ひとことで言うと
権利と義務をまとめて一括で引き継ぐこと。相続や合併、会社分割がこれにあたる。
解説
ある者に属していた権利義務を、個別の移転手続を経ることなく、法律上当然に一括して承継することをいう。一般承継ともいう。相続、合併、会社分割がこれにあたり、個々の財産ごとに移転させる特定承継と対置される。
くわしく解説
包括承継では、プラスの財産だけを選んで引き継ぐことはできず、債務もあわせて移転する。相続において単純承認をすれば被相続人の借金まで無限に承継するのはこのためであり、相続放棄や限定承認という制度が用意されているのもこの性質に対応したものである。会社の世界では合併と会社分割が包括承継にあたり、債権者の個別の同意を得ずに債務を移せる反面、債権者保護手続が課される。これに対し事業譲渡は取引行為であって特定承継であるため、債務を移すには債権者の同意が、契約上の地位を移すには相手方の承諾が、それぞれ個別に必要となる。株式の譲渡の場面でも、相続や合併による取得は一般承継であることから、譲渡制限株式であっても会社の承認を受けずに株主名簿の名義書換を請求でき、名義書換の請求も取得者が単独で行える。
具体例で考えよう
吸収合併では消滅会社の契約や許認可、債務が存続会社へ当然に移るが、事業譲渡では同じ契約を移すのに相手方の承諾を一件ずつ取らなければならない。
試験対策ポイント
合併・会社分割は包括承継、事業譲渡は取引行為(特定承継)という対置が最頻出。相続による譲渡制限株式の取得は一般承継なので会社の承認が不要で、名義書換も単独で請求できる。
関連法令
会社法第750条、第759条、民法第896条
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関連用語
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