有効需要の原理
ゆうこうじゅようのげんり
ひとことで言うと
国民所得は総需要の大きさによって決まるというケインズ経済学の根本原理。
解説
国民所得の水準は総需要(有効需要)の大きさにより決定されるというケインズ経済学の基本原理。セイの法則を否定し、総需要の不足が不況と失業の原因であると主張する。ケインズ理論の出発点となる最も重要な概念の一つである。
くわしく解説
有効需要の原理はジョン・メイナード・ケインズが1936年の「雇用・利子および貨幣の一般理論」で提唱した理論の核心である。古典派経済学のセイの法則(供給はそれ自体の需要を創り出す)を否定し、経済全体の生産・雇用水準は有効需要(実際に購買力に裏付けられた需要)によって決まると主張した。総需要が不足すれば均衡国民所得は完全雇用水準を下回り、非自発的失業が発生する。この場合、政府が公共支出を増やして有効需要を創出する財政政策が有効な解決策となる。45度線分析(ケインズのクロス)によって均衡国民所得が総需要と総供給(総産出)の一致点で決まることが示される。有効需要の原理は乗数効果の理論的基礎ともなっており、投資や政府支出の増加が乗数倍の国民所得増加をもたらす。
具体例で考えよう
企業が投資を控え、消費者も支出を減らしている不況期に、政府が10兆円の公共工事を発注することで有効需要を作り出し、連鎖的な生産・雇用の拡大をもたらす財政政策がこの原理の応用である。
試験対策ポイント
セイの法則の否定という文脈、45度線分析との関係、乗数効果への連結が三大頻出ポイント。「有効需要不足→非自発的失業→財政政策で解決」という論理展開を完全に押さえる。