ひとことで言うと
所得や取引量に関係なく一定額が課される税で、人頭税が代表例。乗数分析の基礎となる概念。
解説
所得や取引量に関係なく一定額が課される税のこと。人頭税が代表例である。乗数理論における租税乗数の分析では定額税を前提としており、所得に依存しない税として分析が単純化される。
くわしく解説
定額税(lump-sum tax)とは、課税対象の所得・消費・取引量などに関わらず、一定の固定額が課される税のことである。人頭税(国民一人一人に同額課税)が最も典型的な例であり、選挙権・土地保有に連動した固定税なども含まれる。マクロ経済の乗数理論の分析では、租税乗数の導出において定額税(ΔT)を前提とすることで分析が単純化される。所得税のように所得に比例する税(比例税)と異なり、定額税は可処分所得を一定額だけ減少させるため、乗数効果の計算が明確になる。また、定額税は課税により行動を歪めない(超過負担ゼロ)という効率性の観点での利点があるが、低所得者ほど負担割合が大きくなる逆進性という公平性上の問題がある。
具体例で考えよう
政府がすべての国民に年間10万円の税金を課す場合、年収300万円の人も1,000万円の人も同額を納付する。これが定額税の概念である。年収に占める負担割合は低所得者の方が高くなる逆進的な性質を持つ。
試験対策ポイント
定額税と比例税(所得税)の違いを理解し、乗数分析では定額税が前提であることを確認すること。租税乗数の公式(-c/(1-c))の導出に直結する概念。逆進性という公平性上の問題点も理解しておくこと。
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