行動に関する情報の非対称性
こうどうにかんするじょうほうのひたいしょうせい
ひとことで言うと
契約後に相手の行動が観察できないことで生じる情報の非対称性で、モラルハザードの原因となる。
解説
契約後に一方の当事者の行動が他方から観察できないことによる情報の非対称性。モラルハザード(道徳的危険)の原因となる。保険市場や雇用関係などで問題となり、インセンティブ設計による対処が重要である。
くわしく解説
行動に関する情報の非対称性とは、経済取引において契約締結後に、一方の当事者(エージェント)の行動を他方(プリンシパル)が観察・監視できないという状況を指す。この状況から生じる問題がモラルハザード(道徳的危険)である。例えば、損害保険に加入した契約者が、加入後に自動車の運転を不注意になる、または健康保険に加入した人が生活習慣の改善を怠るといった行動が典型例である。雇用関係においても、雇用主(プリンシパル)が従業員(エージェント)の努力水準を常に監視できないため、従業員がサボる誘因(モラルハザード)が生じる。これに対処するためには、インセンティブ契約(成果報酬・業績連動型賃金)の設計、モニタリングの強化、評判メカニズムの活用などが有効とされる。事前の情報非対称性(逆選択)と対比して「事後の情報非対称性」として整理するとよい。
具体例で考えよう
自動車保険に加入すると「万が一の事故は保険で補填される」と思い、シートベルトを怠ったり乱暴な運転をしたりする人が出ることがある。これが行動に関する情報の非対称性から生じるモラルハザードの典型例である。
試験対策ポイント
逆選択(事前の情報非対称性・隠れた属性)とモラルハザード(事後の情報非対称性・隠れた行動)の区別が最頻出。対処策(インセンティブ設計・モニタリング)もセットで覚えること。プリンシパル=エージェント問題との関連も押さえる。
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