ロゴ

摩擦の失業

まさつのしつぎょう

ひとことで言うと

求職活動や転職活動の過程で一時的に生じる失業で、完全雇用状態でも存在する失業。

解説

転職活動や求職活動に伴い一時的に生じる失業のこと。摩擦的失業と同義である。労働市場における情報の不完全性や移動コストが原因となり、完全雇用状態でも存在する自然失業率の構成要素である。

くわしく解説

摩擦的失業(摩擦の失業)とは、労働者が現在の職を辞めてから次の職に就くまでの求職・転職活動期間に発生する失業である。労働市場において情報が完全でないため、労働者と企業のマッチングには時間とコストがかかり、この探索活動の期間が摩擦的失業を生み出す。景気が良好で仕事が豊富でも、常に転職活動中の人が一定数存在するため、摩擦的失業は完全雇用状態でもゼロにはならない。構造的失業(産業構造変化による職種ミスマッチ)とともに自然失業率を構成する。自然失業率はインフレを加速させない失業率(NAIRU)とも呼ばれ、長期のフィリップス曲線の議論と密接に関連する。需要不足失業(景気循環的失業)とは原因・性質が異なることを理解することが重要である。

具体例で考えよう

IT企業を自己都合退職した30代のエンジニアが、より条件の良い会社を3か月かけて探している期間の失業がまさに摩擦的失業の典型例である。

試験対策ポイント

摩擦的失業・構造的失業は自然失業率を構成し、需要不足失業(循環的失業)とは区別する。「完全雇用でも存在する」点と自然失業率・NAIRUとの関係が頻出。

関連用語

経済学・経済政策」の他の用語