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限界貯蓄性向

げんかいちょちくせいこう

ひとことで言うと

所得が1単位増えたときに貯蓄が増える割合で、限界消費性向と足して1になる。

解説

所得が1単位増加したときに貯蓄が増加する割合のこと。限界消費性向との間にs=1-cの関係が成り立つ。乗数の計算において1/sが投資乗数となるため、乗数理論の理解に不可欠な概念である。

くわしく解説

限界貯蓄性向(MPS: Marginal Propensity to Save)とは、可処分所得が1単位増加したときに、そのうちどれだけの割合が貯蓄に回るかを示す係数である。記号sで表され、限界消費性向cとの間にs=1-c(つまりc+s=1)の関係が成り立つ。これは、所得の増加分は消費か貯蓄のいずれかに必ず振り向けられるという恒等式から導かれる。マクロ経済の乗数理論において、投資乗数は1/(1-c)と表されるが、c=1-sを代入すると1/sと書き換えられる。つまり限界貯蓄性向sの逆数が投資乗数となる。sが小さい(人々が消費に回す割合が高い)ほど乗数は大きくなり、財政・金融政策の波及効果が増す。IS曲線の導出においても、財市場の均衡条件I=Sと関連し重要な役割を持つ。

具体例で考えよう

月収が10万円増えた際に3万円を貯蓄したとすると、限界貯蓄性向s=0.3となる。この場合の投資乗数は1/0.3≒3.33であり、政府が公共投資を1,000億円増やすとGDPは約3,330億円増えることになる。

試験対策ポイント

c+s=1の恒等式を使いこなすこと。投資乗数=1/(1-c)=1/sの変換は頻出計算。限界消費性向との混同に注意し、乗数の大きさとcまたはsの大小関係を整理しておくこと。

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