ひとことで言うと
一定の法律効果を望む意思を外部に表す行為。意思と表示がずれた場合の扱いが論点になる。
解説
一定の法律効果の発生を欲する意思を外部に表示する行為をいい、法律行為の中心となる要素である。内心の意思と表示が食い違う場合や、意思形成の過程に問題があった場合について、無効または取消しという効果と、第三者の保護の仕方が定められている。
くわしく解説
意思表示をめぐる論点は、意思と表示がずれる場面と、意思を決める過程がゆがめられた場面に分かれる。前者が心裡留保、虚偽表示、錯誤であり、後者が詐欺と強迫である。心裡留保は冗談のように本心でないと知りながら表示する場合で、原則として有効だが、相手方が悪意または有過失なら無効となる。虚偽表示は相手方と通じて行う仮装で無効だが、善意の第三者には対抗できない。錯誤は重要な事項について思い違いがあった場合で、取り消すことができるが、表意者に重大な過失があれば原則として取り消せない。詐欺による意思表示は取り消せるが、善意無過失の第三者には対抗できない。これに対し強迫による意思表示は、取り消したうえで善意の第三者にも対抗できる。だまされた者には落ち度があるが、脅された者を責めることはできないという価値判断による。意思表示は相手方に到達した時に効力を生じ、発信後に表意者が死亡しても原則として効力は失われない。
具体例で考えよう
だまされて土地を売り、買主がさらに事情を知らない第三者へ転売した場合、詐欺を理由に取り消しても善意無過失の第三者には土地の返還を求められない。
試験対策ポイント
心裡留保・虚偽表示・錯誤・詐欺・強迫の5つについて、無効か取消しか、善意の第三者に対抗できるかを表で整理する。強迫だけが善意の第三者にも対抗できる点が最頻出。
関連法令
民法第93条〜第96条、第97条
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