下請代金支払遅延等防止法
したうけだいきんしはらいちえんとうぼうしほう
ひとことで言うと
委託事業者の優越的地位の濫用から中小受託事業者を保護する法律。令和8年1月1日に中小受託取引適正化法(取適法)へ改称。
解説
下請代金支払遅延等防止法(下請法)は、親事業者が優越的な立場を利用して下請事業者に不当な扱いをすることを防ぎ、下請取引の公正化と下請事業者の利益を保護する法律。独占禁止法を補完する。
くわしく解説
この法律は、令和7年法律第41号による改正で、令和8年1月1日から名称が「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(略称:中小受託取引適正化法、通称:取適法)に変わり、親事業者は委託事業者、下請事業者は中小受託事業者、下請代金は製造委託等代金と呼び方が改められた。委託事業者と中小受託事業者は、取引の内容(製造委託・修理委託・情報成果物作成委託・役務提供委託、および改正で加わった特定運送委託)と両者の資本金の区分によって定義される。改正では資本金基準に加えて従業員基準(製造委託等は300人、情報成果物作成委託・役務提供委託は100人)も設けられた。委託事業者には、①発注時に取引内容を明記した書面を交付する義務、②製造委託等代金の支払期日を物品等の受領後60日以内のできる限り短い期間内に定める義務、③支払が遅れた場合の遅延利息の支払義務、④取引記録の書類等の作成・保存義務、という4つの義務が課される。また、受領拒否、支払遅延、代金の減額、返品、買いたたき、物品等の購入強制、不当な経済上の利益の提供要請などが禁止行為とされる。改正により手形払は支払遅延の一類型として禁止され、協議に応じないまま一方的に代金を決定することも新たに禁止された。運用は公正取引委員会と中小企業庁が担い、改正後は事業を所管する大臣も指導・助言ができる。違反には勧告・公表などが行われる。優越的地位の濫用を一般的に禁じる独占禁止法を、受託取引の分野で具体的・迅速に規制する補完法として位置づけられる。中小企業(中小受託事業者)の取引適正化を図る代表的な法律である。過去問は旧名称で出題されているため、両方の呼び名を覚えておきたい。
具体例で考えよう
資本金の大きい親事業者が、下請の中小企業に部品の製造を委託しながら、あらかじめ定めた代金を後から一方的に減額したり、受領後60日を超えて支払を遅らせたりすると、下請法の禁止行為・義務違反にあたる。
試験対策ポイント
目的(中小受託事業者の保護・優越的地位の濫用防止)、委託事業者の4つの義務(4条明示・支払期日60日以内・遅延利息・7条記録の保存)、禁止行為、独占禁止法の補完法である点が頻出。令和8年1月1日の改称と、従業員基準の追加・特定運送委託の追加・手形払の禁止・協議に応じない一方的な代金決定の禁止もあわせて押さえたい。
「中小企業経営・政策」の図解で学ぶ
関連用語
「中小企業経営・政策」の他の用語
独学で診断士合格を目指すなら
独学でも合格をつかみ取れる!
動画・テキスト・過去問・AI添削まですべて網羅!
予備校代の1/10以下で、独学の不安をまるごと解決できます

無料登録後、アカウントページからかんたんにプレミアムへ切り替えられるよ。解説動画・テキストPDF・1次過去問・2次AI添削まで全機能が使い放題になるの!
全7科目536節の解説動画539本・合計約41時間が見放題。連続再生・ブックマーク再生で、移動中も1本5分前後で進められます。プレミアム限定
令和3〜7年度の1次過去問1,116問を、科目別・年度別に無制限で演習。問題の図・表と解説つきで、間違えた問題はマイページに残ります。プレミアム限定
2次は事例I〜IVの114設問に何度でも書いて出せます。AIが設問ごとの基準で採点し、改善点は「どう書き直すか」の例と模範解答つき。プレミアム限定
科目別のテキストPDFをダウンロードできます。印刷して書き込む、タブレットで持ち歩くなど、好きな使い方で。プレミアム限定