ケンブリッジ方程式
けんぶりっじほうていしき
ひとことで言うと
貨幣数量説のケンブリッジ版で、M=kPYと表し貨幣需要の側面から物価と所得の関係を示す。
解説
貨幣数量説のケンブリッジ学派による定式化で、M=kPYと表される。kはマーシャルのkと呼ばれ、名目所得に対する貨幣需要の比率を示す。フィッシャー方程式(MV=PY)と本質的に同じだが、貨幣需要の側面を強調する点が異なる。
くわしく解説
ケンブリッジ方程式とは、マーシャルらケンブリッジ学派が定式化した貨幣数量説の形式で、M=kPYと表される。ここでMは貨幣量、Pは物価水準、Yは実質所得(実質GDP)、kはマーシャルのkと呼ばれる係数で名目所得PYに対して人々が手元に保有したい貨幣の割合を示す。フィッシャーの交換方程式MV=PYと比較すると、kは流通速度Vの逆数(k=1/V)に相当し、数学的には同一の関係式である。しかしケンブリッジ方程式の重要な特徴は、貨幣需要(流動性選好)の側面を強調する点にある。マーシャルのkを通じて、人々の保有動機や経済状況によって貨幣需要が変動しうるという発想を含み、後のケインズの流動性選好説へとつながる橋渡し的な理論となっている。試験ではフィッシャー方程式との比較・相違点が頻出である。
具体例で考えよう
名目GDP(PY)が500兆円で、人々が平均的に名目GDPの2割(k=0.2)を現金・預金として手元に置きたいとすれば、貨幣需要Mは100兆円となる。kが大きいほど同じ所得水準でも必要な貨幣量が多いことを示す。
試験対策ポイント
M=kPYとMV=PYの対比、k=1/Vの関係を整理すること。ケンブリッジ方程式は貨幣需要重視、フィッシャーは流通速度重視という視点の違いが頻出。マーシャルのkの定義を正確に覚えること。