労働市場
ろうどうしじょう
ひとことで言うと
賃金と雇用量が決定される市場で、古典派とケインズ派で賃金の伸縮性・雇用の完全性について見解が対立する。
解説
労働の需要と供給が出会い、賃金率と雇用量が決定される市場。古典派では実質賃金の伸縮性により完全雇用が達成されるが、ケインズ派では名目賃金の下方硬直性により非自発的失業が生じうる。IS-LM分析と合わせた総需要・総供給分析の基礎となる。
くわしく解説
労働市場は企業(労働需要側)と労働者(労働供給側)が交わり、均衡賃金率と均衡雇用量が決定される場である。古典派・新古典派では実質賃金が伸縮的に調整されるため、労働市場は常に均衡し完全雇用が達成されると主張する。失業が生じれば実質賃金が低下し需給が一致するため、非自発的失業は存在しないと考える。これに対しケインズ派は名目賃金の下方硬直性(賃金は下がりにくい)を指摘し、需要不足の局面では非自発的失業が持続すると主張する。総需要・総供給(AD-AS)モデルでは労働市場の均衡が総供給曲線の形状を決め、完全雇用GDPの水準に影響する。摩擦的失業・構造的失業・循環的失業の分類も労働市場分析の重要な側面である。
具体例で考えよう
不況でリストラが進む状況で、古典派の主張では「賃金を下げれば雇用が回復する」となるが、ケインズ派では「賃金を下げると消費が減り総需要がさらに縮小するため失業は解消されない」と反論する。この政策論争が労働市場分析の核心にある。
試験対策ポイント
古典派=実質賃金伸縮的=完全雇用達成、ケインズ派=名目賃金下方硬直=非自発的失業の対比を正確に覚える。AD-AS分析との連携でも頻出。摩擦的・構造的・循環的失業の定義と政策対応(金融・財政政策が有効なのは循環的失業のみ)も整理しておくこと。