財政政策
ざいせいせいさく
ひとことで言うと
政府の支出や租税を通じて経済を調整するマクロ経済政策で、IS曲線のシフトとして分析される。
解説
政府が支出や租税を通じて経済を調整する政策のこと。IS-LM分析ではIS曲線のシフトとして表される。政府支出乗数や租税乗数を用いてその効果が分析され、金融政策と並ぶマクロ経済政策の柱である。
くわしく解説
財政政策とは、政府が公共支出(政府支出・公共投資)や租税(減税・増税)を操作することで、経済活動の水準(国民所得・雇用・物価)を調整しようとする政策である。IS-LM分析では、政府支出の増加や減税はIS曲線を右方向にシフトさせ、国民所得と利子率を上昇させる。ただし、利子率の上昇が民間投資を抑制する「クラウディングアウト」が発生する点が重要である。政府支出乗数(1/(1-c、限界消費性向)や租税乗数(-c/(1-c))を用いてその効果の大きさが計算される。金融政策(LMシフト)との比較においては、流動性のわな(LM曲線が水平)の状況では財政政策のみが有効であり、古典的領域(LM曲線が垂直)では財政政策が無効になる。マンデル=フレミングモデルでは、固定相場制下で財政政策が有効、変動相場制下では無効という結論が得られる。
具体例で考えよう
政府がリーマンショック後の不況対策として10兆円の公共投資を実施した。この政府支出の増加はIS曲線を右シフトさせ、乗数効果によりGDPを10兆円以上押し上げる効果が期待された。
試験対策ポイント
IS曲線の右シフトが財政政策の基本図。クラウディングアウトの発生メカニズム(利子率上昇→民間投資減少)を理解する。流動性のわなでは財政政策有効・金融政策無効、古典的領域では逆になる点を整理。