数量カルテル
すうりょうかるてる
ひとことで言うと
複数企業が生産量を協定で制限し、価格を人為的に引き上げる独占禁止法違反の行為。
解説
複数の企業が生産量を制限する協定を結び、市場価格を引き上げようとする行為。独占禁止法で禁止されている。囚人のジレンマの構造を持ち、各企業には協定を破るインセンティブがあるため不安定になりやすい。
くわしく解説
数量カルテルとは、複数の競合企業が話し合いにより各社の生産量または販売量を制限することで、市場の供給を意図的に減らして価格を押し上げる行為である。価格を直接固定する価格カルテルと並ぶ代表的なカルテルの形態であり、日本では独占禁止法第3条により禁止されている。経済理論的には囚人のジレンマの構造を持ち、各企業にとっては協定に従うより生産量を増やして利益を得る誘因が常に存在するため、カルテルは本来不安定である。しかし繰り返しゲームの状況では協定が維持されやすいことも知られている。寡占市場分析において、クールノー均衡(数量競争)との関係でも理解が求められる。
具体例で考えよう
石油元売り会社数社が「来月の供給量を各社10万バレルに抑えよう」と密かに合意することで、ガソリン価格を人為的に高水準に維持しようとするケースが典型例である。
試験対策ポイント
価格カルテルとの違い(手段が生産量制限である点)を確認。囚人のジレンマと絡めた出題が多い。カルテルが不安定になる理由(逸脱のインセンティブ)を説明できるようにしておくこと。