ひとことで言うと
会社が事業に関して有する権利義務の全部または一部を、他の会社に承継させる組織再編行為。
解説
株式会社または合同会社が、その事業に関して有する権利義務の全部または一部を、既存の会社に承継させる吸収分割と、新たに設立する会社に承継させる新設分割をいう。権利義務は包括的に承継されるため、債権者の個別の同意を得ずに債務を移転できる。
くわしく解説
会社分割は包括承継であるため、事業譲渡と違って債務や契約上の地位を個別の同意なしに移せる点に最大の利点がある。そのぶん債権者が不利益を受けうるので、債権者保護手続が置かれている。対価として交付される承継会社または新設会社の株式は、分割会社に交付されるのが原則であり、分割会社の株主に直接交付されるのではない。新設分割の場合、分割会社が新設会社の株式を取得して親会社となる。原則として株主総会の特別決議が必要であるが、簡易分割や略式分割にあたる場合は省略できる。従業員の扱いについては労働契約承継法が適用され、主として承継される事業に従事していた労働者が承継の対象から外された場合などに異議を申し出る権利が与えられる。また、承継されない債権者(残存債権者)を害することを知って会社分割をした場合、残存債権者は承継会社に対し承継した財産の価額を限度として履行を請求できる。
具体例で考えよう
A社がQ事業を切り離して新設のB社に承継させる新設分割では、B社の株式はA社に交付され、A社がB社の親会社となる。A社の株主に直接B社株式が渡るわけではない。
試験対策ポイント
対価はA社の株主ではなく分割会社に交付される。包括承継なので債権者の個別同意は不要だが債権者保護手続が必要。労働契約承継法と、詐害的会社分割における残存債権者の保護(請求は知った時から2年、効力発生日から10年)が問われる。
関連法令
会社法第2条29号・30号、第759条、第764条、労働契約承継法
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