名目賃金率
めいもくちんぎんりつ
ひとことで言うと
貨幣で表示した労働1単位あたりの報酬で、実質賃金率とは物価水準で割って区別される。
解説
貨幣で表示された労働1単位あたりの報酬のこと。ケインズ理論では名目賃金の下方硬直性が非自発的失業の原因とされる。実質賃金率とは名目賃金率を物価水準で割った値として区別される。
くわしく解説
名目賃金率とは、労働市場において労働1時間(または1単位)に対して支払われる貨幣額のことである。ケインズ経済学では、名目賃金は下方硬直性を持つとされる。これは労働者が名目賃金の引き下げに強く抵抗するためであり、景気後退時に総需要が減少しても名目賃金がなかなか下がらないため、労働市場では需要不足による非自発的失業が発生すると説明される。古典派経済学では実質賃金の伸縮性を前提とするため非自発的失業は生じないとされるが、ケインズはこの前提を否定した。実質賃金率(W/P)は名目賃金率Wを物価水準Pで割ったものであり、労働の実際の購買力を示す。労働需要は実質賃金率の減少関数、労働供給は実質賃金率の増加関数となる。
具体例で考えよう
不況で業績が悪化しても企業が給与を1割削減しようとすると、労働組合や従業員の反発で実行できない。この名目賃金の下方硬直性がケインズ理論における非自発的失業の原因となる。
試験対策ポイント
名目賃金の「下方硬直性」がケインズ理論の非自発的失業の根拠という点が頻出。実質賃金率(W/P)との区別、古典派との対比(古典派は賃金が伸縮的)も必須。