セイの法則
せいのほうそく
ひとことで言うと
「供給はそれ自らの需要を生み出す」という古典派の命題で、ケインズが否定した総需要不足の否定論。
解説
「供給はそれ自らの需要を生み出す」という古典派経済学の命題。生産活動は同額の所得を生み出すため、総需要不足は生じないとする。ケインズはこの法則を否定し、有効需要の不足が不況の原因であると主張した。
くわしく解説
セイの法則(Say's Law)は19世紀フランスの経済学者ジャン=バティスト・セイが唱えた命題で、「生産(供給)は必ず同額の所得を生み出し、その所得は必ず支出されるため、総需要の不足は起こらない」という主張である。古典派経済学の核心をなす考え方であり、市場は自動的に完全雇用均衡に向かうため政府介入は不要とする結論を導く。しかしケインズは1936年の「一般理論」においてこの法則を批判し、貯蓄は必ずしも全額が投資に回らず、有効需要の不足が非自発的失業を生み出すと主張した。セイの法則の成否はケインズ経済学対古典派経済学の対立軸の核心であり、財政政策の有効性議論にも直結する重要概念である。
具体例で考えよう
セイの法則によれば、自動車工場が100億円分の車を生産すれば労働者・資本家などに100億円の所得が分配され、その所得で100億円分の財が購入されるため、在庫の山にはなりえないという論理である。
試験対策ポイント
「供給はそれ自らの需要を生み出す」という命題の文言を正確に覚える。ケインズによる否定(有効需要不足の可能性)とセットで出題される。古典派では貯蓄=投資が利子率調整で常に成立するとする点も重要。