現金預金比率
げんきんよきんひりつ
ひとことで言うと
民間が保有する現金と預金の比率で、高いほど信用創造の効果が小さくなる。
解説
民間が保有する現金と預金の比率のこと。貨幣乗数の決定要因の一つであり、この比率が高いほど信用創造の効果が小さくなる。ハイパワードマネーから貨幣供給量を導出する際に用いられる重要な変数である。
くわしく解説
現金預金比率とは、民間の経済主体(家計・企業)が保有する現金通貨と預金通貨の比率のことである。貨幣乗数(信用乗数)を決定する主要な要因の一つであり、ハイパワードマネー(マネタリーベース)から実際の貨幣供給量(マネーストック)を導出する際の重要な変数となる。現金預金比率が高いほど、人々が受け取ったお金を銀行に預けずに手元に持つ傾向が強いことを意味する。銀行に預けられる資金が少なくなるほど、銀行が貸出を通じて行う信用創造の連鎖が小さくなるため、貨幣乗数が低下し、同じハイパワードマネーでも最終的に生み出される貨幣供給量は少なくなる。現金預金比率(c)と預金準備率(r)から貨幣乗数は(1+c)/(r+c)と表される。経済の不確実性が高いときに人々が現金を手元に抱え込む行動は、この比率を高め信用収縮を招く。
具体例で考えよう
銀行に預けず財布に現金を多く持つ人が増えると、銀行の貸出原資が減って信用創造が進まない。例えば100万円のハイパワードマネーが供給されても、人々が半分を現金で持つと、銀行システム全体で生み出せるお金の総量は大幅に減少する。
試験対策ポイント
貨幣乗数=(1+c)/(r+c)の式における現金預金比率cの役割を理解すること。cが上昇すると貨幣乗数が低下する方向性を直感的に押さえること。準備率との組み合わせ問題に注意。