均衡予算乗数
きんこうよさんじょうすう
ひとことで言うと
政府支出と租税を同額増加させたとき国民所得が1倍増加することを示す乗数。
解説
政府支出と租税を同額だけ増加させたときの国民所得の変化倍率のこと。均衡予算乗数の定理により、その値は1となる。政府支出乗数と租税乗数の差として導かれ、財政政策の効果分析において重要な概念である。
くわしく解説
均衡予算乗数とは、政府支出と租税を同額だけ同時に増加させた場合に国民所得がどれだけ変化するかを示す倍率のことであり、均衡予算乗数の定理によってその値は1となることが証明されている。導出の仕組みは次のとおりである。政府支出乗数は1÷(1-c)、租税乗数は-c÷(1-c)(cは限界消費性向)であり、両者を合計すると(1-c)÷(1-c)=1となる。つまり政府支出の拡大効果と増税による消費抑制効果が差し引きされ、増加額と同額だけ国民所得が増加する。この結果は限界消費性向の値に関わらず成立することも重要なポイントである。財政政策の効果分析において均衡予算制約のもとでの政策効果を考えるうえで欠かせない概念である。
具体例で考えよう
政府が国債を発行せず、100億円の増税と100億円の公共事業を同時に行うと、国民所得は100億円増加する(乗数=1)。増税で消費が落ちる分を差し引いても、政府支出の直接効果が残るためである。
試験対策ポイント
均衡予算乗数=1はcの値に依存しない点が頻出ひっかけ。政府支出乗数=1/(1-c)、租税乗数=-c/(1-c)の公式とセットで覚えること。