長 A 環境保護 ( 500 , 500) (-500 , 1,000) 国 経済成長 (1,000 , -500) ( 0 , 0)
正解:ア
第21問
情報の非対称性がもたらす逆選択に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も 適切なものを下記の解答群から選べ。 a 自動車保険における免責事項には、保険の契約後に生じる逆選択を減らす効果 が期待できる。 b 医療保険制度を任意保険ではなく強制保険にすることには、病気になるリスク の高い人のみが医療保険に加入するという逆選択を減らす効果が期待できる。 c 企業が新たに従業員を雇う際に、履歴書だけではなく、その応募者のことをよ く知っている人からの推薦状を求めることには、見込み違いの従業員を雇ってし まうという逆選択を減らすことが期待できる。
正解:ウ
第6問 設問1
下図は、45度線図である。この図において、総需要はAD=C+I+G(ただ し、ADは総需要、Cは消費支出、Iは投資支出、Gは政府支出)、消費関数は C=C +cY(ただし、C は基礎消費、cは限界消費性向(01c11)、YはGDP) 0 0 によって表されるとする。図中におけるY Fは完全雇用GDP、Y は現実のGDPで ある。 この図に基づいて、下記の設問に答えよ。 総需要 AD AD AD AD AD 45° GDP Y Y 0 F (設問1) この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答 群から選べ。 a 総需要線ADの傾きは、cに等しい。 b 投資支出1単位の増加によるGDPの増加は、政府支出1単位の増加による GDPの増加より大きい。 c 総需要線ADの縦軸の切片の大きさは、C である。 【設問1】
正解:ウ
第6問 設問2
下図は、45度線図である。この図において、総需要はAD=C+I+G(ただ し、ADは総需要、Cは消費支出、Iは投資支出、Gは政府支出)、消費関数は C=C +cY(ただし、C は基礎消費、cは限界消費性向(01c11)、YはGDP) 0 0 によって表されるとする。図中におけるY Fは完全雇用GDP、Y は現実のGDPで ある。 この図に基づいて、下記の設問に答えよ。 総需要 AD AD AD AD AD 45° GDP Y Y 0 F (設問1) この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答 群から選べ。 a 総需要線ADの傾きは、cに等しい。 b 投資支出1単位の増加によるGDPの増加は、政府支出1単位の増加による GDPの増加より大きい。 c 総需要線ADの縦軸の切片の大きさは、C である。 【設問2】
正解:エ
第7問 設問1
下図には、右下がりの総需要曲線ADと垂直な総供給曲線ASが描かれている。 Y Fは完全雇用GDPである。 この図に基づいて、下記の設問に答えよ。 物価水準 AS AD 実質GDP Y (設問1) 古典派モデルにおける総需要曲線ADと総供給曲線ASに関する記述として、 最も適切なものはどれか。 【設問1】
正解:オ
第7問 設問2
下図には、右下がりの総需要曲線ADと垂直な総供給曲線ASが描かれている。 Y Fは完全雇用GDPである。 この図に基づいて、下記の設問に答えよ。 物価水準 AS AD 実質GDP Y (設問1) 古典派モデルにおける総需要曲線ADと総供給曲線ASに関する記述として、 最も適切なものはどれか。 【設問2】
正解:ウ
第15問 設問1
利潤最大化を達成するための最適生産について考えるためには、総収入と総費用 の関係を見ることが重要である。下図には、総収入曲線TRと総費用曲線TCが描 かれている。 この図に基づいて、下記の設問に答えよ。 総収入・総費用 TC TR 生産量 Q Q Q 1 0 2 (設問1) 費用関数に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解 答群から選べ。 a 総費用曲線TCの縦軸の切片は、固定費用に等しい。 b 平(cid:13432)費用が最小値を迎えるところでは、限界費用と平(cid:13432)費用が一致する。 c 生産量の増加に比例して、平(cid:13432)費用も増加していく。 【設問1】
正解:イ
第15問 設問2
利潤最大化を達成するための最適生産について考えるためには、総収入と総費用 の関係を見ることが重要である。下図には、総収入曲線TRと総費用曲線TCが描 かれている。 この図に基づいて、下記の設問に答えよ。 総収入・総費用 TC TR 生産量 Q Q Q 1 0 2 (設問1) 費用関数に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解 答群から選べ。 a 総費用曲線TCの縦軸の切片は、固定費用に等しい。 b 平(cid:13432)費用が最小値を迎えるところでは、限界費用と平(cid:13432)費用が一致する。 c 生産量の増加に比例して、平(cid:13432)費用も増加していく。 【設問2】
正解:ア
第16問 設問1
財の生産においては、労働や資本といった生産要素を効率的に投入することが必 要となる。下図では、最適な生産要素の投入量を考えるために、等産出量曲線と等 費用線が描かれている。 この図に基づいて、下記の設問に答えよ。 資本量 労働量 C C C 0 1 2 (設問1) 等費用線に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解 答群から選べ。 a 等費用線の傾きは、賃金が下落するほど、急勾配に描かれる。 b 費用が増加すると、等費用線C C は、C C へとシフトする。 0 0 1 1 c 縦軸の切片の値は、資本のみを投入する場合の費用を示している。 【設問1】
正解:オ
第16問 設問2
財の生産においては、労働や資本といった生産要素を効率的に投入することが必 要となる。下図では、最適な生産要素の投入量を考えるために、等産出量曲線と等 費用線が描かれている。 この図に基づいて、下記の設問に答えよ。 資本量 労働量 C C C 0 1 2 (設問1) 等費用線に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解 答群から選べ。 a 等費用線の傾きは、賃金が下落するほど、急勾配に描かれる。 b 費用が増加すると、等費用線C C は、C C へとシフトする。 0 0 1 1 c 縦軸の切片の値は、資本のみを投入する場合の費用を示している。 【設問2】
正解:イ