完全雇用
かんぜんこよう
ひとことで言うと
非自発的失業が存在せず、摩擦的・構造的失業のみが残る、自然失業率水準での雇用状態。
解説
労働市場において非自発的失業が存在しない状態を指す。摩擦的失業や構造的失業は存在しうるため、失業率がゼロであることを意味しない。自然失業率の水準で達成される状態であり、マクロ経済政策の目標の一つである。
くわしく解説
完全雇用とは、労働市場において、働く意思と能力を持ちながら仕事に就けない「非自発的失業」が存在しない状態である。ただし、転職活動中の「摩擦的失業」や、産業構造の変化による「構造的失業」は残存しうるため、失業率がゼロの状態を意味するわけではない。これらの失業のみが残る状態での失業率を「自然失業率」といい、完全雇用はこの自然失業率の水準で達成されるとされる。ケインズ経済学では、財政政策・金融政策による有効需要の管理によって完全雇用を実現・維持することがマクロ経済政策の重要な目標とされる。インフレとの関係では、フィリップス曲線において完全雇用に近づくほどインフレ率が上昇する傾向が示される。
具体例で考えよう
求人倍率が高く、転職希望者が短期間で次の仕事を見つけられる状況は完全雇用に近い状態といえる。この場合でも、新しいスキルを求めて職業訓練中の人はカウントされるため失業率はゼロにはならない。
試験対策ポイント
「非自発的失業がない状態」であり「失業率ゼロではない」点が頻出のひっかけ。摩擦的失業・構造的失業・需要不足失業の3種類の区別と、自然失業率との関係を押さえること。