ひとことで言うと
組織再編などに反対する株主が、公正な価格で自分の株式を買い取るよう会社に求められる権利。
解説
合併・会社分割・株式交換・株式移転・事業譲渡や、全部の株式への譲渡制限の設定といった、株主の地位に重大な影響を及ぼす行為に反対する株主が、会社に対して自己の有する株式を公正な価格で買い取るよう請求できる権利をいう。
くわしく解説
多数決で決まった事柄に反対の株主を会社に縛りつけておくのは酷であるため、資本を回収して離脱する道を与えたのがこの権利である。行使するには、株主総会に先立って会社に対し反対する旨を通知し、かつ総会で実際に反対の議決権を行使しておく必要がある。総会後に不満を述べても権利は生じない。買取価格は会社と株主の協議で決め、協議が調わないときは裁判所に価格の決定を申し立てることができる。簡易組織再編では株主総会の承認そのものが不要となるため、存続会社側の株主には買取請求権が与えられない。他方、略式組織再編では被支配会社の少数株主に買取請求権が認められる。事業譲渡でも反対株主に買取請求権が生じるが、事業の全部の譲受けに対する譲受会社側の株主など、認められない場面があることに注意が要る。
具体例で考えよう
吸収合併に反対する株主が、総会前に反対の通知を出したうえで総会で反対票を投じれば、会社に対し公正な価格での買取りを請求できる。価格がまとまらなければ裁判所に決めてもらう。
試験対策ポイント
事前の反対通知と総会での反対の議決権行使の両方が要件。簡易組織再編では買取請求権が認められない点が頻出。価格が折り合わないときは裁判所に申し立てる。
関連法令
会社法第469条、第785条、第797条、第806条
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