ひとことで言うと
故意または過失により他人の権利を違法に侵害し損害を与えた者が、損害賠償責任を負う制度。
解説
故意または過失によって他人の権利または法律上保護される利益を侵害した者が、これによって生じた損害を賠償する責任を負う制度をいう(民法第709条)。契約関係のない者の間で生じる点で債務不履行責任と対置される。
くわしく解説
成立には、損害の発生、故意または過失、権利侵害(違法性)、因果関係、責任能力の5つが必要である。損害が生じていることを要件から落とさないよう注意が要る。正当防衛や緊急避難にあたる場合は違法性が阻却される。責任能力はおおむね12歳程度の判断力とされ、これを欠く者は責任を負わず、代わりに監督義務者が責任を負うことがある。債務不履行責任との最大の違いは立証責任の所在であり、債務不履行では債務者が自らに帰責事由がなかったことを証明しなければならないのに対し、不法行為では被害者が加害者の故意・過失を証明しなければならない。過失相殺も、債務不履行では必要的で責任の有無と額の双方を考慮できるのに対し、不法行為では任意的で額のみを考慮する。消滅時効は損害および加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年で、生命・身体の侵害の場合は5年・20年となる。使用者責任や共同不法行為といった特殊の不法行為も出題される。
具体例で考えよう
取引関係のない通行人に工事現場から資材が落下して怪我をさせた場合、契約関係はないが不法行為として損害賠償責任を負う。
試験対策ポイント
成立要件は5つで、損害の発生を落とさない。立証責任が債務不履行と逆(不法行為は被害者側)。過失相殺は債務不履行が必要的・不法行為が任意的。時効は3年・20年、生命身体は5年・20年。
関連法令
民法第709条、第712条、第715条、第719条、第722条、第724条
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