構造的失業
こうぞうてきしつぎょう
ひとことで言うと
産業構造の変化や技術革新により、労働者の技能と求人の要件がミスマッチして生じる失業。
解説
産業構造の変化や技術革新により、労働者の持つ技能と企業が求める技能が一致しないために生じる失業。摩擦的失業とともに自然失業率を構成する。長期的な性質を持ち、職業訓練などの政策対応が必要となる。
くわしく解説
構造的失業とは、経済の産業構造の変化(製造業からサービス業へのシフト等)や技術革新(自動化・AI化)によって、労働市場で需要される技能と労働者が持つ技能の間にミスマッチが生じることで起こる失業である。例えば、鉄鋼業の衰退により失業した労働者が、成長しているIT産業の求人に必要なプログラミングスキルを持っていない場合が典型例である。構造的失業は摩擦的失業(求職活動中の一時的な失業)とともに「自然失業率」を構成し、景気循環とは無関係に常に一定水準で存在するとされる。解消には時間がかかり、単なる景気刺激策では対処できないため、職業訓練・リスキリング・地域再開発などの構造政策が必要とされる。景気後退期に生じる循環的失業・需要不足失業とは性質が異なる点が重要である。
具体例で考えよう
かつて工場で熟練の溶接工として働いていた人が、工場が自動化されて失業した。しかし新たに求人が出ているのはシステムエンジニア職ばかりで、その技能を持たないために就職できない状態が構造的失業の典型例である。
試験対策ポイント
失業の3分類(摩擦的失業・構造的失業・循環的失業)の区別が頻出。構造的失業+摩擦的失業=自然失業率という関係を押さえること。解消策は職業訓練などの供給側政策で、需要拡大策では解消できない点がポイント。