通貨切り下げ
つうかきりさげ
ひとことで言うと
固定相場制のもとで自国通貨の交換比率を引き下げること。輸出競争力は高まるがインフレを招くリスクがある。
解説
固定相場制のもとで自国通貨の対外価値を引き下げること。輸出競争力の向上を目的として行われるが、輸入品価格の上昇によるインフレの懸念がある。通貨切り上げと対をなす概念である。
くわしく解説
通貨切り下げ(デバリュエーション)とは、固定相場制のもとで政府・中央銀行が公式に自国通貨の対外価値を引き下げる措置のことである。例えば1ドル=100円から1ドル=120円に変更することが通貨切り下げに相当する。この措置により輸出品の外国通貨建て価格が下がるため輸出競争力が向上し、経常収支赤字の縮小(Jカーブ効果を経た後)が期待される。一方で輸入品の国内価格が上昇するため、輸入物価の上昇を通じたインフレ(コストプッシュインフレ)が懸念される。また、通貨切り下げ競争(近隣窮乏化政策)に発展するリスクも指摘される。近隣窮乏化政策とは、自国の輸出競争力向上を通じて他国の景気を悪化させる政策であり、貿易相手国との関係悪化を招く。
具体例で考えよう
経常収支赤字が続く国が自国通貨を切り下げると、海外の消費者には自国製品が安くなるため輸出が増える。一方で、石油などの輸入品が値上がりし国内のガソリン代や電気代が上昇するというトレードオフがある。
試験対策ポイント
通貨切り上げとの対比(切り下げ→輸出増・輸入価格上昇・インフレリスク)を整理すること。Jカーブ効果(切り下げ直後は経常収支が悪化し時間差で改善する)も関連頻出論点。近隣窮乏化政策という用語とのセットで問われることがある。